最近なかなか新規の作家さんの本を読むことがないのですが、図書館の返却棚で見つけて衝動的に借りてみました。
主人公は
間宮次郎。
ニッポン・エアラインで訓練を積んで、晴れて副操縦士の資格を得た新人パイロットですが、初めての国際線勤務にて、
氷室翼という美人で有能な機長と副機長の幸村操雄とフランスのシャルル・ド・ゴール空港の往復をすることに。
平穏に往復勤務が終わるかと思いきや、ミステリのお約束通り
いろいろな事件が起こるわけですが…。
まず一番興味深かったのは、
航空業務の細かいあれこれ。
そもそもパイロットになる過程はどんなの?とか、パイロットの定番持ち物って何?とか、飛行機に乗る前の打ち合わせの様子とか、コックピットの中でのやりとりとか、とにかくよく調べてあります。
作者のご両親とお姉さんがパイロットだそうで、そこは納得。
飛行機の業務の様子といえば、映画やドキュメンタリーでもたまに見かけますが、その場合ほとんどが事故やハイジャックの時。
そういう意味で考えると、
何も起こらない通常業務の様子は、ほぼ見ることもないので、面白く読み進めました。
ただ逆に言うと、面白かったのは
そこだけかな~。
登場人物の魅力とか、ストーリーの面白さ、ミステリの完成度などは、
非常にドンマイな気がします。
美人で有能だけど口が悪い氷室翼のキャラも、何だか
どこかで見たようなキャラだし…。
大体今どき
たわけなんて言うキャラ、アニメでもそうそう出てこないのでは!?
それに氷室さんと幸村さんの関係も何だかな~というか、
今さらそのオチ…という感じ。
せっかく面白い舞台を用意したのに、イマイチそれを生かしきれてない気がしました。
正直、図書館で借りたからいいようなものの、これを定価1500円で買う価値があるかどうかと聞かれたら、自分なら
買わないレベルでしょうね。
ブックオフで100円でもちょっと考えるかもしれない。
そもそも読み返す機会があるかどうか。
とはいえ、二時間くらいのちょうどいい暇つぶしにはなったし、今後飛行機に乗ることがあったら、
機長アナウンスや、離陸の時の飛行機の動き、着陸の様子などにも注目したいと思います。
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