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これまで読んだ本、新しく読んだ本の感想を適当に書いていきます。 ※あくまで個人の感想です!
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アップウッドの醜聞3/3

前回、前々回の続き。
今回でいよいよノンパレ騒動にもケリがつきますが、思ったより長くなっちゃいました…。




翌日の夕方、ホームズはワトスンをケンブリッジの劇場に誘った。
劇場では、いくつか軽い出し物が続いた後、読心術とマインドコントロールの達人という触れ込みで、シルバニア地方のジプシーっぽいカウント・ラコッツィという人物が登場した。
どうやらホームズの目的はこの出し物だったらしい。

メフィストフェレスみたいな格好をしたラコッツィは、女性アシスタントを使って、早速芸を始めた。
彼は目隠しをし、アシスタントと一緒に観客のとこへ行き、アシスタントが観客から何かを預かり、ラコッツィにいろいろと質問をする。
すると彼は、預かったものの名前(懐中時計)とか、彫ってあるイニシャルetc、次から次へと当てていくではないか!
その後も、アシスタントと一緒に、観客の財布とか指輪とかブレスとかを、どんどん当てていくラコッツィ。

観客が大いに沸く最中、ワトスンは、ラコッツィに関してどこかで会ったような気がすると考えるが、誰だか思い出せない。
結局分からないままラコッツィのステージは終了し、ホームズとワトスンは外に出た。

ホームズはまっすぐ関係者用の出口に向かい、そこの守衛に、ラコッツィ宛に何やらメモと名刺を渡し、少しして、守衛は二人を楽屋へ案内した。

ワトスンは中に入って驚いた。
「ガンツじゃないか!」
ホームズはラコッツィ、いやガンツに声をかけた。
「ぼくの名刺とメモを受け取りましたね。
言っておきますが、ぼくは警察へ行くことも出来たし、シンクリアー氏やこの劇場のマネージャーに伝えることもできた。そうすればあなたは身の破滅だ。
何でぼくが関わる前に詐欺から身を引かなかったんですか?」

ガンツは、うなだれたまま無言で立っていた。
その様子を見てホームズはある提案をした。二人の進退と、それから詐欺の犠牲者の記録と得たお金を全てシンクリアー氏に送り、犠牲者にはシンクリアー氏から返金する。二度と詐欺は行わない。その旨を書面に残し本名でサインしてホームズ宅に郵送する…という内容だ。
ガンツは了承し泣き崩れ、二人は静かに部屋を後にした。

ホームズが真相に気づいたのは、少し前にラコッツィのポスターを劇場でたまたま目にし、その後ノンパレルクラブでガンツに会った時だった。

詐欺の手口は、劇場のショーと同じで、あの読心術も、アシスタントが言葉の中に密かにヒントを混ぜていて、ラコッツィに答えを教えていたのだ。
主犯はおそらくアップウッド大佐。彼はショーを見てホイストへの応用を思いついた。言葉やしぐさで自分の手の内を互いに教えあい、ゲームをコントロールしていた。
ガンツの神経質そうな振る舞いも、そのための作戦だった。

翌日、アップウッド大佐とガンツの本名アルフレッド・トンクスというサインの入った書面が届いた。
そして月曜にはシンクリアー氏が約束の時間に現れ、例の二人がクラブを辞め、お金を返してきたという報告があった。

結果に大満足のホームズは、今回の記録を公表するなら“大佐のトランプ詐欺”なんてタイトルがいいんじゃないかと、上機嫌。
しかしワトスンは別の理由で発表しないことにしていた。
軍医時代の知人、ヘイター大佐に、アップウッド大佐のことを手紙で問い合わせしてみたのだ。すると間接的だが、アップウッド大佐は当時の自分にとって恩人に当たるらしい事実が判明。そんな大佐の凋落は発表したくない。だからこの記録は発表せずにしまっておくことにしたのだ。


●読心術とマインドコントロールの達人…Mind Readingはそのまま機械翻訳で読心術と出ましたが、問題はMental Manipulationの方。直訳すると精神操作術。あれ?これってひょっとしてマインドコントロールのことじゃね?と思って、そう訳しましたが、考えてみたらマインドコントロールって和製英語なんですかねw
●ところでラコッツィのショー、読心術(目隠しでモノを当てるやつ)は披露してましたが、マインドコントロールの方は披露しなかったような?詐欺の時も使ってなかったようだし…(最後に詐欺を働いた時も上手く勝負に誘ったのはアップウッド大佐)。
●で、結局二人一組で行うホイストのルールが最後まで分からなかったので、詐欺の方法も実際のところは不明w
●ガンツは用心して偽名を使用してたのに、アップウッド大佐は本名&素性を明かして詐欺行為ww肝が据わっているというか、タダのバカというか…。
●トムスンシリーズのお約束、公表しなかった理由。今回はワトスン側の事情。普段余り自分の活躍を公表して欲しくないホームズは今回何故かノリノリでタイトルまで考えているし(しかしタイトルセンスは微妙w)。
●というか、ホームズはガンツの反省している様子と、劇場での仕事を考慮して、公にしなかったのでは?事件簿として雑誌に載せちゃったら、台無しじゃね?たまたま発表しないことになったからよかったものの…。
●恩人の凋落は発表したくないと書くワトスンですが、バスカヴィル家の犬本編の15章「回想」には「アップウッド大佐の残虐な行い(atrocious conduct of Colonel Upwood)」ってしっかり書いちゃってるしww
●しかも「回想」の記述によると「ノンパレルクラブの有名なトランプ詐欺事件(the famous card scandal of the Nonpareil Club)って…。ワトスンの意向に関わらず有名な事件なら、発表しなかった意味ないんじゃあ…!?というか、ガンツの運命はいかに!?!?

~総括~
今回初めて翻訳作業をやってみたわけですが、案外出来るものなんだなーというのが感想です。
もちろん分からない文章もあるけれど、別に英語のテストじゃないんだから、そこは一旦とばして、後から推測するのもアリ。とにかく先に進めることが一番大事だと実感しました。

次の話はアルミニウムの松葉杖で、これも翻訳終わっているのですが、その次の翻訳にもかかりたいので、次のレビューはまたそのうちということで…。
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