歌野さんの去年発売された本で、図書館で見つけた時「あれ?これは読んだことないな」ということで、借りてみました。
読み始めてしばらく気づかなかったのですが、これ、
舞田ひとみのシリーズだったんですね~。
「舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵」→「舞田ひとみ14歳、放課後ときどき探偵」に続く、第3段。
プロローグの終わりで彼女の名前が出てきて初めて気づいた。というか、主人公の馬場由宇くんは第1作目にも出てきていたのに全然気づかなかった私って一体…。
(今度「ダンスときどき探偵」と「放課後ときどき探偵」を読み直そうと思いました)
というか、タイトルそろえて欲しかったですよ~。
「舞田ひとみ17才、子守りときどき探偵」とかさ。
今回の話は、ひとみちゃんが17才。確か14才の時はまだ父子家庭だったはずなのに、彼女の父はその後18才年下の女性と再婚して子供まで作ってるし!
そしてひとみちゃんの同級生、由宇くんの方は、第1作目の事件がきっかけで家庭は崩壊、兄はやくざ一歩手前みたいな状態になり、由宇くんは17才で高校中退後、引きこもり中。
そんな状態の由宇くんが、窓から見かけたのは、近所のアパートの一室で行われている
児童虐待。
通報しようかどうしようか迷っているうちに真夏になり、ある時パチンコ屋の駐車場で、例の虐待中の子供(2才♀)が車の中に放置されてて、今正に熱射病で死にかけているところを発見。
偶然車のカギが空いてたことから、子供を家に連れ帰ってしまいます。
で、ちょうど父と義母の間に生まれた子供(こっちも二才位)の世話に追われているひとみちゃんの力を借りて、子供を助けようとしたら、思わぬ事態に!
最初は短編かと思いましたが、実は短編ではなく、長編の一部だったことが後で分かります。
由宇くんが連れ帰った時に、
「やらなかった行為」が、のちのち大きな複線になるなんて!
そうそう、あれさえ確認しておけば、後の事件は起こらなかったのよねぇ~。
そして由宇くんは
自分が虐待をもっと早く通報していれば…と最後に自分を責めますが、大人だってそう簡単に通報出来ないのに、17才では無理だと思う…。
世間でニュースになる虐待死はこうして起こるんだなぁと実感させられました。
でもまあ、話自体は勢いがあって面白かったです。歌野さんらしい仕掛けも効いてたし。
が、いろいろ
疑問も残ります。
まず携帯電話。メールや通話の発信元(発信された場所)って、どこの基地局を経由しているかで分かるんじゃなかったかしら?
ドラマ相棒シーズン4「黒衣の花嫁」で、それが犯行の証拠になった記憶があるんだけど…。
そしてひとみちゃんに指摘されるまでもなく、私も彼らが怪しいと思ってたしww
あんなに警察の人が大勢関わってて、誰一人気づかなかったって、ヤバくないっすか?w
(でもスマホの着信音があんな風に使えるなんて、斬新だ!)
あと歌野さんって、誘拐もの好きですねぇ~ホント。
「さらわれたい女」や「ガラス張りの誘拐」、「世界の終わり、あるいは始まり」だって事件そのものは誘拐だったし。
個人的には最後、由宇くんのお兄さんのことが、ちょっと解決に向かいそうでホッ…。
お母さんが何と言って説得したのか分かりませんが、次回の馬場家は少しはまともになってたらいいなぁ。
というか、次回作はひとみちゃん何才なんだろう~?
3才刻みで話が進んでいるから、普通に考えたら20才かな?
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