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これまで読んだ本、新しく読んだ本の感想を適当に書いていきます。 ※あくまで個人の感想です!
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目次
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悪意
伊良部一郎シリーズ
噂の女
往復書簡
お江戸でござる
オリンピックの身代金
オレたちバブル入行組
折れた竜骨
顔 FACE
化学探偵Mr.キュリー
仮想儀礼
かばん屋の相続
機長、事件です!
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救命センター当直日誌
金融探偵

コモリと子守り
櫻子さんの足下には死体が埋まっている
さまよう刃
事故―別冊黒い画集Ⅰ
死体置き場で夕食を
十角館の殺人
しまのないトラ
Sherlock: A Study in Pink
シャーロック・ホームズシリーズ
シャーロック・ホームズ秘宝の研究
小公子セディ
小公女
真珠夫人
新世界より
ずっとあなたが好きでした
ストロボ
世界の終わり、あるいは始まり
ダウントン・アビーに於ける職業指南書
武田信玄(あかね文庫版)
地球進化 46億年の物語
冷たい川が呼ぶ
天璋院篤姫
トッカン 特別国税徴収官
トッカン The 3rd おばけなんてないさ
トッカン vs勤労商工会
猫のなるほど不思議学
パーカー・パインの事件簿
初ものがたり
福家警部補の挨拶
ブードゥー・チャイルド
ホームズの伝記比較
ホームズ・パロディ(J・トムスン)
星新一のショートショート
「本が売れない」というけれど
ぼんくら
マスカレード・ホテル
マンガ版シャーロック・ホームズ
万能鑑定士Qの事件簿のシリーズ
「見たいテレビ」が今日もない
ミッキーマウスの憂鬱
密室殺人ゲーム王手飛車取り
密室の鍵貸します
みんないってしまう
モンスター
夜行観覧車
ラプラスの魔女
霊柩車No.4
ワイルド・スワン
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マンガ版シャーロック・ホームズ



私がよく通う職場近くの図書館には、コミックもちらほら置いてあります。
軽く暇つぶししたい時は、ヒカルの碁とかパラパラ読むわけですが、ふと棚を見るとマンガ版シャーロック・ホームズというものが…。

最近やたらホームズに縁があるとはいえ、マンガ版。しかも絵が古っ!
どう見ても昭和のマンガだろこれ(*≧∀≦)
※発売年は1996年なので実は平成でしたw

まー、子供が最初に読むならこういうのもいいんじゃね?と余り考えずにページをめくってみたら、これがただのコミカライズでなくてびっくり!
本の最初と最後の解説も子供向けとは思えないくらいしっかりしてるし、何より、ちょいちょい挿入されているオリジナルエピソードがとてもいい感じ♪
さすが石ノ森章太郎監修!

例えば青いガーネット
原作では、ホームズが真犯人を温情で見逃してやるだけでしたが、このマンガでは、その後、警察から証拠不十分で釈放された配管工のホーナーを、「部屋の配管がおかしい」とホームズが221Bに呼んで修理を依頼するシーンが…!?
もちろん配管がおかしいというのはホームズのウソ。
ホーナーは一通り配管を点検して、「どこも悪くないですよ」と帰ろうとするのですが、そこでホームズが(結構いい金額の)お金を、代金としてホーナーに渡します。
「見ただけなのに、これでは多すぎです」と辞退するホーナーに対して「そのお金でクリスマスをやり直してくれ」と告げるホームズ…。
あれ?青いガーネットってそんなイイ話だったっけ!?・゚・(つД`)・゚・
何というほほえましいエピソード!!
配管工ホーナーは、原作では名前しか登場しなくて、そういえば配管工って職業だったよね…というくらいの印象しかなかったのですが、その設定をこんな風にアレンジしたなんて素晴らしい!

それから唇のねじれた男では、謎の浮浪者ヒュー・ブーンという男が出てくるのですが、彼は浮浪者とは思えないくらいの切れ者。
原作ではホームズが「何度か彼には注目したことがある」と語るだけだったのですが、マンガでは、ヒュー・ブーンとホームズのやり取りをしっかりと再現。
いきなりブーンの元を訪れ「ぼくの仕事を当ててみろ」と言うホームズに対して、「それはあんたの仕事だろ、ホームズさん」なんて返すブーン。
しかも「なぜぼくがホームズだと分かった?」という問いに、「イギリスの紳士は普通紅茶をたしなむが、あんたからは微かにコーヒーの香りが…」などと、ホームズを目の前に、本人顔負けの推理を披露!これは原作にあっても違和感のないエピソードだと思いますよ。

というか、このエピソードを原作で読んでみたいと思ったら、原作には入ってなくて、がっかりされる可能性もあったりしてww


そうそう、それから作品の解説もなかなか秀逸。
赤髪連合にて、犯人たちがわずかな出費を惜しんで、赤髪連合を解散させなかったら、ウィルソン氏はホームズに相談にも行かず、犯行は成功していたかもしれない…なんて意見は、まったくもってその通りすぎて爆笑www


とにかくこのシリーズ、子供向けと侮らずに読んでみることをオススメします。
原作を熟知している人も、読むと新たなエピソードにニヤリとなります。

そんな私は、このシリーズちょっと欲しい…とか思ったけど、さすがにハードカバー10冊はなぁ…置き場所もないし。

アルミニウムの松葉杖1/3

さて、アップウッドの醜聞以来、久々の登場となるThe Secret Notebooks of Sherlock Holmes
アップウッドの醜聞3/3の最後に「アルミニウムの松葉杖の翻訳は終わっているのですが、その次の翻訳にもかかりたいので、次のレビューはまたそのうち」とか書いたわけですが、その次の翻訳がなかなか進まなくて…。
年明けにはBBC製作の「シャーロック」シーズン3も始まって、そっちの翻訳し始めちゃうし、おかげでこっちのホームズさんは、すっかりご無沙汰ww

とはいえ、やっともろもろの翻訳がひと段落したので、2話目のアルミニウムの松葉杖のあらすじと感想にいきたいと思います。
(原題はThe Case of the Aluminium Crutch)
※例によって素人翻訳なので、正確さは期待しないで下さい(^^;)

お江戸でござる



杉浦日向子さんといえば、昔NHKでやってた時代劇コメディー「お江戸でござる」の監修をしていたのを思い出します。
江戸の下町を舞台にした寸劇が終了した後、出演者に囲まれた杉浦さんが、話の内容について、ここは実際の江戸時代ではこうだった、ああだった、あるいは、ここは非常に上手に表現されていた…などなど。
専門家なのに、ちっとも専門家らしくない軽妙で優しい口調が印象的でした。

これは、そんな「お江戸でござる」の解説で語られた江戸の様々な風習を、あの時の杉浦さんのお話のまま一冊の本にしたものです。

杉浦さんは2005年にお亡くなりになっているのですが、これを読んでいると、まるで杉浦さんの優しい解説が聞こえてくるような気がします。
この本の解説にも書いてありますが、杉浦さんが普通の専門家と違うのは、専門家が現代から江戸時代を解説しているのに対して、彼女は、江戸時代の目線から、現代の私たちに語りかけているのです。

また、本編の合間に語られるこぼれ話も面白く、中でも西洋との文化の比較がちょっと目からウロコ。
西洋のオペラやバレエは、貴族→庶民に降りてきたものですが、日本の歌舞伎は、庶民から生まれ、次第に武士や奥女中など、上の方に広まったのですね。
西洋文化は、戦争によって奪い、交じり合うハイブリッドな文化ですが、江戸の日本には戦争はなく、内部から発酵する熟成文化…という解釈もユニークです。


この本を読んでから、時代劇を見ると、いろいろ突っ込み所満載ですね。
例えば今NHKでやってる鼠、江戸を疾る(NHK木曜時代劇)では、毎度蕎麦屋さんが出てきますが、そのお蕎麦の食べ方が微妙…。
江戸時代のそばつゆは、現代の三倍濃縮のやつを原液のまま入れたくらいの濃さなので、お蕎麦全部つゆに浸したら、辛くて食べられません。
下1/3くらいを浸してするするっと食べるのが正解だそうです。
蕎麦屋さんのシーンのたびに、出演者の食べ方が気になって仕方がない…。

それから、やたら若い、どう見ても20代前半の番頭さんが出てきたけど、あんなに若い番頭さんいないから!
せいぜい手代でしょう~。番頭さんって言ったら、どんなに順調に出世しても30代後半です。

他にもいろいろ気になるとこがありますが、ここで書くとキリがないのでやめておきます。
というか、杉浦さんを天国から呼び戻して、もう一度時代考証し直して欲しいです。


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