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これまで読んだ本、新しく読んだ本の感想を適当に書いていきます。 ※あくまで個人の感想です!
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化学探偵Mr.キュリー
仮想儀礼
かばん屋の相続
機長、事件です!
Q&A
救命センター当直日誌
金融探偵

コモリと子守り
櫻子さんの足下には死体が埋まっている
さまよう刃
事故―別冊黒い画集Ⅰ
死体置き場で夕食を
十角館の殺人
しまのないトラ
Sherlock: A Study in Pink
シャーロック・ホームズシリーズ
シャーロック・ホームズ秘宝の研究
小公子セディ
小公女
真珠夫人
新世界より
ずっとあなたが好きでした
ストロボ
世界の終わり、あるいは始まり
ダウントン・アビーに於ける職業指南書
武田信玄(あかね文庫版)
地球進化 46億年の物語
冷たい川が呼ぶ
天璋院篤姫
トッカン 特別国税徴収官
トッカン The 3rd おばけなんてないさ
トッカン vs勤労商工会
猫のなるほど不思議学
パーカー・パインの事件簿
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福家警部補の挨拶
ブードゥー・チャイルド
ホームズの伝記比較
ホームズ・パロディ(J・トムスン)
星新一のショートショート
「本が売れない」というけれど
ぼんくら
マスカレード・ホテル
マンガ版シャーロック・ホームズ
万能鑑定士Qの事件簿のシリーズ
「見たいテレビ」が今日もない
ミッキーマウスの憂鬱
密室殺人ゲーム王手飛車取り
密室の鍵貸します
みんないってしまう
モンスター
夜行観覧車
ラプラスの魔女
霊柩車No.4
ワイルド・スワン
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シャーロック・ホームズ秘宝の研究



数年前にシャーロックというBBCのドラマにはまって以降、シャーロック関連のみならず、元ネタのホームズ関連の書籍や雑誌等を購入したり図書館で借りたりしてましたが、それらの本を読むといい確率で登場する名前が北原尚彦さんという名前。

雑誌なら監修に名前があったり、中のエッセイを担当してたり、気が付いたら翻訳にも名前があったりして、この人一体誰なのさ!?と調べたところ、有名なシャーロッキアンだったことが判明。
で、ちょうどその頃、図書館の返却棚に北原さんのホームズパスティーシュシャーロック・ホームズの蒐集を見つけて、「へぇぇ、こういうオリジナル小説っぽいのも書くんだ~」とその後ホームズ連盟の事件簿ホームズ連盟の冒険と、次々に読破(全部図書館ですw)。

本を読み終わった後にやりがちなのが、アマゾンで他の人のレビューを読むこと。
「この人はこう思ったのか~」とか「私だったらこの話が好みだったな」などなど…感想を共有するというのは、現代ならではの楽しみ方ですよね。

そしてアマゾンのお約束「この商品を買った人はこんな商品も買っています」にてあがってきたのが、こちらの秘宝の研究
確か発売直後くらいの話で、もちろん図書館にはナシ。
タイトルから勝手にパスティーシュだと思い込み、たまには買ってみるかと何も考えずに購入ボタンを押したわけですが…。

到着した本をパラパラ見てびっくり!
パスティーシュではなく、北原さん所有のホームズ関連グッズ紹介本でした。

ええー、小説じゃないのかよー。
…と一瞬がっかりしました。
図書館から借りた本だったら、読まずに返却した可能性大ですが、今回は購入。
買ったからには読まないともったいないと読み始めたところ…これが予想外に面白かったです。

そもそも人の持ってるグッズ紹介なんぞ面白いものかねーとつい思ってしまうわけですが、北原さんの購入した経緯、グッズにまつわるエピソードなどが、どれもこれも面白すぎ~。
しかもシャーロック関連なら、自分もそこそこ読んだり買ったりしてるから、知ってるものが出てくるとニヤリとしたり…。

しかしホームズ関連ってどこにでもあるものですねぇ。
腰痛の本にまで登場するんだから、びっくりです。
それから英語の原文をそのまま機械翻訳した意味不明本「の猟犬バスカヴィル家」(←原文)!あれを日本語版で購入した人って北原さんくらいではないだろうか!!
アマゾンの本は、(本によりますが)発売してしばらく経つと「なか見!検索」という、最初の数ページを試し読み出来るシステムが存在しますが、この本にそれがついてたら、まず誰も買わないでしょうね~。
ただし北原さんだけは、なか見!検索を見ても購入しそうな気がしますw

とまあ、この本で北原さんのグッズ紹介本の面白さに目覚めてしまった私、その後同じ系統のシャーロック・ホームズ万華鏡を読み、SF関連の古本紹介本のSF奇書天外SF奇書コレクション、珍しい児童書ばっかり集めた発見!こどもの古本など、最近は忙しくご無沙汰気味だった図書館に足しげく通い、次から次へと借りまくり~。

が、どの本もほとんど数年前の発売で、最近借りたキテレツ古本漂流記に至っては20年前。当然図書館の書架には置いてなくて、スタッフに依頼して書庫から取り寄せてもらうことに。
最近貸し出しや返却は、自動で出来るようになり、カウンターの利用はほぼ皆無ですが、書庫からの取り寄せだけはカウンターからお願いするしかなく、しかも郊外の図書館故、カウンターにいるのは大体同じようなスタッフさんたち。同じ著者の本を1~2冊ずつ、数日おきに頼んでいる私は、そろそろスタッフさんに顔を覚えられそうです…。
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ダウントン・アビーに於ける職業指南書



ドラマ「ダウントン・アビー」を見ていると、20世紀初頭のイギリスのお屋敷の内情がものすごくよく分かりますね。
上流階級(階上)と労働者階級(階下)の人々について、それぞれのやるべきこと、人生の目標などなど、与えられた環境の中でいかに上手に世の中を渡っていくか…がドラマで詳細に表現されています。

この本は、ドラマの主要人物である執事のカーソンが執筆したという設定で書かれた、使用人の為のマニュアルのような本です。
※英語タイトル「The The Downton Abbey Rules for Household Staff」
なので、ドラマを見てなくても内容は分からなくはないけれど、ストーリーに沿った話が出てくるので、見てないと多少は分かり難いかも?
それにドラマの舞台ハイクレア城やドラマの光景を思い浮かべながらじゃないと、雰囲気伝わらないし。
どちらかというと、ドラマのサブテキストといった感じですね。

しかも全文英語!例のホームズの秘密ノートでちょっとは翻訳に慣れたとことはいえ(英語は上達してないけどw)、衝動的についつい購入しちゃいました。
で、同じくドラマを見ていた友達もこの本に興味を持っているので、ホームズとは比較にならないくらい丁寧に(爆)、一冊分を翻訳し終わりました。
考えてみたら、本一冊を丸々翻訳したのは初めてかもしれません。それも抄訳ではなく翻訳!

数ヶ月かけて一冊読み終わったこの本、せっかくなので、ここでレビューを乗せることにしました。

まず最初にカーソンさんの序文があって、ここではドラマで語られてないカーソンさんの修行時代の話が出てきます。
ドラマではかなり厳格で生真面目で仕事熱心で、執事の…というか使用人自体の鑑となるような人物ですが、そんなカーソンさんにも若かりし頃は存在したんですよね。
あのカーソンさんが最も厳しかったと語る、ビート氏とはどんな人物なのか気になりますw

次にこの本についての紹介があって、その次はすべての使用人に対する一般的な注意事項。
個人的には噂話についての忠告がグサッときました。

噂を広める人というものは、人から聞いたことよりも多くの事柄を話しがち
~中略~
巻き込まれない最もよい方法は、自分の仕事のみに集中し、他に気をとられないことです

うう、ごめんなさい。でも時には仕事の愚痴を仲間とこぼしたいんですぅ~。
分かってるけど、そんな聖人みたいにはふるまえないのが悲しいですね。
その他ここは様々な名言があります。
全部実行出来たら、ものすごく立派な人物になれそうです。多分。

次の章から執事、家政婦長、従者、侍女、料理長、料理長の助手、下僕、メイド…と、それぞれの仕事についての細かいレクチャーが続きます。
しかし執事はともかく、その他の職種、特に女性の職業に関しては、わざわざヒューズさんとかパットモアさんに聞いたのでしょうか?
あのパットモアさんに邪険にされながら細かいことを聞きだそうとしてるシーンを思い浮かべると、笑っちゃいそうなんですがww

それからそれぞれの仕事の細かさにびっくり。
現代のように便利な洗剤、洗濯機や掃除機などの家電に頼れない時代は、こうやって生活を成り立たせていたのですね。
そしてドラマに出てくる使用人の仕事は、ほんの一部。
映らない場面で使用人たちは、本当に汗水たらして働いていたのでしょう。
この本を読んでからドラマを見直すと、そういう舞台裏がうっすら想像出来るようになりました。


ダウントン・アビーを見た人は副読本として絶対オススメです(全部英語ですがw)。
というか、普通に日本語版も出せばいいのにー。

「見たいテレビ」が今日もない



最近いろいろ忙しくて、濃い小説をゆっくり読む時間がなかなか取れないので、ひまつぶしになりそうな軽~い本をKindleでぽちっと購入しちゃいました。
まー、199円だったしね。たまにはこういうのもいいかなって…。

で、購入してから知ったんですが、著者は元フジテレビのアナウンサー
そういえば数年前に横領?疑惑をかけられてフリーになって、それが捏造だの何だのと話題になってたのを覚えてますよ。

著者がフジのアナウンサーということで、ネタになっているのは大抵フジテレビ
内幕というか、番組の裏話も出てくるけど、やはり裏を知ってるのは古巣のフジなんでしょうね~。
なのでフジテレビの番組を全然知らないと何のこっちゃ?になるかも。
たまたま我が家は、有名処をそこそこ見てるので、一応話にはついてこれますが。

というか、この本の一番の問題はタイトルでしょう~。
ネットが登場して以来、テレビはもはや娯楽の王様ではなくなってしまった。
それは何故なのか?番組が面白くないから?それともネットの方が面白いから?
…ということについて、テレビの裏側に関わる立場から、細かい考察をするかと思いきや、内容はほとんど既存のテレビ番組に対する批評やグチオンリー。
「見たいテレビ」が今日もないのは何故なのか?ということについては結局ほとんど触れられてません。
そういう意味では期待してた内容とは違ってたかも。
少なくとも、テレビをほとんど見ない人が見ても、面白くも何ともないです。


そういえば、著者が述べられてた、「ほこ×たて」に関する打ち切り問題。
詳細は書きませんが、私は打ち切りで正しかったと思いますよ。
あのラジコン対決はやらせではなく、演出であると言い張ればよかった…というようなことを著者は言ってますが、ガチンコ対決が番組の目玉だったのにそれがやらせだったとバレたら、視聴者は冷めまくりです。
製作者にテレビにガチンコなんてあり得ない!なんて開き直られたら、この先どんなすごい対決があったとしても、この結果もやらせなんじゃあ…という目で見てしまい、全く楽しめません。

ディズニーを例に出してますが、ディズニーはキャラクターの存在が実在するという演出するために、ものすごい工夫をしてます。
同じ時間に複数のミッキーが現れないようにしたり、着ぐるみの中の人の情報は絶対出さないようにしたり。
(そりゃあこの時代だから絶対はないけど、この時代にしてはかなり情報が押さえられているのでは?)

だからこそみんな、中に人が入ってることを知りながら、ディズニーの演出を楽しむために多額のお金を払っているのだと思います。


ま、199円だからさらっと読めてよかったですよ。
918円で書籍を購入してたら、かなりガッカリだったかもしれませんが…。

Sherlock: A Study in Pink



BBCのドラマ「SHARLOCK」関連の商品をアマゾンでチェックしてたら、関連商品にあがってきたのがこちら。
早い話がシーズン1の第1話目「ピンク色の研究(A Study in Pink)」を小説にした本らしいです。
アマゾンのレビューを読むと、本にする際、若干の言い回し等に変更はあるが、おおむね筋書き通り…とのこと。

ドラマの方は(英語版、日本版共に)飽きるくらい繰り返し見ているので、これなら私の英語力でも楽に読めるんじゃないかと思って衝動的にぽちっとしちゃったわけですが…。

まあ、さすがに会話部分は読めますね。
筋書き通りなんだからそりゃあそうだろうという感じですが、案外難しかったのは、セリフ以外の小説部分。
分からない単語もちょいちょい出てくるし、文章は長くて複雑だし。
SHARLOCKじゃなかったら途中で挫折してたかも…。

で、購入するまで知らなかったのですが、この本、Scholastic Readersという、英語学習者向けの本だったんですね(出版社は海外)。
ネイティブの人にとっては、児童書のような存在で、海外のサイトを見ると、年齢別に本が探せるようになってます。
日本だと「青い鳥文庫」のような位置づけなのかも?

ちなみに、この本のレベル設定は4。Upper-intermediate(上の中程度)。読者は小学校高学年~中学生かな。
日本のサイトを調べてみたら、レベル3だとTOEIC550位が目安らしいので、4だと600~700!?
そりゃあ難しいはずですよ。というか、読めたことがほとんど奇跡。
この本以外のレベル4は無理でしょうね。最初から買わないけどw

とはいえ、せっかくがんばって読了したので(途中適当にすっとばしましたがw)、ドラマとの相違点などを述べておきます。


~大きな違い~

●モリーが出てこない!
ドイル原作には出てこない、SHARLOCKオリジナルキャラなのですが、最初はちょい役だったのに、製作者がモリーを気に入ってシーズン2や3ではかなり主要なキャラに成長するんですよねー。
同じくオリジナルキャラのアンダーソンやドノヴァンは出てくるのにー。
私も製作者と同じく、モリー気に入ってるんですよね。
シャーロックに惚れてるせいで、いつも彼にいいように使われちゃってるし、彼のせいでロクなことないけど、ある意味シャーロックにとって一番の理解者とも言える存在。
ほんと、何で省いたんだろう?

●モリアーティ(の名前)も出てこない
犯人のタクシー運ちゃんが死ぬ間際に叫ぶスポンサー(笑)、ここでは登場しないようです。
だから彼の殺人理由「殺人するとスポンサーから子供たちにお金が入る」という設定もなし。
というか、別れた妻と子供がいるという話もされなかったし。
殺人動機は単純に死を宣告されて自暴自棄になったというだけみたいです。
そういえば、銃に撃たれて死にかけた犯人に、シャーロックが「死ぬ間際に痛い思いをしたいか!スポンサーを教えろ!」とか言って銃創をぐりぐり足で踏みつけるシーンもなかったなw
あのシーン結構好きだったのに(爆)。


~その他気になった細かいこと~

●ジョンとシャーロックがバーツで初めて対面するシーン。
シャーロック「マイク、携帯貸して」
マイク「ごめん、コートの中だから」
ジョン「ぼくのをどうぞ」
…の後で、ドラマではマイクが「こちら旧友のジョン・ワトスン」とシャーロックに紹介するんですけど、このシーンが抜けてる。
その後も前も、ジョンを紹介するシーンがないのですが、シャーロックは一体いつジョンの名前を知ったのかしらねww
ここでマイクがジョンを紹介することによって、シャーロックはジョンの携帯の裏に刻んである名前(ハリー)を兄の名だと推測するはずなのに。
マイクの紹介シーンが抜けてると、裏の名前=持ち主(ジョン)だと誤解しそう。
これは結構重要なミステイクじゃないかと思ったりしますが…。

●221Bから事件現場のロリストン・ガーデンに向かうタクシー内にて、シャーロックが自己紹介&ジョンに関する推理の理由を説明するのですが、気になったのは自己紹介シーン。
ドラマでは職業を聞かれて「コンサルタント探偵(←吹替え)(原文:consulting detective)」と答えますが、ここが「different kind of detective(意訳:特別な探偵??)になってます。
ここはconsulting detectiveでよかったんじゃないかなぁ。何で変更しちゃったんだろう?原作にも登場する有名なセリフなのに。

●ノーザンバランド街の喫茶店でおびきよせた犯人を待つ間のジョンとシャーロックの会話。
ジョンがシャーロックに「彼女いるの?じゃあ彼氏は?」とか聞いた後「そっか、いないのか。ぼくもフリーなんだよ」とか意味深なこと言っちゃって、シャーロックにゲイと誤解されるシーンはカット。
ここ1話最大の笑い所なのにwwwそういえばジョンの姉がレズだって話もなかったな。

●レストレードがアンダーソンやドノヴァン連れて、221Bの家宅捜査をするシーン。
シャーロックが「人の家で勝手に何してるんだ」ってキレて、レストレードがそれに対し「麻薬捜査」と言うシーンはカット。普通に「見つけた情報を隠すからだ」とか言ってます。ちょっとつまらないw
あのデカいニコチンパッチも登場しなかったので、お互い見せ合うシーンもナシ。

※上の記述にあるように、このシリーズは元々青少年向けの教材なので、ゲイだの麻薬だの書くのは大人の都合でまずかったのかもwと一応推測しています。
でも日本の青い鳥文庫で出版されているホームズシリーズ(ドイル原作)にはホームズが麻薬やってるシーン(解説付き)があるんですけどねw別に推奨してるわけじゃないんだから普通に書けばいいのにとは思います。


●犯人が銃で撃たれて死に、犯人を撃った人物に関する推理をしながら、射手がジョンだと気づいたシャーロック。
レストレードの追求をふりきってジョンと二人で会話するシャーロックですが、「Good shotting.(訳:いい射撃だ)」という彼のセリフに、つい「窓越しだったから」とか何とか撃った本人しか知りえないことをペラペラしゃべっちゃうジョンw
その後のシャーロックのセリフ、ドラマでは「Well, you'd know.(意訳:当然知ってるはずだ)」だけでしたが、その後「you did it(意訳:君がやった)」が付け加えられてます。
ドラマではジョンとシャーロックの表情(&雰囲気)で暗に匂わせていますが、小説ではそうもいかないんでしょうね。
それよりも、シャーロックは大事な場面においては、必ず光を背にして相手の顔がよく見えるように(そして自分の表情は悟らせない)しますが、この場面でもライトを背にし、ジョンの表情だけがはっきり見えるように立ってます。そこはちゃんと小説で表現して欲しかったシーンかも。

●現場を後にするシャーロック&ジョン→マイクロフトと対面するシーン。
太った?とシャーロックが聞き、痩せてるとマイクロフトが返すシーンはカットw残念。
でももっと残念なのは、シャーロックが先に歩き出した後、ジョンがマイクロフトに「本当に弟を心配してたの?」と聞くシーン&マイクロフトが「弟は気難しいからクリスマスは大変なんだ」とぼやくシーンがなくて超残念。この辺の会話は省略しない方が面白かったと思う。


とまあ、あれこれ細かいことをつっこんでみましたが、買ってよかったと思ってます。
三人称で書かれているから、ドラマでは推測するしかなかったジョンやシャーロックの心理描写なんかも(多少)書いてあるし。
勉強だと思うと、読むのにも気合が必要ですが、これなら楽しみながら読めそうな気がします。
好きなシーンはドラマと同じく、何度も読んじゃいそう。

でも、とりあえずやることは、最初読んだ時すっとばした部分を、もうちょっとちゃんと翻訳する所からでしょうね。
特に冒頭、レストレードとドノヴァンが報道陣に会見開くシーンなんか、ほとんど読んでないし(超爆)。

救命センター当直日誌



昔本屋さんで発売直後だったこの本を、たまたま見かけて、衝動買いしてしまった本です。
著者は、都立墨東病院の救命救急センターの部長浜辺祐一先生
救命センターからの手紙という本が日本エッセイスト・クラブ賞を受賞したのをきっかけに、数冊救命センターで起きたあれこれを本にしていて、これもその一冊。
賞を受賞した「救命センターからの手紙」や、看護師さん向けの月刊誌に掲載されたエッセイをまとめた「こちら救命センター」は、超短編という感じで、一つ一つの話がものすごく短いのですが、この「救命センター当直日誌」は、それに比べるとちょっと長め。
エッセイというより、短編集のような感じになっています。

が、内容は短編とは思えないほど濃厚!
舞台が救命センターなのだから当たり前なのですが、一つ一つの話で人の生死にまつわるあれこれがものすごく濃い。
自分の人生の終わりは、正直こんな風に向かえたくない…と思う話も多いです。
(が、こればっかりは神様しか分かりませんけどねw)

いくつか話を抜粋しましょう。

まずは最初の話破裂
トップバッターからいきなりこれか…というくらい濃さ満点。
患者は50代男性で、吐血して救命センターへ。
調べていくと、末期の肝硬変であり、既に手遅れ。
奥さん曰く、お酒が好きな割には病院嫌いで、どうしようもなかった…が、これをきっかけに心を入れ替えてくれれば…なんて具合で、自分のダンナが死ぬかどうかなんて考えてないし。
そんな奥さんに対して、浜辺先生ははっきりと「もう土俵を割ってる」と告げます。
この話のポイントは、最初に医者同士の話で出た「患者のニーズにどこまで答えるべきなのか」という話題。
最後になって、この患者に対してニーズに答えるとはどういうことなのか?と再度話題になりますが、「そりゃあ輸血や治療でなるべく長く延命を図るべき」という若い医師に対して、浜辺先生が一言。

「何十人もの善意の人が献血してくれた血液製剤が、湯水のごとく使われるんだぞ、しかもまるでザルだ、そんなこと、医者として許せるもんか!」

はっきり「無駄」とか言っちゃってるよ…浜辺先生。
でもそれが本音なんだろうなー。


次はちょっと軽い話遮断
釣りが趣味のオッサン5~6人が、自分で釣ったフグを調理して食べたあげく、そのうち2人がフグ毒に中って、救命センターへ…。
幸い処置が早かったので、2人共間一髪で三途の川から呼び戻され後遺症もなく、その他のメンバーも症状は出てないようだし、よかったよかった…という話なのですが。
よくないのはオッサン連中。
警察まで登場してきて、大騒ぎになっているのに、全っ然反省してないしw
こんなバカ集団相手にする救命センターも大変やねww

救命センターはこんな常連客ばかりで、いちいち頭に血を上らせていたらやってられません…という感じの最後のコメントが何とも…。

しかしこの話のおかげでテトロドトキシンという毒物をしっかり覚えた私ですが、これぞ無駄知識w
それから医療ドラマでよく見かける人工呼吸器。あれを何日も付けるのって、相当な苦痛らしいですね。やったことないけど…というかなるべくやりたくないけどw
今回の二人も、あの苦痛を味わったんだから、もう二度とこんな思いは…と反省するかと思いきや、強力な鎮痛剤や鎮静剤のせいで、ほとんど意識はなかったとか。
もうこの次来たら、鎮痛剤ナシでやっちゃっていいんじゃね?と思ったのは私だけなのか!?


最後はちょっとイイ話系遷延(せんえん)
ある日脳内出血で救命に運ばれてきた40代男性。
脳幹からの出血ということで、手術は不可能。命は取り留めたものの、意識は戻らず、いわゆる植物状態に。
※タイトルの遷延は、植物状態の正式名称遷延性意識障害から。

子供はなく、家族は奥さんのみ。
で、通常、回復の見込みがない植物状態だと、救命センターではなく、他の専門医院等に転院をしなければ、救命のベッドは空かない。
この患者も、普通通りにどこかに転院するかと思いきや、奥さんの出した答えは「自宅で面倒を見る」というもの。
もちろんそれは生半可なことではありません。
食事の世話、失禁状態のシモの世話、床ずれを防ぐ為に行う数時間置きの体位変換、意識があれば普通にやっているはずの痰の吸引…etc
専門の看護師でさえ、苦労するようなことを、素人の女性になんか出来るわけがない。
当初、浜辺先生を始め、皆どうせすぐ音を上げると高をくくっていたはずなのに、この奥さんはあれから10年も面倒を見続けていたというのです。

さら~っと文章で書きましたが、それって相当すごいことですよね。
自分だったら同じことが出来るかどうか、ちょっと自信ないですw

話の最後、その奥さんが浜辺先生にこう伝えます。

「やっぱり、うちの人に、もう少し生きてて欲しいんです」

10年経っても、なおそう思い続けるって、すごいとか、もうそういう言葉では表現出来ない気がします。


と、こんな感じで紹介しましたが、他にも中学生の暴走バイク野郎の話とか、濃厚な話が盛り沢山。
ドラマでは描かれない本物の医療の現実がよく分かる一冊だと思います。


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