2011年の秋に、
著者のデビュー25周年の記念出版とかで、「麒麟の翼」「真夏の方程式」と一緒に本屋さんに並んでいたのは覚えているのですが、最近やっと図書館の通常の書架で見かけるようになったので、借りて読んでみました。
内容は、都内の一流ホテルが、連続殺人の舞台になるかも!?という話。
既に都内数箇所で事件が起きているのですが、どの事件の現場にも必ず残された
謎の数字。
その数字、実は次の事件現場を示す暗号のようになっていて、最後の現場に残ってた数字を解読すると、なんとそのホテルがビンゴ!
てなわけで、まだ起きてない殺人を未然に防ぐために、捜査一課の刑事たちが、ホテルマンに扮して実際に業務をしながら捜査することになるのです。
で、捜査一課の新田刑事が担当することになったのが、フロント業務。当然一人では仕事出来ないので、補佐というか、パートナーとして山岸尚美がつくことに…。
「お客さんを信用する」ホテルマンと、「とにかく人を疑う」刑事の二人。最初はいがみあってばかりでしたが、だんだんお互いの仕事を認めあうようになって、ついに後半、事件に大きな手がかりが!?
……何というか…東野さんって、刑事と気の強い女のコンビ、好きですね~。
でももうこれでそのパターンいくつめ?さすがにちょっと飽きましたww
前半軽い感じで、細かい話がいくつか続きますが、予想通りそのうちの一つが、後半の重要な複線に!
※その前半の話の雰囲気は、どう見ても「姉さん事件です!」のアレwというか、さすがに
真犯人のあの変装には気づきましょうよ!
視覚障害者のふりをした人には気づいたのに…。
切れ者刑事という設定の新田は、あんな変装を見破るくらいお手の物ではないのか!?
尚美もあんなに近くで接していたのに気づかなかったの?これはちょっと不自然すぎる…。
そしてあんな大掛かりな仕掛けをした割には、しょぼくて全く共感出来ない、超個人的な殺人動機。
もう、てっきり組織的なテロか、ものっすごい大きな事件が起こるのかと思いましたよ。あのホテルで。
副支配人あたりが黒幕でさぁ~…w
あんな計画立てるくらいなら、夜中、ターゲットが一人で帰宅する時を狙って襲っちゃった方が早かったんじゃないかしら?
ホテル勤務の人って不規則な勤務体制なんだし、夜中に帰宅することも当然ありえるはず。
そもそも一人目の殺人のときは、まるっきり疑われてなかったんだから、ここまでやる必要なかったような…。
…とまあ、いろいろつっこみましたが、
それなりに面白くは読めました。感想を書く気にもなれない「夜明けの街で」辺りに比べると、ずっとマシです。
一流ホテルの裏側は、ちょっと興味深かったし。
図書館で借りて読むのにはちょうどいい感じです。映像が頭にどんどん浮かんでくる話なので、そのうちドラマか映画になりそう。
ただしその時は、例の変装シーンを上手くやらないと、
登場した瞬間、犯人がバレますなww同時に刊行された、「麒麟の翼」「真夏の方程式」は映画化されたのに、これが映像化されてないのは、そんな理由だったりして??
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