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これまで読んだ本、新しく読んだ本の感想を適当に書いていきます。 ※あくまで個人の感想です!
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目次
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悪意
伊良部一郎シリーズ
噂の女
往復書簡
お江戸でござる
オリンピックの身代金
オレたちバブル入行組
折れた竜骨
顔 FACE
化学探偵Mr.キュリー
仮想儀礼
かばん屋の相続
機長、事件です!
Q&A
救命センター当直日誌
金融探偵

コモリと子守り
櫻子さんの足下には死体が埋まっている
さまよう刃
事故―別冊黒い画集Ⅰ
死体置き場で夕食を
十角館の殺人
しまのないトラ
Sherlock: A Study in Pink
シャーロック・ホームズシリーズ
シャーロック・ホームズ秘宝の研究
小公子セディ
小公女
真珠夫人
新世界より
ずっとあなたが好きでした
ストロボ
世界の終わり、あるいは始まり
ダウントン・アビーに於ける職業指南書
武田信玄(あかね文庫版)
地球進化 46億年の物語
冷たい川が呼ぶ
天璋院篤姫
トッカン 特別国税徴収官
トッカン The 3rd おばけなんてないさ
トッカン vs勤労商工会
猫のなるほど不思議学
パーカー・パインの事件簿
初ものがたり
福家警部補の挨拶
ブードゥー・チャイルド
ホームズの伝記比較
ホームズ・パロディ(J・トムスン)
星新一のショートショート
「本が売れない」というけれど
ぼんくら
マスカレード・ホテル
マンガ版シャーロック・ホームズ
万能鑑定士Qの事件簿のシリーズ
「見たいテレビ」が今日もない
ミッキーマウスの憂鬱
密室殺人ゲーム王手飛車取り
密室の鍵貸します
みんないってしまう
モンスター
夜行観覧車
ラプラスの魔女
霊柩車No.4
ワイルド・スワン
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天璋院篤姫



ちょうど大河ドラマ「篤姫」をやってた頃、書店にこの本が山積みになっているのを見て興味を持ち、ほとぼりが冷めてから図書館で借りて読み、その後購入しました。

非常に重厚で、格調高い描写が特徴的で、女性視点の「幕末」が隅から隅まで描かれています。

主人公篤姫は、薩摩藩島津家のこじんまりした分家に生まれ、島津斉彬に才覚を見出されて島津本家の養女になり、13代将軍家定の妻「将軍御台所」となりますが、すぐに家定は死去。その後幕末の動乱に巻き込まれます。

この辺りは史実かどうか分からないのですが、篤姫は嫁ぐ前に養父島津斉彬に重要な密命をうけて徳川家に入ります。
が、その密命は、斉彬の陰謀を成功させるための複線だった…。
尊敬していた養父の本心を、篤姫が悟るシーンは、読んでいるこちらも驚愕しました。

この時代の女性は権力を維持する道具にすぎず、幕府が終わりそうな動乱のさなかも、大奥には情報はほとんど入ってきません。
でもその中で篤姫は、自分に出来ることを精一杯やって、最後は城を後にするのです。


私が気に入っているシーンはこちら。

篤姫は、分家から島津本家の養女になり、「将来の将軍御台所候補」として、教育係の幾島から厳しくしつけられるのですが、一番最初に幾島は、篤姫にこんなことを言います。

「上に立つひとは、先ず第一に、はっきりとよく判るように仰せ出さなければなりませぬ。
家来というものは、『え?』などと聞返すことは叶いませぬ故に、あいまいなご発音をなさいますれば、家来は困り入ります。
低い声でつぶやいたり、一人ごとも固く戒められております。
また、二度おなじことをおっしゃられてはなりませぬ。殿さま奥方さまのご命令は、口から出ましたときは絶対でございます。いまのは嘘じゃ、とはどんなことがあっても仰せにはなれぬものでございます。
それ故、一旦、お口になさいましたことはきっと実行なさらねば、家来どもの信頼を失います」


上に立つものの重要な心得ですね。
失言の多い現代の政治家も、幾島の教育を受けた方がいいのでは?と思ったりしてw

篤姫はこの頃、出会ったばかりの幾島に反発して、この幾島のセリフの後も「あっそ!じゃあなたとは口きかないからねっ!」的なオトナ気ないことを内心で思ったりするのですがw、この言葉を篤姫はずっと忘れませんでした。
幕末、幕府の、江戸城の、自分たちの命が、いつどうなるか分からない中、大奥のみんなが浮き足立つ状況で、篤姫は遠い昔幾島に言われたこの言葉を思い出して、リーダーたる自分がうかつなことを言ってはいけないのだと、心を落ち着かせます。


幕末の物語といえば、坂本竜馬など、新政府(明治政府)側からの話も面白いですが、幕府側から見た幕末も非常に読み応えがあります。
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折れた竜骨



時代は12世紀、魔法とミステリを組み合わせた、ファンタジーミステリという感じの小説。
魔法とミステリなんて共存できるのか?と思いきや、ちゃんと魔法部分も推理に入っているので、(一応)本格ミステリと言っていいんじゃないかな?

が、ヨーロッパを舞台にしているので、登場人物名も地名もみんな横文字。
しかも容疑者が8人出てくるけど、横文字な上、みな魔法がらみの特殊能力を持っているので、人物が出てくるたびに、人物紹介をおさらいしながら読みました…。

そういえばハリー・ポッターも、先生の名前がなかなか覚えられなかったっけwマクコガナル先生とかww

真相は予想してたほど意外ではなかったかな。
トリックは分からなかったけど、このメンバーで意外な犯人を演出するならこの人だろうなぁ~という予想がズバリ当たりました。
というか、むしろ探偵役の方が意外でした。え?最後は君が謎を解くのか!的な。

一回図書館で借りて読みましたが、忘れた頃に、また借りて読んでもいいかな~という感じの本ですね。
文庫でも出てるけど、買ってまで欲しくはないかも…。

シャーロック・ホームズシリーズ

小学生の頃、図書館に置いてあった児童向けのホームズ本を手に取って読んだのは、何年生の頃だったか…。
短編をいくつかと、長編は有名な「バスカヴィルの犬」くらいしか覚えてないけれど、表紙の不気味なイラストはうっすら覚えていたりしてw

しかしそれっきりホームズに興味を持つことはなく、30年経過。

で、再びホームズの名前を目にしたのは、去年のこと。
BBCが現代版ホームズというテーマで製作した「シャーロック」というドラマ(現在シーズン3待ち)。
※超ハマリ役だった変人シャーロック@ベネディクト・カンバーバッチが後にハリウッドデビューしちゃうなんて予想外!
※2013年7月に来日した時は、「ベネ様」とか呼ばれているし、めざましテレビでも紹介されてたし、パンのパッケージにまでなっちゃって…どんだけ~!


このシャーロックが思いの他面白くて、「そういえば原作ってどうなってたっけ?」と、本当に30年ぶりに再びホームズを読み始めました。

子供の頃は、変わった事件や風変わりな登場人物などに目を奪われがちでしたが、大人になってから読むと、ホームズとワトスンの関係や、コナン・ドイルのやる気の有無など、話の裏側がいろいろ見えてきて面白いww
それにホームズ物って、案外数が少ないんですね。
文庫本で9~10冊。うち長編が4冊。
クリスティのポアロシリーズとかに比べると、余裕で読破出来る数です。
もっと沢山あったような気がしたのは、気のせいだったのか…。


で、ホームズといえば、ミステリの基本みたいな扱いをされているけれど、話によっては、ホームズが全く推理してない話とかもあるんですよね。
そして、依頼人を死なせてしまってマジ切れしたり落ち込んだり、予想外の結末を迎えて自分のやり方を反省したり、人間らしい一面をちょいちょい覗かせるホームズw
むしろワトスンの方が、感情を表に出さず、ホームズの無茶ぶりにもよく耐えています。

ドラマになる際は、ホームズよりワトスンの方が演じるのが難しいって聞いたことありますが、何となく納得します。

おまけに、ホームズは目的のためなら手段を選ばないタイプ…。
情報を得るために、結婚詐欺(みたいなこと)をやったり、必要なものを奪うために、押し込み強盗を働いたり。
かと思えば、犯人をつかまえた後も、自分の判断で警察には知らせず無罪放免にしたり。

ドラマ相棒の右京さんや、名探偵コナン、金田一少年の事件簿の明智警視etc、ホームズをモデルにしたキャラは結構いるけれど、どう見てもホームズ本人より正義感が強そうで立派な人物なのでは…!?


そして著者コナン・ドイルも、ホームズが世界的に大ヒットしたけど、本当は違うジャンルの話を書きたくて、でもそっちは全然ウケなくて、生活のために仕方なくまたホームズを出したり…。
ヒットしないのも大変だけど、ヒットしすぎちゃうのも大変なんですねぇ。全く。
※そこら辺の思惑が、創元推理社の「シャーロック・ホームズの事件簿」(最後の短編集)の冒頭につらつらと書いてあります。


日本人ならではの楽しみ方として、各種翻訳を比較するのも面白いです。

個人的には、創元推理社の深町真理子さんの翻訳が読みやすいかな~。
「最後の挨拶」だけ出てないのが残念ですが(阿部知二さんの翻訳で出てます)。
(注:2015年には全部出版されました)
ただし、ホームズやワトソンの言葉遣いが妙に古めかしいというか、独特。
イギリスが舞台なのに「ちょこざいな」とか「はばかりながら」って…w
でも読んでいくうちに、その言葉遣いがだんだんクセになってくるのが不思議です。

まとめて読むなら、光文社の日暮雅通さんの翻訳も読みやすいです。
こちらは細かい解説もあり、当時の通貨単位とか風習とかよく分かります。

昔ながらの翻訳なら新潮文庫の延原謙さんの翻訳かな。
こちらはかなり硬い文章ですが、じっくり読むならいいかも。
ホームズの一人称が、親しい人の前だとぼく、公の場だとわたしになっているのがツボ。
しかもワトソンとは初対面の時から「ぼく」なのに、長い付き合いだと思われるレストレード警部に対してはずっと「わたし」。
そこら辺から、ホームズの人付き合いの距離感が見えてくるような…。
そうそう、深町さん訳で妙な言葉遣いが気になったと書きましたが、延原さんの訳はとにかく言葉遣いが丁寧!
この人の翻訳を読んでると、ホームズがやけに腰の低い人物に見えてきたりしてw


で、私の場合、原作はさっさと読み終わり、現在はパロディをちょいちょい読んでますが、それはまた別の話で…。

小公子セディ

この本は、私が小学生の頃、初めて買ってもらった「大人用」の文庫本です。
まあきっかけは、世界名作劇場でアニメ化されたのがきっかけなんですけどね。

内容は、アメリカの下町で育った、普通の7才の少年セドリックが、ある日突然イギリスの伯爵の跡継ぎに抜擢されるとこから始まります。
そもそも彼の父親は、伯爵家の三男だったのですが、上二人の兄が相次いで死に、セドリックの父親もアメリカで母子を残して死んだばかり。
残った男の子はセドリックしかいないから仕方ないよね~という感じで抜擢されるのです。

この本の面白いとこは、イギリスvsアメリカという構図
現ドリンコート伯爵は、大のアメリカ嫌いで、セドリックの父親がアメリカで結婚したときは、血管ブチ切れそうなくらいの怒りっぷり(そして絶縁w)。
一方セドリックの住む下町の友人店主ホッブスさんは、大のイギリス嫌い。
この両者の相手国に対する表現が、他人事ながら何ともおかしいww

でまあ、セドリックと母親は、イギリスのドリンコート城へ移住するのですが、とにかく伯爵がアメリカ嫌いなため、アメリカ人である母親なんか顔も見たくない状態。
セドリックだけが城に住み、母親は近くのコートロッジに滞在することになります。

セドリックは、ハンサムな父と美人な母を受け継いだ、かなりの美形少年。
しかも心優しい両親に大事に育てられたため、下町育ちとはいえ、とても育ちがよく、純粋でとにかく人を疑うことを知らない子供。
一方伯爵は、人間嫌いの子供嫌いで、領民どころか城の奉公人からも嫌われまくっている、セドリックとはある意味間逆の人物。

この二人が図らずも一緒に暮らすことになるのですが、純粋無垢なセドリックと接するうちに、伯爵の中にある変化が現れるのです。

人間の性善説を信じたくなるような、心温まる本ですね。
「現実にこんな子供いるわけないよなぁ」とか思いつつ、何度も読み返しました。

で、買ってから25年以上経った今も、ボロボロになって、まだ手元にあるのです。


☆個人的にツボなシーン☆

ドリンコート伯爵の従僕でトマスという人が出てくるのですが、そのトマスが奉公人仲間(多分)ジェーンに仕事のグチを言い、それを聞いたジェーンが領内に住む家族に全部暴露w

その内容がこちら↓

「それに、トマスさんがうちのジェーンに話したことだけど、殿様(伯爵)の言葉遣いのひどさったら、どんな奉公人だって、がまんできないほどですとさ――つい二日前にも、殿様はトーストを乗せたお皿をトマスさんに投げつけなさったんですって。食事やお給金が結構だし、奉公人同士のお付き合いがとっても上品だからいいようなものの、そうでなけりゃ一時間とたたないお暇をいただきたいって、申し出るところだったそうだよ!」

上司(経営者)が最悪でも、福利厚生と給料と人間関係に免じて、現状にガマンするトマスw
国も時代も違うのに、一社会人として同情&共感しちゃいます。

でも、お給金が結構ならいいじゃないですか。私なんか…(以下略)。


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