前にレビューを書いた
初ものがたりの、一応続編?にあたる小説です。
続編とはいっても、同一人物は名前だけ登場する
茂七親分くらいで、あとはまるっきり別の話なので、続編と言うべきか微妙なのですがw
舞台はやはり江戸の深川。そこの
鉄瓶長屋で、殺人事件が起きたのをきっかけに、差配人(長屋の大家さん)が交代し、長屋の住人が一人、また一人…とそれぞれ別の事情で引っ越ししていきます。
最初は特に不審な点もなく話は進みますが、実は背後に
大きな黒幕がいて、一見平凡に見える、この長屋の成り立ちや存在に
深い事情があったことが分かるのですが…。
いやさすが宮部さんの江戸時代ものです。
最後までぐいぐい読ませますね~。探偵役は本所深川方の同心、
井筒平四郎かと思いきやそうではなく、甥っ子の
弓之助12才。
平四郎のおかみさんの、姉の息子で、これがまた
ものすごい美少年だそうでw
で、姉の嫁ぎ先は商家なのですが、姉の旦那が遊び人な為、このまま家に置いておいたら道を踏み外しそうだから、真面目な仕事につかせた方がいいのでは?と井筒家の跡取り候補として平四郎と共に行動することに…。
※平四郎には実子はナシこの弓之助、見た目がいいだけでなく、機転も利き頭もいい。武道も習っているので、そこそこ強い…という、主役の平四郎より、はるかに高そうなスペックw
登場するのは、上巻の後半からですが、ピンポイントで大活躍する弓之助に、目が釘付けです。
ところで、名前だけ出てくる茂七親分ですが、初ものがたりの時は
55才で(byお勢殺し)、今回は
米寿を迎えたそうです。
米寿ってことは88才だから、初ものがたりの時から33年が経過したということかしら?
今回出てくる茂七親分の手下(てか)は
松五郎。
初ものがたりの時にいた権三や糸吉はどうなったのかな~。あの時点で40代と思われる権三は隠居してそうですが、糸吉は当時20代前半っぽい感じだったから、「ぼんくら」に登場してもよかったような気が…。
雰囲気的には今回の手下、松五郎が、ちょうど糸吉の33年後と思えなくはないけれど、、、特に記述はないから別人かな?
というより、今回の話の中で、湊屋という大きな商家がキーポイントになるのですが、湊屋発祥の由来
(騒動というか因縁というか…)は30年近く前にさかのぼるそうで、それって
ちょうど初ものがたりの頃なのでは?
そうなると、その頃の手下糸吉=現在の松五郎だったら、間近でその騒動を見ていたのだから、知らないわけないよな~…やっぱり別人だよなぁと思ったりして。
こういう続編ものは、その辺りの細かいとこがついつい気になっちゃいますねw
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