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これまで読んだ本、新しく読んだ本の感想を適当に書いていきます。 ※あくまで個人の感想です!
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目次
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化学探偵Mr.キュリー
仮想儀礼
かばん屋の相続
機長、事件です!
Q&A
救命センター当直日誌
金融探偵

コモリと子守り
櫻子さんの足下には死体が埋まっている
さまよう刃
事故―別冊黒い画集Ⅰ
死体置き場で夕食を
十角館の殺人
しまのないトラ
Sherlock: A Study in Pink
シャーロック・ホームズシリーズ
シャーロック・ホームズ秘宝の研究
小公子セディ
小公女
真珠夫人
新世界より
ずっとあなたが好きでした
ストロボ
世界の終わり、あるいは始まり
ダウントン・アビーに於ける職業指南書
武田信玄(あかね文庫版)
地球進化 46億年の物語
冷たい川が呼ぶ
天璋院篤姫
トッカン 特別国税徴収官
トッカン The 3rd おばけなんてないさ
トッカン vs勤労商工会
猫のなるほど不思議学
パーカー・パインの事件簿
初ものがたり
福家警部補の挨拶
ブードゥー・チャイルド
ホームズの伝記比較
ホームズ・パロディ(J・トムスン)
星新一のショートショート
「本が売れない」というけれど
ぼんくら
マスカレード・ホテル
マンガ版シャーロック・ホームズ
万能鑑定士Qの事件簿のシリーズ
「見たいテレビ」が今日もない
ミッキーマウスの憂鬱
密室殺人ゲーム王手飛車取り
密室の鍵貸します
みんないってしまう
モンスター
夜行観覧車
ラプラスの魔女
霊柩車No.4
ワイルド・スワン

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櫻子さんの足下には死体が埋まっている



2015年冬のアニメで放送してた「櫻子さん~」。
原作があることは知ってましたが、あえて買うほどかどうか微妙だったので、図書館を探してみたら、偶然返却棚で発見したので、速攻貸し出しコーナーへ。

まあアニメでも見てたので、読み易いことは読み易いですね。この本自体ラノベ、いわゆるライトノベルの類だし。
設定としては、とにかく骨と死体が大好きな標本士、九条櫻子さんと、その友人(??)の高校生、館脇正太郎の二人が、ひたすら骨がらみ死体がらみの事件に巻き込まれるというシリーズです。
基本一話完結ものなので、数冊出てますが、どこから読んでもそんなに困ることはありません。

さて、面白いのは標本士櫻子さんのキャラクターでしょうか。
見た目超お嬢様で、実際もお嬢様、なのに、骨や死体が大好きで、無残な動物の死体も彼女の手にかかれば博物館でよく見る骨格標本に早代わり。
また、叔父が大学の法医学教室にいた時にいろいろ教わっていたようで、人間の死体に関しても鑑識か検視官並の知識を持っている。ここら辺は「臨場」の倉石さんみたいですね。
それに死体じゃなくても状況や人をよく観察していて、しぐさから人となりを推測するのも得意。
ここら辺はシャーロック・ホームズっぽいなぁ~と思ってたら、作者のwikiに「子供の頃の愛読書はコナンドイルやアガサクリスティ」と書いてありましたw
というか、櫻子さんのキャラ、どう見てもホームズなのでは!?
※ちなみにアニメでの決め台詞さあ謎を解こうじゃないか!はアニメオリジナルのようですね。

一方の正太郎は普通の高校生。子供の頃に父親を亡くしているけれど、母親はアパート経営でそこそこ成功し、経済的には特に不自由もせず。
いつも櫻子さんと一緒に事件に巻き込まれては、気難しい櫻子さんと他の人の調停役なんかを務めたりして。
何というか、過不足ない普通っぽいキャラは、ワトソン役としては適任ですなw


さて、肝心のストーリーの方ですが、どの話も明るく始まる割には、佳境に入るとドロドロと濃くなり、後味はよかったり悪かったり…いやむしろ悪い方が多いような。
それにアニメでは青少年向けの話しかやってなかったのですが、原作はかなり大人向けというか、シビアな話が多くてびっくりです。

一番最初に刊行されたこの本でも、例えば第3話(第参骨)の薔薇の木の下もその一つで、アニメでは未放送(←永遠にアニメ化されないでしょうねw)。
櫻子さんと正太郎は、ひょんなことから櫻子さんの知人千代田薔子(しょうこ)の自宅に行くことに。薔子は40代半ばですが、最近夫を不慮の事故で亡くしてて今は一人とのこと。
ところが、二人が訪問した夜は、地元の名士が集まって降霊会とやらをやることになってて、何故か二人も参加させられることに。
そしてこの降霊会をきっかけに、薔子の夫のとんでもない秘密が明らかになるのですが…。

このとんでもない秘密は、集まった名士にも関わりのある、本当にとんでもない秘密で、うん、これはアニメでは絶対放送されないだろうと納得。
正直アニメ版の補完程度の意識で読み始めましたが、実のところ、アニメ以上の魅力があって、これはこれでいいかもと思ってます。


そういえば昨今(特にライトノベルに於いては)やたらと「人が死なないミステリ」などという、ゆる~いミステリが流行りがちですが、このシリーズはタイトルに死体がついているだけあって、大抵の話は殺人事件だったり、自殺だったりと、とかく死がつきものです。
ゆるいミステリも嫌いじゃないですが、ブラックコーヒーのようにほんの少し大人の苦味を感じるのがこのシリーズの特徴かもしれません。
一話辺りそんなに長くないし、一冊単位で考えても二時間程度で読み終わりそうな感じなので、大長編を読むほどの気分ではない、休日のぽっかり空いた時間には、いい頭の刺激になりそうです。
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マンガ版シャーロック・ホームズ



私がよく通う職場近くの図書館には、コミックもちらほら置いてあります。
軽く暇つぶししたい時は、ヒカルの碁とかパラパラ読むわけですが、ふと棚を見るとマンガ版シャーロック・ホームズというものが…。

最近やたらホームズに縁があるとはいえ、マンガ版。しかも絵が古っ!
どう見ても昭和のマンガだろこれ(*≧∀≦)
※発売年は1996年なので実は平成でしたw

まー、子供が最初に読むならこういうのもいいんじゃね?と余り考えずにページをめくってみたら、これがただのコミカライズでなくてびっくり!
本の最初と最後の解説も子供向けとは思えないくらいしっかりしてるし、何より、ちょいちょい挿入されているオリジナルエピソードがとてもいい感じ♪
さすが石ノ森章太郎監修!

例えば青いガーネット
原作では、ホームズが真犯人を温情で見逃してやるだけでしたが、このマンガでは、その後、警察から証拠不十分で釈放された配管工のホーナーを、「部屋の配管がおかしい」とホームズが221Bに呼んで修理を依頼するシーンが…!?
もちろん配管がおかしいというのはホームズのウソ。
ホーナーは一通り配管を点検して、「どこも悪くないですよ」と帰ろうとするのですが、そこでホームズが(結構いい金額の)お金を、代金としてホーナーに渡します。
「見ただけなのに、これでは多すぎです」と辞退するホーナーに対して「そのお金でクリスマスをやり直してくれ」と告げるホームズ…。
あれ?青いガーネットってそんなイイ話だったっけ!?・゚・(つД`)・゚・
何というほほえましいエピソード!!
配管工ホーナーは、原作では名前しか登場しなくて、そういえば配管工って職業だったよね…というくらいの印象しかなかったのですが、その設定をこんな風にアレンジしたなんて素晴らしい!

それから唇のねじれた男では、謎の浮浪者ヒュー・ブーンという男が出てくるのですが、彼は浮浪者とは思えないくらいの切れ者。
原作ではホームズが「何度か彼には注目したことがある」と語るだけだったのですが、マンガでは、ヒュー・ブーンとホームズのやり取りをしっかりと再現。
いきなりブーンの元を訪れ「ぼくの仕事を当ててみろ」と言うホームズに対して、「それはあんたの仕事だろ、ホームズさん」なんて返すブーン。
しかも「なぜぼくがホームズだと分かった?」という問いに、「イギリスの紳士は普通紅茶をたしなむが、あんたからは微かにコーヒーの香りが…」などと、ホームズを目の前に、本人顔負けの推理を披露!これは原作にあっても違和感のないエピソードだと思いますよ。

というか、このエピソードを原作で読んでみたいと思ったら、原作には入ってなくて、がっかりされる可能性もあったりしてww


そうそう、それから作品の解説もなかなか秀逸。
赤髪連合にて、犯人たちがわずかな出費を惜しんで、赤髪連合を解散させなかったら、ウィルソン氏はホームズに相談にも行かず、犯行は成功していたかもしれない…なんて意見は、まったくもってその通りすぎて爆笑www


とにかくこのシリーズ、子供向けと侮らずに読んでみることをオススメします。
原作を熟知している人も、読むと新たなエピソードにニヤリとなります。

そんな私は、このシリーズちょっと欲しい…とか思ったけど、さすがにハードカバー10冊はなぁ…置き場所もないし。

万能鑑定士Qの事件簿のシリーズ



前に紹介した「霊柩車No.4」の著者の作品です。
松岡さんだと、「千里眼」のシリーズの方が有名みたいなので、このシリーズを読んだ後にそっちも読んだのですが、個人的にはQのシリーズの方が好きかなぁ。

さて、この万能鑑定士Qのシリーズの最大の特徴は「人が死なないミステリ」です。殺人どころか事故死も自然死も、全編通して一切描写がないです。
それに基本ハッピーエンド。極悪人も登場せず、そういう意味では安心して読める本です。

内容はというと、都内あちこちのガードレール一面に奇妙な力士シールが貼られている理由を調査することになった、角川の週間編集者小笠原悠斗は、万能鑑定士Qという奇妙なお店を経営する凜田莉子と出会います。彼女は彼に出会った瞬間、持ち物から彼が角川の編集者だと見抜くほどの鑑定眼の持ち主。
小笠原は、彼女なら力士シールの謎を解ける!と確信し、一緒に調査をすることになったのですが…(by1巻&2巻)

このシリーズ、各巻ごとに独立した話ですが、力士シールの話だけ1巻と2巻で前後編みたいな感じになってます。
ただし、この1巻と2巻、話が現在と過去を行き来する割には、登場人物にもまだそれほど肩入れ出来ないし、中盤を過ぎるまではちょっと読みにくいというか何というか…。
個人的には3巻を先に読んで、登場人物に馴染みが出来てから1巻&2巻を読むほうが読み易いかも?

3巻では、落ちぶれた某音楽プロデューサーが、ある野望を企てる話ですが、莉子の能力が最初から最後まで如何なく発揮されて、面白いです。
※というか、この音楽プロデューサーが誰をモデルにしてるのか、読むと一目瞭然ww


で、面白いのが、万能鑑定士、凜田莉子のキャラ。
何でもかんでも物の真贋を一瞬で見分ける能力の持ち主で、きっと子供の頃から聡明で、学業優秀だったのだろう…と出会った小笠原も考えるのですが、これが大きな間違い。
彼女は沖縄の波照間島出身ですが、高校までは救いようがないくらいの劣等性。
それが東京に出てきて、ある人物と出会い、自分の「能力」の使い方を勉強していくのです。
1巻と2巻、それから10巻で、その様子が細かく描かれていて、かなり興味深い。

考えてみたら、ものすごい能力のある探偵って、よく出てくるけれど(というか探偵役は大抵そう)、彼ら彼女らの能力がいつからあるのか、どうやって開花したのかを描いている小説ってあまりないような気がする…。

しかも莉子の能力は、まだ発展途中。
若い故に未熟な一面もあり、ちょっとした心の動揺で正しい鑑定が出来なくなる時もあります。
そして9巻では能力の使い方を間違えて、あやうく自身の鑑定眼を失う危機が…!?
もちろんそういう時に助けてくれるのは、相棒の小笠原。
※注:恋人ではないwよくある友達以上恋人未満ww
彼は莉子のような鑑定眼はないけれど、彼自身が今まで得てきた職業上の知識や経験、度胸、勇気、そして莉子の為に何かしてあげたいという純粋な気持ちが、莉子の支えになり、莉子の能力を救うときもあるのです。


とにかく1冊1冊がそれほど長くなく、さら~っと読めるので、2時間くらい気軽に読書したいときにちょうどいいです。
読み始めると、12冊あっという間に読めちゃいます♪

ちなみにこのシリーズ、短編集が2冊と、新たにスタートした「万能鑑定士Qの推理劇」が3巻まで出ているので、そちらもどうぞ~。


そうそう、私がこのシリーズを購入しないのは、量が多いので本棚がすぐ一杯になりそうという理由からですw


それから最後に蛇足…。

まあ所詮小説なんで、こういうのは雰囲気ぶち壊しなのは分かっていますが…。
莉子はあらゆるものを鑑定し、その後鑑定の根拠を述べるのですが、たまーに自分の知ってるジャンルが出てくると「そうだっけ?」「そんな単純じゃないような…」とか、根拠の内容に若干疑問符がつくときがあります。
ということは、他のジャンルについても、きっとあまり鵜呑みにはしないほうがいいのかも…。
莉子があまりにきっぱりと断言するので、つい本気にしちゃいそうなんですけどねw

ブードゥー・チャイルド



中学生の主人公、日下部晃士は前世についての記憶を持っています。
前世の自分の名前はチャーリーで黒人、ある雨の夜バロン・サムディという悪魔がやってきてお腹をえぐられました。そして悪魔が書き残した謎の紋章

晃士は前世の自分が何者だったのかを知りたくて、ホームページで情報を集めます。

ところが、堀井キンという変な女から電話を受けた直後、継母(※晃士の父は晃士が小さい時妻を亡くし、その後再婚してます)が何者かに殺され、側にはあの謎の紋章Charlie(チャーリー)と書いてある紙が!!

え?この殺人は自分の前世と関係が…!?

…話は勢いがあり、非常に興味深く、飽きずに読み終わりました。
ちゃんと複線が全部回収されているとこが素晴らしい。

が、謎そのものは、そんなに難しくはなく、途中で何となく真相が分かります。
(それは私が2012年に読んだからかもしれないですが…)
というか、主人公晃士に対して「なぜそこまで分かってて、真相が分からないんだ~!」ってちょっとイライラしたりしてw
一番謎なのは、途中から出てくる探偵役の少年かも。彼の正体が一番不可解です┐(´ー`)┌

単行本が書かれたのは1998年。
インターネットや検索の話がやけに丁寧~にされているとこは時代を感じますね。
話の元ネタも、この頃話題になった(と思う)アレ。
そういえばニュースで見たような気がします。作者もニュースを見てプロットを思いついたに違いないww
前世とか悪魔とか紋章とか、やけに古びたものが登場しますが、真実が分かってしまえば、その正体はものすごい科学的で現実的…その対比が何とも皮肉。
結局悪魔は、人間の欲求や見栄や世間体が作り出したのだ…と最後に判明します。


話の中で気になった点が二つ…。

来日直後のラリーが英語の出来る日本人をつかまえて電話させた…って書いてあるけれど、あの電話応対を見る限り、とても日本人が電話しているようには見えない。
むしろ外国人(欧米人)に片っ端から声をかけて、日本語が出来そうな人に電話させたのではないだろうか?

例えば私がニューヨークで、名前しか知らない現地の人に電話しなければいけなかったとしたら、日本人っぽい人に声をかけまくって、英語で電話出来る人を探すと思う。


そしてアマゾンのレビューにて「例の悪魔の紋章(本文が始まる前に登場する)をじっと見てたら、読む前からそれが何を意味するか分かってしまった」という感想が!!
た…確かに…じっと見たら分かってしまう可能性大!ww
私の場合は、たまたまそんなにじーっとは見てなくて、さらっと見て本文を読み始めたから、それはなくてよかったw

あの紋章は、途中挿絵としてちらっと登場させるくらいの方がよかったんじゃないかなぁ~。


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