私がよく通う職場近くの図書館には、コミックもちらほら置いてあります。
軽く暇つぶししたい時は、
ヒカルの碁とかパラパラ読むわけですが、ふと棚を見るとマンガ版シャーロック・ホームズというものが…。
最近やたらホームズに縁があるとはいえ、マンガ版。しかも
絵が古っ!どう見ても昭和のマンガだろこれ(*≧∀≦)
※発売年は1996年なので実は平成でしたw
まー、子供が最初に読むならこういうのもいいんじゃね?と余り考えずにページをめくってみたら、これがただのコミカライズでなくてびっくり!
本の最初と最後の解説も子供向けとは思えないくらいしっかりしてるし、何より、ちょいちょい挿入されている
オリジナルエピソードがとてもいい感じ♪
さすが
石ノ森章太郎監修!
例えば
青いガーネット。
原作では、ホームズが真犯人を温情で見逃してやるだけでしたが、このマンガでは、その後、警察から証拠不十分で釈放された配管工のホーナーを、「部屋の配管がおかしい」とホームズが221Bに呼んで修理を依頼するシーンが…!?
もちろん配管がおかしいというのはホームズのウソ。
ホーナーは一通り配管を点検して、「どこも悪くないですよ」と帰ろうとするのですが、そこでホームズが(結構いい金額の)お金を、代金としてホーナーに渡します。
「見ただけなのに、これでは多すぎです」と辞退するホーナーに対して「そのお金でクリスマスをやり直してくれ」と告げるホームズ…。
あれ?青いガーネットってそんなイイ話だったっけ!?・゚・(つД`)・゚・
何というほほえましいエピソード!!
配管工ホーナーは、原作では名前しか登場しなくて、そういえば配管工って職業だったよね…というくらいの印象しかなかったのですが、その設定をこんな風にアレンジしたなんて素晴らしい!
それから
唇のねじれた男では、謎の浮浪者ヒュー・ブーンという男が出てくるのですが、彼は浮浪者とは思えないくらいの切れ者。
原作ではホームズが「何度か彼には注目したことがある」と語るだけだったのですが、マンガでは、
ヒュー・ブーンとホームズのやり取りをしっかりと再現。
いきなりブーンの元を訪れ「ぼくの仕事を当ててみろ」と言うホームズに対して、「それはあんたの仕事だろ、ホームズさん」なんて返すブーン。
しかも「なぜぼくがホームズだと分かった?」という問いに、「イギリスの紳士は普通紅茶をたしなむが、あんたからは微かにコーヒーの香りが…」などと、ホームズを目の前に、本人顔負けの推理を披露!これは原作にあっても違和感のないエピソードだと思いますよ。
というか、このエピソードを原作で読んでみたいと思ったら、原作には入ってなくて、がっかりされる可能性もあったりしてww
そうそう、それから作品の解説もなかなか秀逸。
赤髪連合にて、犯人たちがわずかな出費を惜しんで、赤髪連合を解散させなかったら、ウィルソン氏はホームズに相談にも行かず、犯行は成功していたかもしれない…なんて意見は、まったくもってその通りすぎて爆笑www
とにかくこのシリーズ、子供向けと侮らずに読んでみることをオススメします。
原作を熟知している人も、読むと
新たなエピソードにニヤリとなります。
そんな私は、このシリーズちょっと欲しい…とか思ったけど、さすがにハードカバー10冊はなぁ…置き場所もないし。
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