さて、アップウッドの醜聞以来、久々の登場となる
The Secret Notebooks of Sherlock Holmes。
アップウッドの醜聞3/3の最後に「アルミニウムの松葉杖の翻訳は終わっているのですが、その次の翻訳にもかかりたいので、次のレビューはまたそのうち」とか書いたわけですが、その次の翻訳がなかなか進まなくて…。
年明けにはBBC製作の「シャーロック」シーズン3も始まって、そっちの翻訳し始めちゃうし、おかげでこっちのホームズさんは、すっかりご無沙汰ww
とはいえ、やっともろもろの翻訳がひと段落したので、2話目の
アルミニウムの松葉杖のあらすじと感想にいきたいと思います。
(原題は
The Case of the Aluminium Crutch)
※例によって素人翻訳なので、正確さは期待しないで下さい(^^;)
この話は、ホームズが、ベーカー街に引っ越す前の、モンタギュー街にいた頃の話で、探偵として軌道に乗り始めた彼に、スコットランドヤードのレストレード警部が相談にきたことがきっかけでスタート
その頃のホームズは、ようやく知人以外からの依頼が来るようになり、警察にまでその評判が広まったようだ。
そして、とある宝石強盗に悩んでいたレストレードが、初めてホームズの所に相談に来た。
その宝石強盗は、男女一組のペアで構成されていて、夫婦を装い宝石店に入り、女が店員に話しかけて隙を作り、男が宝石を盗む。
男が逃げる瞬間、女はカウンターの向こうに倒れこみ、店員を動転させて男を逃がす。
店員が慌てて通りに出ると、男の姿はなく、店に戻ると女も消えてる…という手口らしい。
特徴としては、盗む宝石は必ず指輪。そして店員が通りで追いかけるときは、大抵アルミニウムの松葉杖をついた男が前に出てきて妨害しているのだ。
ホームズは調査の中で、プロの窃盗団との繋がりがあることを察知し、ベーカー街不正規隊のリーダー、ウィギンズに内情を探らせた。
例の男女は実は兄妹で、スマートなビジネスマン風の兄ジョージと、貴婦人風の妹ロージーは、その見た目を生かして、以前はスリを専門にやってたらしい。
ジョージが財布を盗んでロージーに渡し、ロージーは人ごみに紛れるというやり方だ。
ところがあるとき、ジョージが手にケガをして、スリが出来なくなってしまったのだ。
そこで二人は、足の不自由なホワイティ・ジョンソンを仲間にして、宝石強盗を行うことを思いついた。
まさか店員も、足の不自由な男が強盗の一味だとは思わないからだ。
ここまで分かった段階で、ホームズはいよいよ一味のアジトを突き止めて、潜入調査に入るのだが…。
●ワトスンがこの話をホームズから聞き出したきっかけは、レストレード警部の訪問。一通り世間話をした後、帰りがけに警部がホームズに
「ホワイティ・ジョンソンが獄中で死んだ」と報告します。でも「転落死ですよ、はっはっは」って感じの報告で、とっても不謹慎wというか、明らかに悲しんでないレストレードww
●BBSのシャーロックにもレストレード警部は登場しますが、英語のセリフをよく聞くと
レストラードって言ってるのが気になる…。
最初に翻訳した人は、ネイティブの人に発音の確認しなかったのかな?
●そんなレストレードが被害者から聞き出したのは、宝石強盗の手口と二人組みの男女だということだけ。3人目のメンバー、ホワイティ・ジョンソンの存在はホームズの聞き込みによって判明。おいおいしっかりしろよスコットランドヤードwww
●タイトル「アルミニウムの松葉杖」は、原作「マスグレーヴ家の儀典書」にも名前だけ登場するのですが、翻訳によっては「杖」になってることも多いですね。Crutchを調べると「杖、松葉杖」って出てくるし。ただ、個人的には杖というと、老人が使ってるイメージが強くて、この場合は障害者が使うのだから松葉杖が適当じゃないかと思ってそうしました。
●前回アップウッドの醜聞では、トランプ絡みの用語が出てきて悩みましたが、今回悩んだのは犯罪用語。「stall(直訳:仕切り、意訳:妨害役?)」、「dip(直訳:落とす、意訳:実行犯?)」「stickman(直訳:賭博場の監視員、意訳:監視役?)」などなど…。想像力の限界を試された気がします…。
●「緋色の研究」「四つの著名」で登場するウィギンズは、この頃からホームズの部下。ホームズは
知的で臨機応変と、彼をベタ褒めしてるけれど、緋色の研究の時は、不正規隊(ホームレスの子供達で構成)全員を221Bに連れてきて、ハドソンさんを仰天させ、ホームズに「ウィギンズ一人で来い」と言われてなかったか?(そして四つの著名でも同じことをやるウィギンズ^^;)
とても臨機応変なキャラとは思えないんだけど…wwしかしまだ幼いのに(おそらく11~12才くらい?)あれだけ詳しく調べてくるなんて、すごい調査能力!
そういえば、トムスンさんのホームズでウィギンズが登場するのは、今回が初めてのような気が…。原作ではウィギンズと同じくらいの登場頻度と思われるホームズの兄マイクロフトは、1冊に1回は登場しているのになぁー。
●ところでトムスンさんって、他にはどんな本出しているんだろう?とwikipediaを見てみたら驚愕の事実発覚!1930年生まれって…
昭和一桁世代かよ!!(イギリス人だけどw)
この先もまだまだホームズ・パスティーユ出版して欲しいけれど、
今年(2014年)84才かぁ……。
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