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これまで読んだ本、新しく読んだ本の感想を適当に書いていきます。 ※あくまで個人の感想です!
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目次
50音順になってます

悪意
伊良部一郎シリーズ
噂の女
往復書簡
お江戸でござる
オリンピックの身代金
オレたちバブル入行組
折れた竜骨
顔 FACE
化学探偵Mr.キュリー
仮想儀礼
かばん屋の相続
機長、事件です!
Q&A
救命センター当直日誌
金融探偵

コモリと子守り
櫻子さんの足下には死体が埋まっている
さまよう刃
事故―別冊黒い画集Ⅰ
死体置き場で夕食を
十角館の殺人
しまのないトラ
Sherlock: A Study in Pink
シャーロック・ホームズシリーズ
小公子セディ
小公女
真珠夫人
新世界より
ずっとあなたが好きでした
ストロボ
世界の終わり、あるいは始まり
ダウントン・アビーに於ける職業指南書
地球進化 46億年の物語
冷たい川が呼ぶ
天璋院篤姫
トッカン 特別国税徴収官
トッカン The 3rd おばけなんてないさ
トッカン vs勤労商工会
猫のなるほど不思議学
パーカー・パインの事件簿
初ものがたり
福家警部補の挨拶
ブードゥー・チャイルド
ホームズの伝記比較
ホームズ・パロディ(J・トムスン)
星新一のショートショート
「本が売れない」というけれど
ぼんくら
マスカレード・ホテル
マンガ版シャーロック・ホームズ
万能鑑定士Qの事件簿のシリーズ
「見たいテレビ」が今日もない
ミッキーマウスの憂鬱
密室殺人ゲーム王手飛車取り
密室の鍵貸します
みんないってしまう
モンスター
夜行観覧車
霊柩車No.4
ワイルド・スワン
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機長、事件です!



最近なかなか新規の作家さんの本を読むことがないのですが、図書館の返却棚で見つけて衝動的に借りてみました。

主人公は間宮次郎
ニッポン・エアラインで訓練を積んで、晴れて副操縦士の資格を得た新人パイロットですが、初めての国際線勤務にて、氷室翼という美人で有能な機長と副機長の幸村操雄とフランスのシャルル・ド・ゴール空港の往復をすることに。
平穏に往復勤務が終わるかと思いきや、ミステリのお約束通りいろいろな事件が起こるわけですが…。

まず一番興味深かったのは、航空業務の細かいあれこれ。
そもそもパイロットになる過程はどんなの?とか、パイロットの定番持ち物って何?とか、飛行機に乗る前の打ち合わせの様子とか、コックピットの中でのやりとりとか、とにかくよく調べてあります。
作者のご両親とお姉さんがパイロットだそうで、そこは納得。

飛行機の業務の様子といえば、映画やドキュメンタリーでもたまに見かけますが、その場合ほとんどが事故やハイジャックの時。
そういう意味で考えると、何も起こらない通常業務の様子は、ほぼ見ることもないので、面白く読み進めました。

ただ逆に言うと、面白かったのはそこだけかな~。
登場人物の魅力とか、ストーリーの面白さ、ミステリの完成度などは、非常にドンマイな気がします。
美人で有能だけど口が悪い氷室翼のキャラも、何だかどこかで見たようなキャラだし…。
大体今どきたわけなんて言うキャラ、アニメでもそうそう出てこないのでは!?
それに氷室さんと幸村さんの関係も何だかな~というか、今さらそのオチ…という感じ。
せっかく面白い舞台を用意したのに、イマイチそれを生かしきれてない気がしました。


正直、図書館で借りたからいいようなものの、これを定価1500円で買う価値があるかどうかと聞かれたら、自分なら買わないレベルでしょうね。
ブックオフで100円でもちょっと考えるかもしれない。
そもそも読み返す機会があるかどうか。

とはいえ、二時間くらいのちょうどいい暇つぶしにはなったし、今後飛行機に乗ることがあったら、機長アナウンスや、離陸の時の飛行機の動き、着陸の様子などにも注目したいと思います。
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「本が売れない」というけれど



昨今、本に関して聞くニュースといえば、大抵出版不況ネット通販に押されて書店廃業など、先行き明るいとは言えないニュースばかりですが、そこら辺本当のところはどうなのよ?という業界内部の話を詳しく解説しているのがこの本です。

話はこれまでの書店の経営の歴史や、一般人には見えない取次の役割、そしてどうして不況と言われるようになったのか…などなど、相当分かりやすく書いてて、著者の考察なども非常に興味深いです。

まず出版不況と一口に言っても、ただ本が売れなくなったわけではなく、大きな原因と言えるのは雑誌不況
雑誌から得られる広告収入があるから、出版社は本が売れなくても経営が成り立ち、雑誌が売れることによって町の小さな書店の経営を支えてきたわけですが、最近はその雑誌が売れなくなってきた…というのが大きな原因のひとつ。
雑誌が売れなければ本で収益をまかなうしかなく、出版社はこれまで以上に新刊を出さなければいけなくなり、同時に本を書く作家にも大きな負担がかかることに…。
そして出版社や作家の労力が増えた割には、そんなに本が売れまくるわけではない。
なぜなら人々における読書率…つまり本を読む人の割合は、今も昔も大きく変わらず、変わったものと言えば、若者世代の減少と、団塊世代が引退したことで以前より新刊を買わなくなったことくらいか。

そして出版業界の天敵…かもしれないブックオフやアマゾンの台頭についても細かく解説しています。
面白いのはアマゾンがこれほど日本でヒットするとは、誰も予想してなかった点。

・本を買うきっかけはジャケ買いが多いから現物が見れないネットからは買わない
・日本は全国津々浦々に書店があるからネット書店は必要ない


今思うと、本当に浅はかな予想だと思わざるを得ません。
というより、この程度の予想しか出来ないから、ロクな対策も立てられず、時代の波に乗れず現在「出版不況」などと呼ばれるんじゃないですかね。

ところで著者はアマゾンの成功について「とにかくない本が(ほとんど)ない」「注文してすぐ届く」「顔が見えないから恥ずかしい本でも買い易い」という点を取り上げてますが、私はアマゾンの成功のきっかけはそこではないと思います。

私もかなり…というか、欲しいものがあるととりあえずアマゾンを検索するわけですが、アマゾンの機能の中で一番売り上げに貢献していると思うのはこの商品を買った人はこんな商品も買っていますこの商品を見た後に買っているのは?の項目ではないでしょうか。

あるドラマのDVDを検索する→ふとこの商品を買った人はこんな商品も買っていますを見るとそのドラマに関する関連本が…。へぇ~こんなの出してるんだ…とクリックすると、さらにこの商品を~で面白そうな関連本が…。
これを繰り返していると、5回に1回くらいは商品をほしいものリストに入れてしまうし、値段によってはそのまま購入してしまうことも。

アマゾンが何より優れているのは、ユーザーが潜在的に欲しいと思っている商品のところまで巧みに誘導する技術でしょう。

そういう意味では、一般の本屋さんも、最近は上手に関連本を棚に並べるようになりましたが、正直まだまだ探し難いと感じることが多いです。

ちなみに他の業界では昔からこの売り方を活用してますよね。
例えば洋服屋さんでよく見かける、商品でコーディネートされているマネキン。
あれを見て「このジャケットこんな風に着こなすのか」と参考にするだけでなく、時には「あのマネキンの付けてるネックレスちょっとかわいい」などと、洋服ではない商品に目がいくこともあります。

家具屋さんでも、店内の一角に商品を上手にインテリアしてある光景をよく見かけます。
ああしておけば部屋のイメージが分かりやすいし、テーブルを買った時に椅子を購入してくれる確率も増えるでしょう。

一方本屋はどうだったか。
大型書店はともかく、昔の一般的な町の本屋を思い出すと、とりあえず新刊や雑誌だけを表に出してあとは出版社順、作家順に並べる程度のことしかしてなかったように記憶しています。そして立ち読みをしてる人がいるとあからさまに迷惑そうな顔をして追い出したり。
アマゾンを始めとするネット通販、電子書籍が出る前ならそれでもお客さんは本を買ったのかもしれませんが、それは本を買う手段がそれしかなかったからです。
一度欲しい商品まで楽々誘導してもらうような経験をしてしまうと、もう昔には戻れないのが人間というものでしょう。

特に最近数を減らしている町の本屋さんは、そのことに気づくのが遅すぎたのではないでしょうか。

新世界より



以前より単行本で出ていて、薄々面白そうだとは思っていたのですが、何せ分厚い本が上下2巻!(←文庫でも出てますが、こちらは上中下の3巻)
読む時間もかかりそうだし…とちょっと敬遠していた所、偶然この作品のアニメ版を見た知人が面白かったのでオススメだと言っていたので、それなら原作読んでみようかなと、借りてみました。

いやぁ、思ったより面白く、あんな長編なのにあっという間に読み終わっちゃいました。

舞台は今から1000年後の日本。
日本は何故か文明が後退し、パッと見は昭和に戻ったような、のどかな風景が広がります。
そこに住む人々は、見た目普通の人間ですが、みな呪力という超能力を使いこなし、それぞれ生活に役立てています。

この呪力は、物語の中で最も重要な設定の一つで、人間はこの力を使いこなす為に大きな犠牲を払っている…という暗い側面が、作中の最初の方から見え隠れし、ある意味この物語の根幹を成していると言えるかもしれません。

それからもう一つの重要な設定が、醜いバケネズミの存在。
バケネズミは、元々ハダカデバネズミを人間が呪力で改造してこのような姿にしたと言い伝えられており、大きさはネズミより大きく人間より少し小さめ。
普通のバケネズミは人間の言葉を理解しませんが、一部利口なバケネズミは人間の言葉をしゃべり、バケネズミの各コロニー(集団)のリーダーを務めていたりします。
そして常に人間社会で管理されながら独自の集団生活を行い、人間には絶対服従で奴隷のように扱われつつも、人間を「神様」として扱い、畏れ敬っているのです。

そんな物語の主要キャラとなるのが、この話自体の語り手となる渡辺早季と、幼馴染の朝比奈覚(さとる)。バケネズミ側の主要キャラが、スクィーラ奇狼丸(きろうまる)です。


話の要約は、話全体が長く複雑で、要約なんて無理なので端折りますが、最後まで読んだ上で最も印象的なキャラといえばやはりスクィーラでしょうか。
彼は最初、早季や覚の前に姿を見せた時は、口が達者でお調子者ながらも規範通り人間への完全服従の態度を崩さず、早季たちを神様と敬い、呪力を神様のお力と称えます。
しかし終盤、スクィーラの起こしたある大事件が全て終わってから早季たちの前に姿を見せた彼は、まるで別人のよう。
早季たちを普通にあなたがたと呼び、呪力を悪魔の力だと言いきります。最後は神様扱いしてた人間たちの前でおまえ達の邪悪な圧政はいつか必ず滅びるという内容を叫んで表舞台から消えていくのです。

この物語に番外編があるとしたら、やはりスクィーラの物語を読んでみたいです。
早季たちが過ごした同じ時間軸を、スクィーラはどのように過ごしたのか。早季たちと同様に世界の隠された真実を、ミノシロモドキによって知った瞬間があったはず。そこからどのように考え、計画を立てて実行するに至ったのか…。

ひょっとしたらこっちの方が、「新世界より」の本編より面白い話になるんじゃないかと、つい思ってしまうのです。

ダウントン・アビーに於ける職業指南書



ドラマ「ダウントン・アビー」を見ていると、20世紀初頭のイギリスのお屋敷の内情がものすごくよく分かりますね。
上流階級(階上)と労働者階級(階下)の人々について、それぞれのやるべきこと、人生の目標などなど、与えられた環境の中でいかに上手に世の中を渡っていくか…がドラマで詳細に表現されています。

この本は、ドラマの主要人物である執事のカーソンが執筆したという設定で書かれた、使用人の為のマニュアルのような本です。
※英語タイトル「The The Downton Abbey Rules for Household Staff」
なので、ドラマを見てなくても内容は分からなくはないけれど、ストーリーに沿った話が出てくるので、見てないと多少は分かり難いかも?
それにドラマの舞台ハイクレア城やドラマの光景を思い浮かべながらじゃないと、雰囲気伝わらないし。
どちらかというと、ドラマのサブテキストといった感じですね。

しかも全文英語!例のホームズの秘密ノートでちょっとは翻訳に慣れたとことはいえ(英語は上達してないけどw)、衝動的についつい購入しちゃいました。
で、同じくドラマを見ていた友達もこの本に興味を持っているので、ホームズとは比較にならないくらい丁寧に(爆)、一冊分を翻訳し終わりました。
考えてみたら、本一冊を丸々翻訳したのは初めてかもしれません。それも抄訳ではなく翻訳!

数ヶ月かけて一冊読み終わったこの本、せっかくなので、ここでレビューを乗せることにしました。

まず最初にカーソンさんの序文があって、ここではドラマで語られてないカーソンさんの修行時代の話が出てきます。
ドラマではかなり厳格で生真面目で仕事熱心で、執事の…というか使用人自体の鑑となるような人物ですが、そんなカーソンさんにも若かりし頃は存在したんですよね。
あのカーソンさんが最も厳しかったと語る、ビート氏とはどんな人物なのか気になりますw

次にこの本についての紹介があって、その次はすべての使用人に対する一般的な注意事項。
個人的には噂話についての忠告がグサッときました。

噂を広める人というものは、人から聞いたことよりも多くの事柄を話しがち
~中略~
巻き込まれない最もよい方法は、自分の仕事のみに集中し、他に気をとられないことです

うう、ごめんなさい。でも時には仕事の愚痴を仲間とこぼしたいんですぅ~。
分かってるけど、そんな聖人みたいにはふるまえないのが悲しいですね。
その他ここは様々な名言があります。
全部実行出来たら、ものすごく立派な人物になれそうです。多分。

次の章から執事、家政婦長、従者、侍女、料理長、料理長の助手、下僕、メイド…と、それぞれの仕事についての細かいレクチャーが続きます。
しかし執事はともかく、その他の職種、特に女性の職業に関しては、わざわざヒューズさんとかパットモアさんに聞いたのでしょうか?
あのパットモアさんに邪険にされながら細かいことを聞きだそうとしてるシーンを思い浮かべると、笑っちゃいそうなんですがww

それからそれぞれの仕事の細かさにびっくり。
現代のように便利な洗剤、洗濯機や掃除機などの家電に頼れない時代は、こうやって生活を成り立たせていたのですね。
そしてドラマに出てくる使用人の仕事は、ほんの一部。
映らない場面で使用人たちは、本当に汗水たらして働いていたのでしょう。
この本を読んでからドラマを見直すと、そういう舞台裏がうっすら想像出来るようになりました。


ダウントン・アビーを見た人は副読本として絶対オススメです(全部英語ですがw)。
というか、普通に日本語版も出せばいいのにー。

消えた帆船4/4

いよいよこの話も終盤。
ホームズの古典的なトリックとは一体…!?


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