もはや大昔の話ですが、短大1年の時、必修の外国語が英語、仏語、中国語の中から選択することになっていて、特に何も考えずに中国語を選択した私。
授業は、とりあえず普通に参加していたのですが、夏休みに出た宿題が
「少し前に発売されたワイルド・スワンという本を読んで感想文を原稿用紙2枚で提出」というものでした。
一応強制ではないものの、提出した人は、前期のテストの点数に10点足してくれるとのことで、そりゃ書かなきゃ~と本屋さんへ…。
でも、ワイルド・スワンは当時文庫本では出版されてなく(現在は文庫上中下3巻で出版されてます)、ハードカバー上下巻で1冊1800円!
うーん…プラス10点のためとはいえ、趣味かどうかわからない本のために1800円×2=3600円は高い…。
ところが、どうしよう~と思っていたら、偶然同じ授業を取っていた友達が購入したとのことで、借りて読み始めたのですが…。
これが
ものすごい衝撃でした。もう、衝撃という言葉しか出てこない。
中国って隣の国なのに、自分は中国のことを何も知らなかったのだと、思わされました。
話は著者の祖母の代から始まります。
1924年、15才の祖母は、たまたま村を訪れた軍閥将軍に見初められて妾(将軍には既に大勢妾が存在する)にされますが、それはその後の波乱の人生の幕開けにすぎなかった…。
その後、祖母の娘(著者の母)→著者へと主人公が移っていき、最終的には文化大革命が終了し、著者がイギリス留学の夢を叶える場面で終わります。
※その後著者はイギリスで勉強を終えたあともそこに留まり、同国でワイルド・スワンを出版し、世界中で翻訳、発売されました。が、中国語での出版予定はナシ。不思議なことにw台湾では出版されてますが。
はっきり言って、ハードカバー2冊読んだとは思えないほど、あっという間に読み終わりました。
文化大革命なんて、名前だけは聞いたことがありましたが、実態がどんなものだったのか、全然知らなかった。
同国人同士であんなことが出来てしまうなんて、本当に恐ろしい。
誤解を恐れずに正直に書くと、これを読んで中国人の気質というか、習性がじわじわ伝わってきました。
今、日本に向けていろいろやらかしているけど、ワイルド・スワンを読んでいるので、全然驚きません。
まあ、あれくらい平気でやるよね。だって同じ中国人にあんなこと出来るんだからさ。あれでもまだ手加減している方なんだよ…と。日本人なら一応読んでおいた方がいい本だと思います。
お隣の国なんだから、何も知らない方が逆に怖い。
ちなみに、本を借りて宿題を終えた後、本屋さんで上下巻まとめて購入しました。
(同じく借りて感想文を書いた人で、後に買った人他にもいましたw)
ワイルド・スワンを初めて読んだ時の衝撃は、今も忘れられません。
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