私が中学生や高校生の頃にめちゃくちゃ流行ってた赤川次郎さん。
中学生の頃、赤川さんの著作を10冊以上持ってるクラスメートがいて、その子に次から次へと借りて読みふけったのを覚えています。
その頃借りた中の一冊だったような気がするのが、こちらの本。
最近新装版で発売されたらしく、それを図書館の新刊棚で見つけました。
タイトル
死体置き場で夕食をは、もちろん「ティファニーで朝食を」のもじり。
赤川さんはこういうもじりがとても上手で、慣用句やことわざなども、赤川さんの手にかかれば気の利いたタイトルに早変わりですw
さて、タイトルは見覚えあったのですが、中身を読んだのは中学生の頃だから全然記憶なし。裏表紙のあらすじを見ても、設定すら覚えていない始末。当然犯人の心当たりもなし。
でも絶対読んだことあるなー!と思って、久々に借りて読んでみることにしました。
簡単にあらすじを書くと、新婚夫婦の紺野洋一と芳子は、旅行先の山中で吹雪&迷子になり、何とかたどりついたのが、とあるロッジ。
そこでオーナー以下数名の宿泊客と一晩過ごすことになるわけですが、朝目が覚めるとそのロッジには夫の洋一以外誰もいなくなってて、しかもオーナーの死体を地下で発見!
ただし雪の為外には出れず、数日そのロッジで過ごしたのち、スキーの出来る芳子がロッジに残ってた板を使って警察を呼びに行くことになりましたが、警察と共にヘリで戻ったら何とロッジは炎上&夫は行方不明で生きてるやら死んでるやら。
一人残された芳子は、その時一緒にいた警察関係者の某男性と一緒にロッジの秘密を探るわけですが…!?
…まず、この本の発売は1983年。
松本清張さんほどではないですが、結構昔だったんですね。
本を読み始めて10ページほどでそのことを痛感しました。
何しろロッジの宿泊客の一人、
キザな中年プレイボーイ(原文)の首元には、オレンジの
ネッカチーフ(原文)!
若い娘の服装はスキーウェアのような
トックリ(原文)のセーター!
その他あちこちで時代を感じる記述が…w
…とまあそんなことはともかくとして、肝心の中身ですが、やっぱり読んだことがあるという勘は正しかったようで、読んでるうちにうっすら真相が頭の中に。
確か、こいつが黒幕だったんじゃあ…と思ったらその通りでした。
もっともそんなに複雑な話ではないので、読んでると何となく分かるんですけどね。
特に赤川さんの著作を読み慣れていれば。
結末はバッドエンドといえばバッドエンドですが、赤川さんらしくそんなに重くもならない感じで、軽く読み終わりました。
赤川さんの小説は、何も考えずにさら~っと読めるのがいいんですよね。
さほど生々しい、残酷な描写も出てこないし。
頭が疲れているような時はちょうどいいかなと思います。
そりゃあ、都合いい展開だし、つっこもうと思えばいくらでもつっこめそうなんですけど、時代も違うし、何となくこういう小説につっこみを入れるのは無粋な気がするので、それはやめておきます。
そういえば今回の新装版に加わったのが、赤川さんへのインタビュー。
作家生活40周年記念特別インタビューが巻末に収録されています。
かなり意外だったのが、
取材をしないで書いてるということ。
考えてみれば赤川さんの本の舞台って、特別コレという地名が出てきませんよね。海外だったとしても架空の国だったり大まかな地域だったり。
しかし本の中で結構いろんな職業の人を出してるのに、そういう取材もしてないのか、それは気になります。特に警察官は沢山登場するから、さすがに話くらい聞かないと厳しいんじゃないかなーとか思ったりしてw
最後、この本のアマゾンリンクを調べた時に知ったのですが、赤川さんの本って結構Kindleになってるのですね。
いやーだってほら、東野さんとか宮部さんとか、Kindle反対派の作家さんってそこそこいるので、ちょっと意外です。赤川さんの世代なら何となく嫌がってそうと勝手に想像してました。
しかもよく見るとKindleだと半額近くになっている本もあるので、今度ゆっくり見てみたいですね~。
赤川さんの本は数百冊出てるから、Kindle化はファンにとってはありがたいんじゃないかと思いますよ。
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