近所に住む義母とは、本の趣味がよく似てて、たまに貸し借りもしています。
最近の作家で趣味が一致するのは、東野圭吾、奥田英朗、宮部みゆき、横山秀夫etc、そしてちょっと昔の作家だと松本清張。
松本清張は私も義母も昔から好きで、大阪に引っ越しした当初、義母宅に行ったら我が家にもある「点と線」「ゼロの焦点」「霧の旗」が義母の本棚にもあってびっくりしましたw
その後も義母は、ちょくちょく松本清張を購入していて、この「事故」もその一つ。
この本には表題作「事故」と、あの有名ドラマ「家政婦は見た」の原作「熱い空気」が収録されています。
表題作「事故」は、某裕福な家の玄関に、居眠りトラックがつっこむ所から始まります。
ただ、結構な損害だったにも関わらず、その家の主人が示した賠償額は、一般的に見てもかなり少ない方で、しかも奥様は、運転手に対して「疲れていたのだろう」と同情の意を示して、早く仕事に復帰出来るようにと便宜をはかってくれる状態。
会社にとっては、信じられないくらい何から何までラッキー♪♪
…と思ったら、数日後、そのトラック運転手が殺されます!
え?どういうこと?あの事故って、事故じゃなかったの??
話が進むと、例の事故にからむ、
全く別の真相が明らかになります。
二作目「熱い空気」は、ドラマ原作ということで、まあ、ああいう雰囲気の話なんだろうなーと思ったら
180度くらい違っててびっくり!ww
というか、この原作からあのドラマシリーズを作ったスタッフはすごいし、あの家政婦像を作り出した市原悦子さんは、ものすごい人だと思う!!
とにかく話どころか、雰囲気が全然違う。原作はかなり暗くてドロドロでコテコテ…。
家政婦の河野信子が黒すぎて超怖い((((;゚Д゚)))))))
ま、よく考えてみたら、松本清張が書くんだから、こうなりますよねw
腹黒い気持ちになりたい時にオススメの作品です(爆)。
そういえば、この作品当時の通貨単位って、今とは大分違うんでしょうね~。
最初の「事故」の玄関修理代、15000円って!そりゃ安すぎ!!って一瞬思いましたが、「熱い空気」で住み込み家政婦の信子の給料が月平均25000円でいい方とか書いてあるし、ラーメン代(中華そば)が2杯100円、往復電車賃が30円なので、さすがに平成の15000円とは違うようですね…。
ん~、判りやすいラーメン代を元に計算すると、大体10倍くらいで考えればいいのかしら?
(それでも玄関の修理代は破格だwだから結果的に警察に目をつけられるのですが…)
この本は、二作とも、かなり面白いです。時々無性に読みたくなる。
義母だからいつでも借りられると思って買ってないけど、図書館で借りたら買ってたかも~な本です。