百田尚樹さんの名前は、ここ最近本屋さんでよく見かけるようになって知りました。
「永遠の0」が映画化して、かなり有名になったようだし…。
これだけ有名なんだから、著作も面白いんだろう、一度読んでみたい~と思いつつ、読まずに衝動買いする勇気もなく、やっと図書館の返却棚に戻ったとこを見つけて、速攻借りました。
内容は、とてつもなく醜く生まれてしまった田淵和子が、初恋の人に対して起こしてしまった
ある事件をきっかけに街を追われ、東京で整形手術の結果、別人の名前と以前とは似ても似つかぬ、美しい容姿になって、地元の町に戻って、ある人との再会を待つ…という話です。
この話の面白い所は、整形手術に関して、
かなり詳しく記載されている所だと思います。
詳しく…というのは、どこをどんな風に直したらどんな風に変わる…ということだけではなく、
手術をするリスクについても含めて。
和子は、最初目を大きくする手術から始まって、最終的にはほぼ全部顔の造りを変えてしまうわけですが、顎の手術をしたことによって、ものを噛む力は弱くなり、ご飯一膳程度で、顎が疲れてしまう…という現実までしっかり描かれています。
この辺りが、他の単純な整形モノとは違うとこでしょうね~。
整形手術は、別人になれるけれど、それによって失うものもある。
和子も術前に説明を受け、そのリスクを承知したうえで、尚美しくなりたいという欲望によって、変身を遂げるのです。
それから、
美しい人と醜い人に対する周りの反応が何ともww
特に美しくなった未帆(元・和子)へのみんなの反応がすごすぎ~。
そこまで変わるかと思うくらい書かれていますが、考えてみたら、自分だって仲間由紀恵や松島奈々子みたいな人が目の前に現れたら、同じような反応をしそうな気がするので、人のこと言えませんね。
とはいえ、最後に分かる
初恋の人の本性は何とも皮肉。
というか、彼がそんな態度を取ったのは、和子が起こした
あの事件に起因するんじゃないだろうか?
だとすると、彼女は美しくなった自分で彼を手に入れる寸前、過去の自分の亡霊に殺されたとも言えるような?
個人的には
崎村が結構お気に入りかも。
彼は醜い彼女も、美しい彼女も、両方知ってて、彼女がこれまで何をしてたかも全て知った上でプロポーズします。
よく手軽に
人間見た目じゃなくて中身だなんていう人がいますが、作中このセリフを言う権利のある人は、彼だけなんでしょうね。
崎村みたいな人物がいることによって、本当の意味で中身しか見ない人も、世の中にはいる…ということを作者は描こうとしたのかも?
まあ、深く考えずに一気に読むのがいいと思いますよ。
ただし、もう一度読み返したいかと言われたら、それほどでもないかなとも思うわけですが…。
でも有名になった永遠の0とか、他の著作も、ちょっと読んでみたいと思ってます。
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