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これまで読んだ本、新しく読んだ本の感想を適当に書いていきます。 ※あくまで個人の感想です!
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目次
50音順になってます

悪意
伊良部一郎シリーズ
噂の女
往復書簡
お江戸でござる
オリンピックの身代金
オレたちバブル入行組
折れた竜骨
顔 FACE
化学探偵Mr.キュリー
仮想儀礼
かばん屋の相続
機長、事件です!
Q&A
救命センター当直日誌
金融探偵

コモリと子守り
櫻子さんの足下には死体が埋まっている
さまよう刃
事故―別冊黒い画集Ⅰ
死体置き場で夕食を
十角館の殺人
しまのないトラ
Sherlock: A Study in Pink
シャーロック・ホームズシリーズ
シャーロック・ホームズ秘宝の研究
小公子セディ
小公女
真珠夫人
新世界より
ずっとあなたが好きでした
ストロボ
世界の終わり、あるいは始まり
ダウントン・アビーに於ける職業指南書
武田信玄(あかね文庫版)
地球進化 46億年の物語
冷たい川が呼ぶ
天璋院篤姫
トッカン 特別国税徴収官
トッカン The 3rd おばけなんてないさ
トッカン vs勤労商工会
猫のなるほど不思議学
パーカー・パインの事件簿
初ものがたり
福家警部補の挨拶
ブードゥー・チャイルド
ホームズの伝記比較
ホームズ・パロディ(J・トムスン)
星新一のショートショート
「本が売れない」というけれど
ぼんくら
マスカレード・ホテル
マンガ版シャーロック・ホームズ
万能鑑定士Qの事件簿のシリーズ
「見たいテレビ」が今日もない
ミッキーマウスの憂鬱
密室殺人ゲーム王手飛車取り
密室の鍵貸します
みんないってしまう
モンスター
夜行観覧車
ラプラスの魔女
霊柩車No.4
ワイルド・スワン
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往復書簡



湊さんの本は以前「告白」を読んだことありましたが、余り記憶もなくそれっきり。
で、図書館で次の本をぶらぶら探しているときに、「今日返ってきた本」の中に見つけて、衝動的に借りてみたのがこの本です。
※この「今日返ってきた本」は結構本を選ぶときの参考になります♪

この本は三つの短編が収められていて、どの短編も、基本的には二人の人物の手紙のやり取りのみで話が進んでいきます。

手紙…というツールが何だか懐かしいですね。
今やメールどころか、一言ずつ簡単にやり取りするLINEなんてものが出てきているし。

手紙は相手に届くまでの時間、相手が返事を書くまでの時間にブランクがあるのが、ポイントです。
相手が、政情不安の海外にいれば、相手に届くにも時間がかかるし、返事が届くにも時間がかかる。
国内であったとしても、相手が読んで気持ちの整理をつけて、あるいは書く時間が出来て返信が来るまでの時間を、ひたすら待たなければならない。
メールやLINEで、言いたいことが一瞬のうちに相手に届くやり取りが、ほぼ当たり前になり、「既読無視」なんて言葉まで出てくる現在、この「待つ」という行為をしなくなったような気がします。


最初の話「十年後の卒業文集」では、昔の高校の部活動の仲間うちで起きた恋愛模様と、その後のトラブルが描かれています。
高校生の男女が長いこと活動をしていれば、まあいろいろありますよね。自分にも覚えがありますから彼らの気持ちがよく分かる気がしますw
今となってはひたすら懐かしいばかりなんですけどね。


二つ目の話「二十年後の宿題」は、少し重い話が出てきます。
小学校の先生(女性)が、休日に自分のクラスの子6名(男女3人ずつ)に声をかけて、学校で使う落ち葉を拾いに近くの山に出かけていきます。
先生のご主人も一緒に、みんなで楽しく落ち葉を集めた後は、お弁当を食べて、バドミントンと沢遊びをするメンバーに分かれました。
が、沢遊びをしていた男子1名が川に落ち、助けようとしたご主人もおぼれてしまいます。
結果、男子は助かりましたが、ご主人は亡くなってしまうのです。

先生は、昔の教え子大場敦史(この時のメンバーではなく、メンバーの知り合いでもない)に、あの時の6人が20年経ってどんな人生を歩んでいるのかを調べて欲しいと依頼します。

依頼された大場は、調べていくうちに、6人+先生夫婦が、それぞれ違う思惑で例のイベントに参加し、事件に巻き込まれ、その事件を何らかの形で心に抱えたまま大人になっていたことを先生に報告していきます。
実際川におぼれた子、そのきっかけを作った子、川の側でその様子を最初から最後まで見ていた子、先生に状況を伝えに行った子、先生に頼まれて救急車を呼びに行った子、そもそもこのイベントが企画されるきっかけになった子…etc
最終的に、何故先生が大場敦史にこの依頼をしたのかという事情まで明らかになるのです。
個人的には三つの中で、この話が一番オススメかな~。


最後の話は「十五年後の補習」
中学の同級生同士から始まった、29才のカップルですが、男性側が政情不安の国にボランティアに行ったことをきっかけに、文通を始めます。
文通の中で、中学2年の時に起きたあるイジメ問題と、それに付随して起きたある放火事件が話題になり、手紙の中で本音と真実が明らかになっていきますが…。


どの話も「手紙」だからこそ、成り立つ話なんだろうなぁと思わされます。
メールやチャットのように、行ったり来たりが一瞬だったら、あるいは、顔を合わせて会話してたら、多分本当の話は見えてこないのかもしれません。

とはいえ、本にあるような、あんな長~い手紙、よく書いたよねぇ…(特に一つ目の話はほぼ手書きという設定w)とは思いました。
ここ何年も手書きの文章なんて書いてないので、考えただけで腕や手が痛くなりそうです!

それから…最初の話のオチ、面白かったけど、あれはやっぱり無理があると思うw
3年一緒に活動してたメンバーなんだし、成長したとはいえ、絶対みんなに気づかれるのでは!?
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コモリと子守り



歌野さんの去年発売された本で、図書館で見つけた時「あれ?これは読んだことないな」ということで、借りてみました。
読み始めてしばらく気づかなかったのですが、これ、舞田ひとみのシリーズだったんですね~。
「舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵」→「舞田ひとみ14歳、放課後ときどき探偵」に続く、第3段。
プロローグの終わりで彼女の名前が出てきて初めて気づいた。というか、主人公の馬場由宇くんは第1作目にも出てきていたのに全然気づかなかった私って一体…。
(今度「ダンスときどき探偵」と「放課後ときどき探偵」を読み直そうと思いました)

というか、タイトルそろえて欲しかったですよ~。「舞田ひとみ17才、子守りときどき探偵」とかさ。


今回の話は、ひとみちゃんが17才。確か14才の時はまだ父子家庭だったはずなのに、彼女の父はその後18才年下の女性と再婚して子供まで作ってるし!
そしてひとみちゃんの同級生、由宇くんの方は、第1作目の事件がきっかけで家庭は崩壊、兄はやくざ一歩手前みたいな状態になり、由宇くんは17才で高校中退後、引きこもり中。

そんな状態の由宇くんが、窓から見かけたのは、近所のアパートの一室で行われている児童虐待
通報しようかどうしようか迷っているうちに真夏になり、ある時パチンコ屋の駐車場で、例の虐待中の子供(2才♀)が車の中に放置されてて、今正に熱射病で死にかけているところを発見。
偶然車のカギが空いてたことから、子供を家に連れ帰ってしまいます。
で、ちょうど父と義母の間に生まれた子供(こっちも二才位)の世話に追われているひとみちゃんの力を借りて、子供を助けようとしたら、思わぬ事態に!

最初は短編かと思いましたが、実は短編ではなく、長編の一部だったことが後で分かります。
由宇くんが連れ帰った時に、「やらなかった行為」が、のちのち大きな複線になるなんて!
そうそう、あれさえ確認しておけば、後の事件は起こらなかったのよねぇ~。

そして由宇くんは自分が虐待をもっと早く通報していれば…と最後に自分を責めますが、大人だってそう簡単に通報出来ないのに、17才では無理だと思う…。
世間でニュースになる虐待死はこうして起こるんだなぁと実感させられました。


でもまあ、話自体は勢いがあって面白かったです。歌野さんらしい仕掛けも効いてたし。

が、いろいろ疑問も残ります。
まず携帯電話。メールや通話の発信元(発信された場所)って、どこの基地局を経由しているかで分かるんじゃなかったかしら?
ドラマ相棒シーズン4「黒衣の花嫁」で、それが犯行の証拠になった記憶があるんだけど…。
そしてひとみちゃんに指摘されるまでもなく、私も彼らが怪しいと思ってたしww
あんなに警察の人が大勢関わってて、誰一人気づかなかったって、ヤバくないっすか?w
(でもスマホの着信音があんな風に使えるなんて、斬新だ!)

あと歌野さんって、誘拐もの好きですねぇ~ホント。
「さらわれたい女」や「ガラス張りの誘拐」、「世界の終わり、あるいは始まり」だって事件そのものは誘拐だったし。


個人的には最後、由宇くんのお兄さんのことが、ちょっと解決に向かいそうでホッ…。
お母さんが何と言って説得したのか分かりませんが、次回の馬場家は少しはまともになってたらいいなぁ。
というか、次回作はひとみちゃん何才なんだろう~?
3才刻みで話が進んでいるから、普通に考えたら20才かな?

マスカレード・ホテル



2011年の秋に、著者のデビュー25周年の記念出版とかで、「麒麟の翼」「真夏の方程式」と一緒に本屋さんに並んでいたのは覚えているのですが、最近やっと図書館の通常の書架で見かけるようになったので、借りて読んでみました。

内容は、都内の一流ホテルが、連続殺人の舞台になるかも!?という話。
既に都内数箇所で事件が起きているのですが、どの事件の現場にも必ず残された謎の数字
その数字、実は次の事件現場を示す暗号のようになっていて、最後の現場に残ってた数字を解読すると、なんとそのホテルがビンゴ!
てなわけで、まだ起きてない殺人を未然に防ぐために、捜査一課の刑事たちが、ホテルマンに扮して実際に業務をしながら捜査することになるのです。

で、捜査一課の新田刑事が担当することになったのが、フロント業務。当然一人では仕事出来ないので、補佐というか、パートナーとして山岸尚美がつくことに…。
「お客さんを信用する」ホテルマンと、「とにかく人を疑う」刑事の二人。
最初はいがみあってばかりでしたが、だんだんお互いの仕事を認めあうようになって、ついに後半、事件に大きな手がかりが!?


……何というか…東野さんって、刑事と気の強い女のコンビ、好きですね~。
でももうこれでそのパターンいくつめ?さすがにちょっと飽きましたww

前半軽い感じで、細かい話がいくつか続きますが、予想通りそのうちの一つが、後半の重要な複線に!
※その前半の話の雰囲気は、どう見ても「姉さん事件です!」のアレw

というか、さすがに真犯人のあの変装には気づきましょうよ!
視覚障害者のふりをした人には気づいたのに…。
切れ者刑事という設定の新田は、あんな変装を見破るくらいお手の物ではないのか!?
尚美もあんなに近くで接していたのに気づかなかったの?これはちょっと不自然すぎる…。

そしてあんな大掛かりな仕掛けをした割には、しょぼくて全く共感出来ない、超個人的な殺人動機。
もう、てっきり組織的なテロか、ものっすごい大きな事件が起こるのかと思いましたよ。あのホテルで。
副支配人あたりが黒幕でさぁ~…w

あんな計画立てるくらいなら、夜中、ターゲットが一人で帰宅する時を狙って襲っちゃった方が早かったんじゃないかしら?
ホテル勤務の人って不規則な勤務体制なんだし、夜中に帰宅することも当然ありえるはず。
そもそも一人目の殺人のときは、まるっきり疑われてなかったんだから、ここまでやる必要なかったような…。


…とまあ、いろいろつっこみましたが、それなりに面白くは読めました。
感想を書く気にもなれない「夜明けの街で」辺りに比べると、ずっとマシです。
一流ホテルの裏側は、ちょっと興味深かったし。

図書館で借りて読むのにはちょうどいい感じです。映像が頭にどんどん浮かんでくる話なので、そのうちドラマか映画になりそう。
ただしその時は、例の変装シーンを上手くやらないと、登場した瞬間、犯人がバレますなww
同時に刊行された、「麒麟の翼」「真夏の方程式」は映画化されたのに、これが映像化されてないのは、そんな理由だったりして??

万能鑑定士Qの事件簿のシリーズ



前に紹介した「霊柩車No.4」の著者の作品です。
松岡さんだと、「千里眼」のシリーズの方が有名みたいなので、このシリーズを読んだ後にそっちも読んだのですが、個人的にはQのシリーズの方が好きかなぁ。

さて、この万能鑑定士Qのシリーズの最大の特徴は「人が死なないミステリ」です。殺人どころか事故死も自然死も、全編通して一切描写がないです。
それに基本ハッピーエンド。極悪人も登場せず、そういう意味では安心して読める本です。

内容はというと、都内あちこちのガードレール一面に奇妙な力士シールが貼られている理由を調査することになった、角川の週間編集者小笠原悠斗は、万能鑑定士Qという奇妙なお店を経営する凜田莉子と出会います。彼女は彼に出会った瞬間、持ち物から彼が角川の編集者だと見抜くほどの鑑定眼の持ち主。
小笠原は、彼女なら力士シールの謎を解ける!と確信し、一緒に調査をすることになったのですが…(by1巻&2巻)

このシリーズ、各巻ごとに独立した話ですが、力士シールの話だけ1巻と2巻で前後編みたいな感じになってます。
ただし、この1巻と2巻、話が現在と過去を行き来する割には、登場人物にもまだそれほど肩入れ出来ないし、中盤を過ぎるまではちょっと読みにくいというか何というか…。
個人的には3巻を先に読んで、登場人物に馴染みが出来てから1巻&2巻を読むほうが読み易いかも?

3巻では、落ちぶれた某音楽プロデューサーが、ある野望を企てる話ですが、莉子の能力が最初から最後まで如何なく発揮されて、面白いです。
※というか、この音楽プロデューサーが誰をモデルにしてるのか、読むと一目瞭然ww


で、面白いのが、万能鑑定士、凜田莉子のキャラ。
何でもかんでも物の真贋を一瞬で見分ける能力の持ち主で、きっと子供の頃から聡明で、学業優秀だったのだろう…と出会った小笠原も考えるのですが、これが大きな間違い。
彼女は沖縄の波照間島出身ですが、高校までは救いようがないくらいの劣等性。
それが東京に出てきて、ある人物と出会い、自分の「能力」の使い方を勉強していくのです。
1巻と2巻、それから10巻で、その様子が細かく描かれていて、かなり興味深い。

考えてみたら、ものすごい能力のある探偵って、よく出てくるけれど(というか探偵役は大抵そう)、彼ら彼女らの能力がいつからあるのか、どうやって開花したのかを描いている小説ってあまりないような気がする…。

しかも莉子の能力は、まだ発展途中。
若い故に未熟な一面もあり、ちょっとした心の動揺で正しい鑑定が出来なくなる時もあります。
そして9巻では能力の使い方を間違えて、あやうく自身の鑑定眼を失う危機が…!?
もちろんそういう時に助けてくれるのは、相棒の小笠原。
※注:恋人ではないwよくある友達以上恋人未満ww
彼は莉子のような鑑定眼はないけれど、彼自身が今まで得てきた職業上の知識や経験、度胸、勇気、そして莉子の為に何かしてあげたいという純粋な気持ちが、莉子の支えになり、莉子の能力を救うときもあるのです。


とにかく1冊1冊がそれほど長くなく、さら~っと読めるので、2時間くらい気軽に読書したいときにちょうどいいです。
読み始めると、12冊あっという間に読めちゃいます♪

ちなみにこのシリーズ、短編集が2冊と、新たにスタートした「万能鑑定士Qの推理劇」が3巻まで出ているので、そちらもどうぞ~。


そうそう、私がこのシリーズを購入しないのは、量が多いので本棚がすぐ一杯になりそうという理由からですw


それから最後に蛇足…。

まあ所詮小説なんで、こういうのは雰囲気ぶち壊しなのは分かっていますが…。
莉子はあらゆるものを鑑定し、その後鑑定の根拠を述べるのですが、たまーに自分の知ってるジャンルが出てくると「そうだっけ?」「そんな単純じゃないような…」とか、根拠の内容に若干疑問符がつくときがあります。
ということは、他のジャンルについても、きっとあまり鵜呑みにはしないほうがいいのかも…。
莉子があまりにきっぱりと断言するので、つい本気にしちゃいそうなんですけどねw

ストロボ



真保さんといえば、織田裕二主演の映画「ホワイトアウト」や「アマルフィ」などが有名ですが、個人的にはこの人のは短編集の方が好きなんですよね~。
※でもホワイトアウトや奇跡の人なんかは好きだけど…♪

この「ストロボ」は、写真家、喜多川光司の20代~50代までのある時期を切り取って、一章ずつ短編集にしてある小説です。
が、この小説の珍しいところは、若い時から50代までの各章の掲載が逆になっているということ。
具体的に言うと、第五章「遺影」(50歳)→第四章「暗室」(42歳)→第三章「ストロボ」(37歳)→第二章「一瞬」(31歳)→第一章「卒業写真」(22歳)…という風に読み進めるわけです。

で、この喜多川のオッサン、ものすごい女好きで、各章必ず女性絡みの揉め事が…w
それなのに奥さんのことはやっぱり一番愛してて、第五章「遺影」のラストでは、「自分の遺影を撮影してもらいたいのはこの女しかいない」と奥さんに撮影を依頼するという、超都合のいい男(爆)。
こんな女好きにずーっと付き合ってきた奥さん、もうこういう人だから仕方ないって諦めているんですかねぇ。全く。
まあそれでも、何となく憎めないキャラなのが不思議なんですけどね~喜多川のオッサン…。

この本を購入したのは、まだ全然写真に興味ない頃で、その後一眼レフを買って写真の勉強をしたのですが、勉強してから読むと、時々登場するカメラのウンチクがちょっと面白くなります。
そうそう、逆光のときは露出はプラス気味だよね~とか…。ライカのカメラにエルマー50ミリF2.8って、当時は高かったんだろうなぁ~とか…。
フィルム写真の場合、現像のときにいろいろ調整できるというのは初めて知りました。
今はほんと、写真の敷居が低くなって、いい時代になりましたよね。。。


個人的に気に入っているのは、第四章「暗室」
喜多川が昔世話をした女性(ぶっちゃけ不倫相手)、柊ハルミ。
彼女が大学の山岳隊と山で遭難し、ハルミ含めて隊全員が死亡。残されたのは、ハルミが撮影したカメラとフィルムだけ。
その山岳隊は、ハルミが山で撮影をするために集めたメンバーだったのですが、素人のハルミが皆の足を引っ張り工程が遅れ、こういう結果になったのではないかと叩くマスコミ。
その中で、喜多川と写真仲間の仁科はハルミの残したフィルムを現像して真実を知ろうとするのですが…。

ハルミの残した最後のフィルムは喜多川の手によって写真になり、彼は真実を知ってぽろぽろと涙をこぼします。
このシーンは、読んでいるこちらも涙がこぼれそうになりました。

フィルムの巻き戻る音を、彼女は雪の中で聞いたのでしょうか?それとも聞く前に意識を失ったのでしょうか?出来たら前者であってほしいと私は思います。


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