ショートショートといえばこの人ってくらい有名な、
星新一のシリーズです。
一つ一つの話が非常に短く、ネタも大人から子供まで幅広く楽しめる内容になってます。
話が書かれたのは、数十年前だったりするはずなのに、今読んでも全く古い感じがしない、不思議な小説なのですが、その辺りは星さんがかなり工夫されているらしく、例えばお金に関しては具体的な額を出さず、
豪華な食事が2~3回出来るくらいの金額などと、その時代の読み手が自由に金額を想像出来るようになっているとか。
また、名前もエヌ氏とかエス氏とか、時代に左右されないようなものを使っているし。
私が星さんの話を始めて読んだのは、小学校の頃の教科書。
「ボッコちゃん」収録の
おみやげという話です。
文明の進んだ星の住人が、地球にやってきて、自分たちの文明を地球人に教えてあげようと考えますが、その時地球はまだ哺乳類も存在していない時代。
なら、いずれ文明が生まれたとき、自分たちの知識を使ってほしいと、金属のタイムカプセルに有益な情報(例えばどんな病気でも治せる薬の作り方とか、簡単に宇宙に行ける宇宙船の作り方とか…)を入れることにします。文字が伝わらないといけないので、絵入りの解説まで付けて。
そしてそのカプセルは、地殻変動の影響などを受けないように、砂漠の真ん中に置いておくことにしました。
さて、その後地球には人類が誕生し、ついに金属のカプセルが開けられる瞬間が来るかと思いきや…。
子供ながらに
「あーあ…」と思ったのを覚えてますwこれは地球人の自業自得…。
それからもう一つは、「宇宙のあいさつ」収録の
繁栄の花。
(多分おみやげが小学3年くらいで、繁栄の花が4年くらいじゃなかったかしら?)
ある星の住民が宇宙船に乗って、地球に友好のあいさつにやってきます。
そして友好のしるしとして、
繁栄の花という花をお土産に置いて一旦帰ります。
繁栄の花は、素晴らしい花で、見た目は美しく、匂いもかぐわしく、丈夫で育て易いという、非のうちどころのない花だった為、地球人は繁栄の花に夢中になり、この花は世界中に広まります。
が、世界中に広まってから、この花のある弱点が露呈します。
というのも、繁栄の花は、決して枯れないのです。薬品でもダメ、火でも燃えず、低温にしても成長が一旦止まるだけ。
この花、既に増えすぎなんだけど、一体どうしたらいいんだ…と思ったとこで、例の繁栄の花を持ってきた宇宙人が再び地球にやってきますが…。
この話、結末は結構ダークww
始めは地球人が優位かと思わせておいて、
そうきたかという結末に、子供ながらびっくり!
でも相手を支配するのにこういう方法もあるんだと当時は目からウロコでした。
というか、今思えば、この話は国語の時間というより、社会の時間にやるべき内容じゃないかな?
とにかく二年続けて星さんの話を読んで、子供だった私の頭の中にも、この人の名前はばっちり刻まれました。
その他私の好きな話は…沢山あるのですが、いくつか抜粋してみます。
「ボッコちゃん」より
生活維持省…戦争も飢餓もない素晴らしい世の中が実現した地球ですが、その
代償は…。
「悪魔のいる天国」より
ピーターパンの島…合理的な社会に時折生まれる「空想力の豊かな子供」。そんな子供たちの為に用意されている夢の島ですが、島の
本当の目的は?
「宇宙のあいさつ」より
奇妙な社員…ものすごく仕事の出来る社員の唯一の欠点は、時々とる
長期休暇。社長が休暇中何をしているのか調べた結果は?
「おせっかいな神々」より
古代の秘法…古代文明の残した
長生きの究極の方法を苦心して翻訳してみたら!?
「未来イソップ」より
価値検査器…どんなものでも、一瞬で価値があるかないか測定してくれる万能の機械だけど、それを扱う
自分の価値はどのくらい?
「ようこそ地球さん」より
処刑…ある罪人が送られた星は、水も食べ物もない。持っているのは
一つの球。その球のスイッチを押すと、水や食べ物など、自分の欲しいものが出てくるか、或いは球が爆発して死ぬかのどちらか。罪人は毎回ボタンを押すたびに、今こそ死ぬんじゃないかと恐怖におびえながら過ごすわけですが…。
「妖精配給会社」より
ひとつの装置…かなりのお金をかけて広場の真ん中に作られた
何もしない装置。その装置の本当の役割とは?
…とまあ、抜粋とはいえ沢山出しちゃいましたね。
本当はまだまだあるのですが、キリがないので、この辺で終わりにしますw
あ、アマゾンの紹介は、私のお気に入りのヤツにしときました。