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これまで読んだ本、新しく読んだ本の感想を適当に書いていきます。 ※あくまで個人の感想です!
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コモリと子守り
櫻子さんの足下には死体が埋まっている
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事故―別冊黒い画集Ⅰ
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シャーロック・ホームズシリーズ
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小公女
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武田信玄(あかね文庫版)
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みんないってしまう
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ラプラスの魔女
霊柩車No.4
ワイルド・スワン
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猫のなるほど不思議学



猫を飼い始めて早6年になりますが、飼い始めたのは突然のことで、心の準備も猫グッズの準備も何もしていない状態で迎えたのを思い出します。

さすがにこのままじゃマズイだろう…と、本屋さんや図書館で猫に関する様々な本を見つけ、ぱらぱらと読みましたが、その中で唯一購入したのがこの本でした。


著者は岩崎るりはさんという、チンチラのブリーダー。
本には、ブリーダーを始めるきっかけになった明日香をはじめ、12匹のチンチラが登場するのですが、とにかくよく観察しているのに驚きます。
猫の序列を調べた猫パンチオーダー(食事の時は優位にある猫から先に食事をしていて、それを乱す猫がいると上位の猫から猫パンチが飛ぶらしいwそのパンチ数で序列を調査)や、メスとオスのケンカのやり方の違い、生殖にまつわるかなりちょっとエッチなお話(42pも使ってるしw)、遺伝による性格の違い…etc

特に面白いのが、猫の排泄に関する話で、猫は砂の上で排泄すると、かならず上から砂をばっさばっさとかけるのですが(猫ババ行動)、この辺個人差があって、ものすごくしつこく砂をかける猫と、そういうことに全く無頓着な猫がいます。
で、別の本には、その差について、群れのリーダーは余り砂をかけないという調査の結果から、砂をかけない猫は飼い主をボスだと思っているからだ…と書いてあるのですが、著者はその見解については

「優位にある猫というのは、もともと気丈な分無頓着です。そのためトイレにも鷹揚で、砂もかけずに飛び出していったりもします。優位に立てない猫というのは、生まれつき小心者で、他の猫の排泄物までいつまでも気にして砂かけしています。猫ババ行動の差異は地位から生じたものというより、天性の気質に大きく影響されるものであり、それが優位劣位にも結びついているというほうが現実的でしょう」

と書いています。
確かにその通りで、ウチには2匹いますが、神経質な方(大福)はいつまでも砂をかけ、大雑把な方(モコ)はデカいウンチもほったらかしですw
この辺りは岩崎さんの見解の方に納得いくような気がします。


また、最後には昨今問題になっているペットロスにも触れていて、こう書いています。

「ペットロス=ペット溺愛が生んだ現代病でしょうか?いいえ、それはペットを溺愛することが原因なのではなく、孤独に疲れ果てた人を癒すために猫が飼われるようになったことに原因があるのではないでしょうか。
~中略~
人間関係が希薄になってしまった現代人は、知らずと猫の世界を侵略し、愛情を押し付けているのではないでしょうか。猫を飼っているつもりが、猫に飼われてしまっている人は、猫に飼われたふりをしながら、一段高いところから猫を眺めてみるのも悪くないでしょう」


つまり、猫はあくまで猫なのだから、猫として接しなさい…と言うことですね。
猫と暮らして6年にありますが、今でも、そしてこれからも、この本を手に取るたびに、その言葉を頭に留め置くようにするつもりです。
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ブードゥー・チャイルド



中学生の主人公、日下部晃士は前世についての記憶を持っています。
前世の自分の名前はチャーリーで黒人、ある雨の夜バロン・サムディという悪魔がやってきてお腹をえぐられました。そして悪魔が書き残した謎の紋章

晃士は前世の自分が何者だったのかを知りたくて、ホームページで情報を集めます。

ところが、堀井キンという変な女から電話を受けた直後、継母(※晃士の父は晃士が小さい時妻を亡くし、その後再婚してます)が何者かに殺され、側にはあの謎の紋章Charlie(チャーリー)と書いてある紙が!!

え?この殺人は自分の前世と関係が…!?

…話は勢いがあり、非常に興味深く、飽きずに読み終わりました。
ちゃんと複線が全部回収されているとこが素晴らしい。

が、謎そのものは、そんなに難しくはなく、途中で何となく真相が分かります。
(それは私が2012年に読んだからかもしれないですが…)
というか、主人公晃士に対して「なぜそこまで分かってて、真相が分からないんだ~!」ってちょっとイライラしたりしてw
一番謎なのは、途中から出てくる探偵役の少年かも。彼の正体が一番不可解です┐(´ー`)┌

単行本が書かれたのは1998年。
インターネットや検索の話がやけに丁寧~にされているとこは時代を感じますね。
話の元ネタも、この頃話題になった(と思う)アレ。
そういえばニュースで見たような気がします。作者もニュースを見てプロットを思いついたに違いないww
前世とか悪魔とか紋章とか、やけに古びたものが登場しますが、真実が分かってしまえば、その正体はものすごい科学的で現実的…その対比が何とも皮肉。
結局悪魔は、人間の欲求や見栄や世間体が作り出したのだ…と最後に判明します。


話の中で気になった点が二つ…。

来日直後のラリーが英語の出来る日本人をつかまえて電話させた…って書いてあるけれど、あの電話応対を見る限り、とても日本人が電話しているようには見えない。
むしろ外国人(欧米人)に片っ端から声をかけて、日本語が出来そうな人に電話させたのではないだろうか?

例えば私がニューヨークで、名前しか知らない現地の人に電話しなければいけなかったとしたら、日本人っぽい人に声をかけまくって、英語で電話出来る人を探すと思う。


そしてアマゾンのレビューにて「例の悪魔の紋章(本文が始まる前に登場する)をじっと見てたら、読む前からそれが何を意味するか分かってしまった」という感想が!!
た…確かに…じっと見たら分かってしまう可能性大!ww
私の場合は、たまたまそんなにじーっとは見てなくて、さらっと見て本文を読み始めたから、それはなくてよかったw

あの紋章は、途中挿絵としてちらっと登場させるくらいの方がよかったんじゃないかなぁ~。

ワイルド・スワン



もはや大昔の話ですが、短大1年の時、必修の外国語が英語、仏語、中国語の中から選択することになっていて、特に何も考えずに中国語を選択した私。
授業は、とりあえず普通に参加していたのですが、夏休みに出た宿題が
「少し前に発売されたワイルド・スワンという本を読んで感想文を原稿用紙2枚で提出」
というものでした。

一応強制ではないものの、提出した人は、前期のテストの点数に10点足してくれるとのことで、そりゃ書かなきゃ~と本屋さんへ…。
でも、ワイルド・スワンは当時文庫本では出版されてなく(現在は文庫上中下3巻で出版されてます)、ハードカバー上下巻で1冊1800円!
うーん…プラス10点のためとはいえ、趣味かどうかわからない本のために1800円×2=3600円は高い…。

ところが、どうしよう~と思っていたら、偶然同じ授業を取っていた友達が購入したとのことで、借りて読み始めたのですが…。

これがものすごい衝撃でした。もう、衝撃という言葉しか出てこない。
中国って隣の国なのに、自分は中国のことを何も知らなかったのだと、思わされました。

話は著者の祖母の代から始まります。
1924年、15才の祖母は、たまたま村を訪れた軍閥将軍に見初められて妾(将軍には既に大勢妾が存在する)にされますが、それはその後の波乱の人生の幕開けにすぎなかった…。
その後、祖母の娘(著者の母)→著者へと主人公が移っていき、最終的には文化大革命が終了し、著者がイギリス留学の夢を叶える場面で終わります。

※その後著者はイギリスで勉強を終えたあともそこに留まり、同国でワイルド・スワンを出版し、世界中で翻訳、発売されました。が、中国語での出版予定はナシ。不思議なことにw台湾では出版されてますが。


はっきり言って、ハードカバー2冊読んだとは思えないほど、あっという間に読み終わりました。

文化大革命なんて、名前だけは聞いたことがありましたが、実態がどんなものだったのか、全然知らなかった。
同国人同士であんなことが出来てしまうなんて、本当に恐ろしい。
誤解を恐れずに正直に書くと、これを読んで中国人の気質というか、習性がじわじわ伝わってきました。
今、日本に向けていろいろやらかしているけど、ワイルド・スワンを読んでいるので、全然驚きません。

まあ、あれくらい平気でやるよね。だって同じ中国人にあんなこと出来るんだからさ。あれでもまだ手加減している方なんだよ…と。

日本人なら一応読んでおいた方がいい本だと思います。
お隣の国なんだから、何も知らない方が逆に怖い。


ちなみに、本を借りて宿題を終えた後、本屋さんで上下巻まとめて購入しました。
(同じく借りて感想文を書いた人で、後に買った人他にもいましたw)

ワイルド・スワンを初めて読んだ時の衝撃は、今も忘れられません。

事故―別冊黒い画集Ⅰ



近所に住む義母とは、本の趣味がよく似てて、たまに貸し借りもしています。
最近の作家で趣味が一致するのは、東野圭吾、奥田英朗、宮部みゆき、横山秀夫etc、そしてちょっと昔の作家だと松本清張。

松本清張は私も義母も昔から好きで、大阪に引っ越しした当初、義母宅に行ったら我が家にもある「点と線」「ゼロの焦点」「霧の旗」が義母の本棚にもあってびっくりしましたw
その後も義母は、ちょくちょく松本清張を購入していて、この「事故」もその一つ。
この本には表題作「事故」と、あの有名ドラマ「家政婦は見た」の原作「熱い空気」が収録されています。


表題作「事故」は、某裕福な家の玄関に、居眠りトラックがつっこむ所から始まります。
ただ、結構な損害だったにも関わらず、その家の主人が示した賠償額は、一般的に見てもかなり少ない方で、しかも奥様は、運転手に対して「疲れていたのだろう」と同情の意を示して、早く仕事に復帰出来るようにと便宜をはかってくれる状態。
会社にとっては、信じられないくらい何から何までラッキー♪♪

…と思ったら、数日後、そのトラック運転手が殺されます!
え?どういうこと?あの事故って、事故じゃなかったの??
話が進むと、例の事故にからむ、全く別の真相が明らかになります。


二作目「熱い空気」は、ドラマ原作ということで、まあ、ああいう雰囲気の話なんだろうなーと思ったら180度くらい違っててびっくり!ww
というか、この原作からあのドラマシリーズを作ったスタッフはすごいし、あの家政婦像を作り出した市原悦子さんは、ものすごい人だと思う!!

とにかく話どころか、雰囲気が全然違う。原作はかなり暗くてドロドロでコテコテ…。
家政婦の河野信子が黒すぎて超怖い((((;゚Д゚)))))))

ま、よく考えてみたら、松本清張が書くんだから、こうなりますよねw
腹黒い気持ちになりたい時にオススメの作品です(爆)。


そういえば、この作品当時の通貨単位って、今とは大分違うんでしょうね~。
最初の「事故」の玄関修理代、15000円って!そりゃ安すぎ!!って一瞬思いましたが、「熱い空気」で住み込み家政婦の信子の給料が月平均25000円でいい方とか書いてあるし、ラーメン代(中華そば)が2杯100円、往復電車賃が30円なので、さすがに平成の15000円とは違うようですね…。
ん~、判りやすいラーメン代を元に計算すると、大体10倍くらいで考えればいいのかしら?
(それでも玄関の修理代は破格だwだから結果的に警察に目をつけられるのですが…)


この本は、二作とも、かなり面白いです。時々無性に読みたくなる。
義母だからいつでも借りられると思って買ってないけど、図書館で借りたら買ってたかも~な本です。

霊柩車No.4



実在する霊柩車ドライバーの方が書いたブログを元にして書かれた小説らしいですが、霊柩車ドライバーが探偵役という、かなり変わったミステリです。
(というか、私は他に見たことがないw)

葬儀業界の裏側が垣間見れて、いろいろと「ふーん…」て思いました。
人の遺体を車で運ぶことが、あれだけ神経を使うなんて…。

というのも(本文より)↓
「事故を起こした場合、故人は貨物だ。対人保険でなく対物保険になるんでね。けれども、ご遺体には値段がつけられない以上、対物保険は下りない。だから事実上、保障はない。よって充分に注意しながら運転してる」
だそうです。そうなんだ…保険下りないんだ…。

そういえば救急車が搬送中に事故というニュースは聞いたことがありますが、霊柩車が火葬場に行く途中で事故…というのは聞いたことがない?
(実際はどうなんだろう?いくら注意してても事故ゼロってことはないと思うけれど…本当にゼロなのかな!?)


この著者の本は、先に「万能鑑定士Qの事件簿」1~12巻、「万能鑑定士Qの短編集」1、2巻を読んでましたが(その話はいずれ書く予定)、それらが「人が死なないミステリ」という触れ込みで、殺人どころか自然死も発生しないシリーズですが、「霊柩車No.4」は霊柩車のドライバーが主役だけあって、殺人も病死も普通に発生します。
そういう意味では、人の生死に関わるので、Qのシリーズよりは少し重め。

でも個人的には、Qのシリーズは面白かったけど、ちょっと軽すぎる気がしていたので、この本の独特の暗さ&重さがちょうどいいような気がします。

前半は主人公「怜座彰光」の人物紹介のような感じで、割とクールに、淡々と話が進むのですが、後半は急展開!
焼き場からの脱出劇は、かなりハラハラしました。ていうか、普通あのまま焼かれて骨になっちゃうのでは!?w
そして、まさかのあの人が黒幕!!

予想出来ない結末に最後まで気が抜けない話なのですが、私は前半の淡々とした話の方が好きかなぁ。
出来たらあのままの感じで、短編集みたいな感じでもよかったと思う…。
(後半のあの展開は、どう考えてもやりすぎだw)

ただ、ラストで、4年半前にひき逃げに遭い事故死した怜座彰光の奥さんの件に、決着が付きそうなのはほっとしました。
真相も明らかになって、お墓も作ったことだし、これで少しは前に進んで欲しい。。。

続編…は、どうもなさそうですが、続編があったら、今回よりは明るい怜座さんに会えるのかしら?


そういえば、タイトルの「No.4」って一体何!?
最後まで読んだけど、由来、出てきたかしら?私が見落としたのかな?
図書館で見た時、面白そう~とは思ったけれど、既にNo1~3まで刊行されているのかと思って、検索機で探しちゃいましたw


最後に、怜座さんのセリフでこの記事を終わりにします。

「遺体はたんなる物ではない。運ばれるときは貨物でも、かつては人間だった。その事実に変わりはない」


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