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これまで読んだ本、新しく読んだ本の感想を適当に書いていきます。 ※あくまで個人の感想です!
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消えた帆船1/4

いやぁ、前回の「アーンズワース事件」以降、なかなか進まなくて、今回久しぶりにThe Secret Notebooks of Sherlock Holmesの6つ目の話の抄訳が終わりました。
この話は結構長かったですね。これまで話は3つに分けましたが、今回は4つに分けることにしました。
しかも世界規模の話であちこち知らない地名は出てくるし…。
英語の他、地理も苦手な私にとっては、いろんな意味で大変でした(爆)。

というわけで前置きはこれくらいにして、6つ目の話消えた帆船に入ります。
(原題はThe Case of the Vanishing Barque)
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死体置き場で夕食を



私が中学生や高校生の頃にめちゃくちゃ流行ってた赤川次郎さん。
中学生の頃、赤川さんの著作を10冊以上持ってるクラスメートがいて、その子に次から次へと借りて読みふけったのを覚えています。
その頃借りた中の一冊だったような気がするのが、こちらの本。
最近新装版で発売されたらしく、それを図書館の新刊棚で見つけました。

タイトル死体置き場で夕食をは、もちろん「ティファニーで朝食を」のもじり。
赤川さんはこういうもじりがとても上手で、慣用句やことわざなども、赤川さんの手にかかれば気の利いたタイトルに早変わりですw

さて、タイトルは見覚えあったのですが、中身を読んだのは中学生の頃だから全然記憶なし。裏表紙のあらすじを見ても、設定すら覚えていない始末。当然犯人の心当たりもなし。
でも絶対読んだことあるなー!と思って、久々に借りて読んでみることにしました。

簡単にあらすじを書くと、新婚夫婦の紺野洋一と芳子は、旅行先の山中で吹雪&迷子になり、何とかたどりついたのが、とあるロッジ。
そこでオーナー以下数名の宿泊客と一晩過ごすことになるわけですが、朝目が覚めるとそのロッジには夫の洋一以外誰もいなくなってて、しかもオーナーの死体を地下で発見!
ただし雪の為外には出れず、数日そのロッジで過ごしたのち、スキーの出来る芳子がロッジに残ってた板を使って警察を呼びに行くことになりましたが、警察と共にヘリで戻ったら何とロッジは炎上&夫は行方不明で生きてるやら死んでるやら。
一人残された芳子は、その時一緒にいた警察関係者の某男性と一緒にロッジの秘密を探るわけですが…!?


…まず、この本の発売は1983年。
松本清張さんほどではないですが、結構昔だったんですね。
本を読み始めて10ページほどでそのことを痛感しました。
何しろロッジの宿泊客の一人、キザな中年プレイボーイ(原文)の首元には、オレンジのネッカチーフ(原文)!
若い娘の服装はスキーウェアのようなトックリ(原文)のセーター!

その他あちこちで時代を感じる記述が…w
…とまあそんなことはともかくとして、肝心の中身ですが、やっぱり読んだことがあるという勘は正しかったようで、読んでるうちにうっすら真相が頭の中に。
確か、こいつが黒幕だったんじゃあ…と思ったらその通りでした。
もっともそんなに複雑な話ではないので、読んでると何となく分かるんですけどね。
特に赤川さんの著作を読み慣れていれば。

結末はバッドエンドといえばバッドエンドですが、赤川さんらしくそんなに重くもならない感じで、軽く読み終わりました。
赤川さんの小説は、何も考えずにさら~っと読めるのがいいんですよね。
さほど生々しい、残酷な描写も出てこないし。
頭が疲れているような時はちょうどいいかなと思います。
そりゃあ、都合いい展開だし、つっこもうと思えばいくらでもつっこめそうなんですけど、時代も違うし、何となくこういう小説につっこみを入れるのは無粋な気がするので、それはやめておきます。

そういえば今回の新装版に加わったのが、赤川さんへのインタビュー。作家生活40周年記念特別インタビューが巻末に収録されています。
かなり意外だったのが、取材をしないで書いてるということ。
考えてみれば赤川さんの本の舞台って、特別コレという地名が出てきませんよね。海外だったとしても架空の国だったり大まかな地域だったり。
しかし本の中で結構いろんな職業の人を出してるのに、そういう取材もしてないのか、それは気になります。特に警察官は沢山登場するから、さすがに話くらい聞かないと厳しいんじゃないかなーとか思ったりしてw

最後、この本のアマゾンリンクを調べた時に知ったのですが、赤川さんの本って結構Kindleになってるのですね。
いやーだってほら、東野さんとか宮部さんとか、Kindle反対派の作家さんってそこそこいるので、ちょっと意外です。赤川さんの世代なら何となく嫌がってそうと勝手に想像してました。
しかもよく見るとKindleだと半額近くになっている本もあるので、今度ゆっくり見てみたいですね~。
赤川さんの本は数百冊出てるから、Kindle化はファンにとってはありがたいんじゃないかと思いますよ。

櫻子さんの足下には死体が埋まっている



2015年冬のアニメで放送してた「櫻子さん~」。
原作があることは知ってましたが、あえて買うほどかどうか微妙だったので、図書館を探してみたら、偶然返却棚で発見したので、速攻貸し出しコーナーへ。

まあアニメでも見てたので、読み易いことは読み易いですね。この本自体ラノベ、いわゆるライトノベルの類だし。
設定としては、とにかく骨と死体が大好きな標本士、九条櫻子さんと、その友人(??)の高校生、館脇正太郎の二人が、ひたすら骨がらみ死体がらみの事件に巻き込まれるというシリーズです。
基本一話完結ものなので、数冊出てますが、どこから読んでもそんなに困ることはありません。

さて、面白いのは標本士櫻子さんのキャラクターでしょうか。
見た目超お嬢様で、実際もお嬢様、なのに、骨や死体が大好きで、無残な動物の死体も彼女の手にかかれば博物館でよく見る骨格標本に早代わり。
また、叔父が大学の法医学教室にいた時にいろいろ教わっていたようで、人間の死体に関しても鑑識か検視官並の知識を持っている。ここら辺は「臨場」の倉石さんみたいですね。
それに死体じゃなくても状況や人をよく観察していて、しぐさから人となりを推測するのも得意。
ここら辺はシャーロック・ホームズっぽいなぁ~と思ってたら、作者のwikiに「子供の頃の愛読書はコナンドイルやアガサクリスティ」と書いてありましたw
というか、櫻子さんのキャラ、どう見てもホームズなのでは!?
※ちなみにアニメでの決め台詞さあ謎を解こうじゃないか!はアニメオリジナルのようですね。

一方の正太郎は普通の高校生。子供の頃に父親を亡くしているけれど、母親はアパート経営でそこそこ成功し、経済的には特に不自由もせず。
いつも櫻子さんと一緒に事件に巻き込まれては、気難しい櫻子さんと他の人の調停役なんかを務めたりして。
何というか、過不足ない普通っぽいキャラは、ワトソン役としては適任ですなw


さて、肝心のストーリーの方ですが、どの話も明るく始まる割には、佳境に入るとドロドロと濃くなり、後味はよかったり悪かったり…いやむしろ悪い方が多いような。
それにアニメでは青少年向けの話しかやってなかったのですが、原作はかなり大人向けというか、シビアな話が多くてびっくりです。

一番最初に刊行されたこの本でも、例えば第3話(第参骨)の薔薇の木の下もその一つで、アニメでは未放送(←永遠にアニメ化されないでしょうねw)。
櫻子さんと正太郎は、ひょんなことから櫻子さんの知人千代田薔子(しょうこ)の自宅に行くことに。薔子は40代半ばですが、最近夫を不慮の事故で亡くしてて今は一人とのこと。
ところが、二人が訪問した夜は、地元の名士が集まって降霊会とやらをやることになってて、何故か二人も参加させられることに。
そしてこの降霊会をきっかけに、薔子の夫のとんでもない秘密が明らかになるのですが…。

このとんでもない秘密は、集まった名士にも関わりのある、本当にとんでもない秘密で、うん、これはアニメでは絶対放送されないだろうと納得。
正直アニメ版の補完程度の意識で読み始めましたが、実のところ、アニメ以上の魅力があって、これはこれでいいかもと思ってます。


そういえば昨今(特にライトノベルに於いては)やたらと「人が死なないミステリ」などという、ゆる~いミステリが流行りがちですが、このシリーズはタイトルに死体がついているだけあって、大抵の話は殺人事件だったり、自殺だったりと、とかく死がつきものです。
ゆるいミステリも嫌いじゃないですが、ブラックコーヒーのようにほんの少し大人の苦味を感じるのがこのシリーズの特徴かもしれません。
一話辺りそんなに長くないし、一冊単位で考えても二時間程度で読み終わりそうな感じなので、大長編を読むほどの気分ではない、休日のぽっかり空いた時間には、いい頭の刺激になりそうです。

冷たい川が呼ぶ



最近は興味ある本が少なく、読んでもまあまあかなーで終わることばかりだったのですが、図書館の返却棚でたまたま見つけた本がこれ。
上下巻かぁ…ちょっと面倒だなと思いつつ、裏表紙のあらすじ読んだら微妙に面白そうだったので、一気に借りて読み始めたのですが…。

予想以上に面白かったし、あっという間に読み終わりました。

あらすじを簡単に言うとこんな感じ↓
エリック・ショーは、以前映画業界で、映像のスペシャリストとして働いていたが、ひょんなことから仕事を干され、現在は葬式で流す故人のエピソードをまとめたビデオ映像の編集などを細々とやっている日々。
ところがある時、葬式でエリックのビデオを見た故人の姉から、自分の義父の生涯をまとめたビデオ映像を作って欲しいという依頼を受けることに。
義父の名はキャンベル・ブラッドフォード、93才。かつてインディアナ南部に住んでいたのだが、その後成功して大富豪に。現在は病院で寝たきりで、意識も朦朧として死期も近いとのこと。
ちなみに手がかりとして渡されたのは、義父が故郷から唯一持ってきたという、プルート水という妙な水が入ってる瓶と、義父が意識不明になる前にエリックに向かってつぶやいたあの川は本当に冷たかったという言葉のみ。
エリックはプルート水を持って、キャンベルの故郷インディアナに向かうですが、そこでキャンベルの本当の姿と意外な真実を知ることに!

…やはりプルート水が重要なポイントになるようですね。
エリックは預かったプルート水を興味本位で飲んでしまいますが、それが一つのターニングポイントになって事件が進んでいきます。
(というか明らかに変な物質が含まれてそうな水、普通は飲まないだろうに…。ここら辺は重要なシーンなのに妙に不自然w)

そしてインディアナに付いてから、いろいろ調べた所、本当のキャンベルは23才年上のはずで、現在生きてたら116才だということが判明。
え?じゃああの意識不明のキャンベルは誰?と、この辺りから話はどんどん佳境に入っていきます。
そしてキャンベルの実の子孫ジョサイア・ブラッドフォードにキャンベルの魂が乗り移ったり、エリックがプルート水によって過去の出来事を体験するようになったりと、話はちょっとオカルトチックな方向に!?
過去と現在が入り混じり、それらのつじつまが合った時に、真実が明らかにされるのですが…。


まあミステリーというか、オカルトっぽい話なのは確かですね。
でもカタカナの登場人物が沢山出てくる割には、これ誰だっけ?という感じにはならないので、読み易いとは思います。
ところで最初に出てきた「あの川は本当に冷たかった」というあの川って結局どれを指しているのだろう?
ルーカスの叔父が密造酒を作るのに使用した水は湧き水だったし、本物のキャンベルが沈んだ場所は池(というか底なし沼?)って書いてあったし…。
タイトルになってるくらい重要なキーワードなのに、後半は全然出てこなくて、ちょっともやもやかも。

ちなみにこの作品、映画化が決まってるらしいですが、確かに映像化向きですねー。
エリックが幻を見るシーンは映像の方が分かり易そうだし、ラストの竜巻が町を襲うシーンも見ごたえありそう。
エリック役は、ゴーンガールでニック・ダンを演じてたあの人(名前忘れた)がいいなとか勝手に思ってます。
でも一番難しい役なのは、間違いなくジョサイア・ブラッドフォードでしょうね。
タダのDQN庭師から悪の総帥キャンベルへの変貌は、文章で読んでもなかなか圧巻でした。
人間が演じたらどんな風になるのかちょっと興味津々です。
映画がツタヤで借りられるようになったら、是非どんな感じか確認したいですねぇ。

そうそう、読み始めた時に気になったのは、エリックが作ってたエンディングビデオ
日本の葬式でそういうのを流すシーンは見たことないですが、アメリカでは普通なのでしょうか?
結婚式での成長を振り返るビデオなら、ありがちですが…。
でも故人の写真や映像を音楽と組み合わせて作るのって、演出としては悪くないかもと思いました。
が、日本でやったら、これを通夜で流すのか葬儀で流すのか?
通夜の方が知人友人が集まりがちだけど、葬儀の方が時間的にはゆとりがありそうだし…。
もっとも現在の日本の葬式は、大抵家族葬なので、出席者も家族か近親者のみ。
(昔は職場の人の家族のお通夜に行くこともありましたが、今はメールで「家族葬なので香典は辞退いたします」と回ってくる程度)
家族しか出席しないなら、別にこういうビデオいらないのかも?
というか、このご時勢、家族葬どころか、下手したら直葬(病院から火葬場に直行)パターンも増えつつあるらしいので、ビデオを作る時間も流す時間もなかったりして。

アーンズワース事件3/3

いよいよ最終話。
ギルバートは一体どこに隠れているやら!?


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