最近は興味ある本が少なく、読んでもまあまあかなーで終わることばかりだったのですが、図書館の返却棚でたまたま見つけた本がこれ。
上下巻かぁ…ちょっと面倒だなと思いつつ、裏表紙のあらすじ読んだら微妙に面白そうだったので、一気に借りて読み始めたのですが…。
予想以上に面白かったし、あっという間に読み終わりました。あらすじを簡単に言うとこんな感じ↓
エリック・ショーは、以前映画業界で、映像のスペシャリストとして働いていたが、ひょんなことから仕事を干され、現在は葬式で流す故人のエピソードをまとめたビデオ映像の編集などを細々とやっている日々。
ところがある時、葬式でエリックのビデオを見た故人の姉から、自分の義父の生涯をまとめたビデオ映像を作って欲しいという依頼を受けることに。
義父の名は
キャンベル・ブラッドフォード、93才。かつてインディアナ南部に住んでいたのだが、その後成功して大富豪に。現在は病院で寝たきりで、意識も朦朧として死期も近いとのこと。
ちなみに手がかりとして渡されたのは、義父が故郷から唯一持ってきたという、
プルート水という妙な水が入ってる瓶と、義父が意識不明になる前にエリックに向かってつぶやいた
あの川は本当に冷たかったという言葉のみ。
エリックはプルート水を持って、キャンベルの故郷インディアナに向かうですが、そこでキャンベルの
本当の姿と意外な真実を知ることに!
…やはりプルート水が重要なポイントになるようですね。
エリックは預かったプルート水を興味本位で飲んでしまいますが、それが一つのターニングポイントになって事件が進んでいきます。
(というか明らかに変な物質が含まれてそうな水、普通は飲まないだろうに…。ここら辺は重要なシーンなのに妙に不自然w)
そしてインディアナに付いてから、いろいろ調べた所、本当のキャンベルは23才年上のはずで、現在生きてたら116才だということが判明。
え?じゃあ
あの意識不明のキャンベルは誰?と、この辺りから話はどんどん佳境に入っていきます。
そしてキャンベルの実の子孫ジョサイア・ブラッドフォードにキャンベルの魂が乗り移ったり、エリックがプルート水によって過去の出来事を体験するようになったりと、話はちょっと
オカルトチックな方向に!?
過去と現在が入り混じり、それらのつじつまが合った時に、真実が明らかにされるのですが…。
まあミステリーというか、オカルトっぽい話なのは確かですね。
でもカタカナの登場人物が沢山出てくる割には、これ誰だっけ?という感じにはならないので、読み易いとは思います。
ところで最初に出てきた「あの川は本当に冷たかった」というあの川って結局どれを指しているのだろう?
ルーカスの叔父が密造酒を作るのに使用した水は湧き水だったし、本物のキャンベルが沈んだ場所は池(というか底なし沼?)って書いてあったし…。
タイトルになってるくらい重要なキーワードなのに、後半は全然出てこなくて、ちょっともやもやかも。
ちなみにこの作品、映画化が決まってるらしいですが、確かに映像化向きですねー。
エリックが幻を見るシーンは映像の方が分かり易そうだし、ラストの竜巻が町を襲うシーンも見ごたえありそう。
エリック役は、ゴーンガールでニック・ダンを演じてたあの人(名前忘れた)がいいなとか勝手に思ってます。
でも一番難しい役なのは、間違いなく
ジョサイア・ブラッドフォードでしょうね。
タダのDQN庭師から悪の総帥キャンベルへの変貌は、文章で読んでもなかなか圧巻でした。
人間が演じたらどんな風になるのかちょっと興味津々です。
映画がツタヤで借りられるようになったら、是非どんな感じか確認したいですねぇ。
そうそう、読み始めた時に気になったのは、エリックが作ってた
エンディングビデオ。
日本の葬式でそういうのを流すシーンは見たことないですが、アメリカでは普通なのでしょうか?
結婚式での成長を振り返るビデオなら、ありがちですが…。
でも故人の写真や映像を音楽と組み合わせて作るのって、演出としては悪くないかもと思いました。
が、日本でやったら、これを通夜で流すのか葬儀で流すのか?
通夜の方が知人友人が集まりがちだけど、葬儀の方が時間的にはゆとりがありそうだし…。
もっとも現在の日本の葬式は、大抵家族葬なので、出席者も家族か近親者のみ。
(昔は職場の人の家族のお通夜に行くこともありましたが、今はメールで「家族葬なので香典は辞退いたします」と回ってくる程度)
家族しか出席しないなら、別にこういうビデオいらないのかも?
というか、このご時勢、家族葬どころか、下手したら直葬(病院から火葬場に直行)パターンも増えつつあるらしいので、ビデオを作る時間も流す時間もなかったりして。
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