大昔、本屋さんをぶらぶらしてて、何となく暇つぶしに手に取った児童書です。
※その時既にいい大人だったのに、何故児童書なんか手に取ってしまったのか未だに不明wこの本は、
みんなとちょっと違っているけれど、各自のやり方で自分の居場所を見つける…というテーマに沿って、5つのお話が収録されています。
最初の話は
つのがないバイソン。で、次は
しっぽのみじかいマングース。次は
足のあるヘビ。次は
八本足のイカと十本足のタコ。最後は表題作
しまのないトラ。
どれもみにくいアヒルの子を彷彿させるタイトルですが、あのアヒルの子はいじめられる自分の運命を受け入れ、ひたすら成長するのを待っていましたが、この本に出てくる動物(その他)は、ただ運命を受け入れるのではなく、どうにかして現状を打開するべく、奮闘するのです。
私が一番好きな話は、やはり表題作の
しまのないトラ。
※以下内容はうろ覚えです。トラは
黒い縦ジマを利用して茂みや林に隠れて獲物を捕りますが、このトラにはその
シマがありませんでした。
そのせいで、上手く隠れられず、狩りは失敗だらけ。
仕舞いにはお腹を膨らます為に、バナナを食べる始末。
仲間のトラにもバカにされ、誰も相手にしてくれません。
ある日いつものようにバカにされていると、頭上からワシの声がしました。
「お前は情けないヤツだなー」
「いいか、お前が獲物を捕れないのは、シマがないからじゃない」そしてワシは、空を飛び、同じく空を飛んでいた小鳥を捕獲し、トラの前に落とします。
「これはお前にやる。これを食べながら、自分の身の振り方をよく考えろ」トラは食べ物を恵んでもらったのが、悔しくてなりませんでした。
しかしお腹が空いてたまらなかったので、その鳥を食べ、ワシに言われたことを考えました。
ワシは、隠れて獲物を捕ったわけではない。小鳥にもワシの姿は見えていた。
でも小鳥はワシのスピードに負けて、逃げられなかったのだ…。
その日からトラは、
走る練習をはじめました。
隠れられないなら、獲物より早く、獲物より長く走ればいい。
毎日毎日ひたすら走る練習をするトラを、周りの仲間はいつものようにバカにしますが、もうトラは気にしませんでした。
そして、練習の成果が実り、ついに
自分の力で獲物を捕れるようになったトラ。
その後、みんなの住んでいたジャングルに、異常気象が起こり、茂みや林が枯れてしまうという事態が発生しますが…。
出来ないことにこだわるのではなく、新たな方法で生き抜く重要さ。
ほんの少し、角度を変えてみることの重要さが、子供にも分かりやすく表現されています。
いや、子供だけでなく、大人だって人生に行き詰ったら、読んでみるといいかもしれませんね。
というか、シマのないトラは、小学校の教科書に入ってもいい話じゃないかな~と勝手に思ってますw
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