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これまで読んだ本、新しく読んだ本の感想を適当に書いていきます。 ※あくまで個人の感想です!
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目次
50音順になってます

悪意
伊良部一郎シリーズ
噂の女
往復書簡
お江戸でござる
オリンピックの身代金
オレたちバブル入行組
折れた竜骨
顔 FACE
化学探偵Mr.キュリー
仮想儀礼
かばん屋の相続
機長、事件です!
Q&A
救命センター当直日誌
金融探偵

コモリと子守り
櫻子さんの足下には死体が埋まっている
さまよう刃
事故―別冊黒い画集Ⅰ
死体置き場で夕食を
十角館の殺人
しまのないトラ
Sherlock: A Study in Pink
シャーロック・ホームズシリーズ
小公子セディ
小公女
真珠夫人
新世界より
ずっとあなたが好きでした
ストロボ
世界の終わり、あるいは始まり
ダウントン・アビーに於ける職業指南書
地球進化 46億年の物語
冷たい川が呼ぶ
天璋院篤姫
トッカン 特別国税徴収官
トッカン The 3rd おばけなんてないさ
トッカン vs勤労商工会
猫のなるほど不思議学
パーカー・パインの事件簿
初ものがたり
福家警部補の挨拶
ブードゥー・チャイルド
ホームズの伝記比較
ホームズ・パロディ(J・トムスン)
星新一のショートショート
「本が売れない」というけれど
ぼんくら
マスカレード・ホテル
マンガ版シャーロック・ホームズ
万能鑑定士Qの事件簿のシリーズ
「見たいテレビ」が今日もない
ミッキーマウスの憂鬱
密室殺人ゲーム王手飛車取り
密室の鍵貸します
みんないってしまう
モンスター
夜行観覧車
霊柩車No.4
ワイルド・スワン
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消えた帆船3/4

さて、真実を日の下にさらして欲しいということでホームズの元を訪れたコルベット。
それに対するホームズの意見は…?




コルベットは話を全て終えてから、最後にこう付け加えた。
「ルーシー・ベル号は、明朝にはロンドン港を出発します。
出来たらそれまでに解決して欲しいのです」

ホームズは話を全て聞いた後、重い口調で説明を始めた。
状況は余りよくない。
この件が明るみになれば、詐欺を企てたマクニール兄弟や船長はもちろん、詐欺に加担した船員、そして暴行に加わった船員等多数が罪に問われる。
コルベットも例外ではなく、詐欺罪はもちろんのこと、ビリーが生きているのを知ってて海中に投げた殺人罪に問われかねない。
船長はビリーが生きてたのを知った上で、同じくそれに気づいたコルベットを身振りで脅し海中に投げさせたと言うが、その証拠はなく、船長がしらばっくれてしまえば、責任はコルベット一人負うことになるだろう。
せめてその光景…船長とコルベットの秘密のやり取りを見ていたものがいて、証言してくれたらまだ可能性はあるということだが…。

コルベットは、あの場で自分と船長のやり取りを見ていた人が一人だけいると言う。
コックのハリー・ディーキンだ。
彼はビリーへの暴行を止めようとしたが敵わず、ビリーを海中に埋葬する時はコルベットのすぐ側にいて、船長との一連のやり取りを見ていた。

ただしディーキンはどちらかというと事なかれ主義の男で、船長に不利なことを進んで証言することはしないだろう。
相当上手く話を持っていかなければ、証言させることは出来ない。

そこでホームズは一つアイデアを出した。
あの当時同じ船に乗っていて、その後事故で亡くなった船員トミー・ブルースターを利用するのだ。
作戦決行は本日夜。
コルベットのやることは、船内に一室、ホームズたちが使える部屋を用意しておくことと、ディーキンの居場所を把握しておくこと。
そして夜10時頃デッキで待機していて、ホームズたちが甲板に上がれるようにしておくことだ。
ワトスンはホームズに何をするつもりなのか聞いたが、彼はこう答えただけだった。

「今ここで言えることは、世界で最も古典的なトリック…ということだけかな」
そして念の為、ワトスンにピストルを持参するように伝えた。

さて、ディーキンを証言者に仕立てあげる為のホームズの作戦とは!?


●翌朝までに解決して欲しいって、何という無茶ぶり!!依頼人が部屋に来てから解決するまで13時間位って、ホームズ譚の中でも最速の部類ではないだろうか?(←ワトスンは朝の訪問診療を終えてからホームズのとこに立ち寄ってるから到着は多分10時頃で、依頼人が来たのもそれくらい。で、この話の最後にレストレード警部が登場するけれど彼を船に呼んだ時間が夜10時半。11時くらいには全面解決ということで計算すると約13時間)
●ホームズが在宅中で、しかも事件抱えてる時じゃなくてよかったねぇ。ホームズってば、事件の最中でも、依頼人が美人で品のある女性ならかろうじて引き受けてくれるけど(ひとりきりの自転車乗りの冒頭参照w)、コルベットの身なりじゃどう考えても対象外っぽいし(爆)。この年はいろんな事件があって忙しかったのに(1/4参照)、たまたまヒマだったなんて、コルベットは超ラッキーなのでは?
●それにしても…詐欺には関わったけど、暴行とは何の関係もない船員にとっては正直迷惑な話ですよね。どうせ保険金のほとんどはマクニール兄弟や船長の懐に入って、船員たちははした金しかもらえなかっただろうに…。天網恢恢疎にして漏らさずという言葉は確かにあるけれど、みんなビリーと同様に、深く考えずに参加した人がほとんどだと思うので、何だか気の毒だ…。
●そもそもこの詐欺に加わる必須条件は「家族がいないこと」で(コルベットが作中そう説明しています)、ビリーも当然その条件は満たしてたハズ。ということはビリーの死の真相が明らかになった所でそれを知る家族はいないわけで。身もフタもない言い方をするならば、この件で得をしたのは結局保険会社だけとか…。
●古典的なトリックと言われても、ワトスン同様全く思い浮かばない私。赤毛組合を初めて翻訳した人も、先の展開が読めなくてうずうずしたのではないだろうか?翻訳はじれったいけれど、こういうどきどきは翻訳でなければ味わえないかもなーと思いました。日本語で読んでたら数分後には真相が判明しているわけだし。
●生涯秘密を漏らさないことを、よく「秘密を墓まで持っていく」と表現するけれど、英語にも似たような表現があるんですねー。人間考えることは大体一緒なんですね。
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