忍者ブログ
これまで読んだ本、新しく読んだ本の感想を適当に書いていきます。 ※あくまで個人の感想です!
プロフィール
HN : izumi
性別 : 女性
連絡先 : こちらからどうぞ
ブログ内検索
目次
50音順になってます

悪意
伊良部一郎シリーズ
噂の女
往復書簡
お江戸でござる
オリンピックの身代金
オレたちバブル入行組
折れた竜骨
顔 FACE
化学探偵Mr.キュリー
仮想儀礼
かばん屋の相続
機長、事件です!
Q&A
救命センター当直日誌
金融探偵

コモリと子守り
櫻子さんの足下には死体が埋まっている
さまよう刃
事故―別冊黒い画集Ⅰ
死体置き場で夕食を
十角館の殺人
しまのないトラ
Sherlock: A Study in Pink
シャーロック・ホームズシリーズ
シャーロック・ホームズ秘宝の研究
小公子セディ
小公女
真珠夫人
新世界より
ずっとあなたが好きでした
ストロボ
世界の終わり、あるいは始まり
ダウントン・アビーに於ける職業指南書
武田信玄(あかね文庫版)
地球進化 46億年の物語
冷たい川が呼ぶ
天璋院篤姫
トッカン 特別国税徴収官
トッカン The 3rd おばけなんてないさ
トッカン vs勤労商工会
猫のなるほど不思議学
パーカー・パインの事件簿
初ものがたり
福家警部補の挨拶
ブードゥー・チャイルド
ホームズの伝記比較
ホームズ・パロディ(J・トムスン)
星新一のショートショート
「本が売れない」というけれど
ぼんくら
マスカレード・ホテル
マンガ版シャーロック・ホームズ
万能鑑定士Qの事件簿のシリーズ
「見たいテレビ」が今日もない
ミッキーマウスの憂鬱
密室殺人ゲーム王手飛車取り
密室の鍵貸します
みんないってしまう
モンスター
夜行観覧車
ラプラスの魔女
霊柩車No.4
ワイルド・スワン
[3]  [4]  [5]  [6]  [7]  [8]  [9]  [10]  [11]  [12]  [13

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

マナーハウスの謎3/3

1/3と2/3の間は、結構空いてしまったので、3/3はさっさと終わらせちゃいます。
PR

マナーハウスの謎2/3

ちょっと間が空きましたが、前回の続き。

マナーハウスの謎1/3

アルミの松葉杖以来、ちょっとご無沙汰してしまったThe Secret Notebooks of Sherlock Holmes
次の話の翻訳は終わっている…とアルミの松葉杖3/3に書いたのですが、その次のトスカ枢機卿の事件がひと段落してからここに書こうかと思っていたら、いろいろ違うことに取り掛かっちゃって、全然進まない翻訳…。
もうキリがないので、マナーハウスの話を書いてしまうことにしました。
(原題はThe Case of the Manor House Mistery)

※例によって素人翻訳なので、正確さは期待しないで下さい(^^;)

福家警部補の挨拶



ドラマの予告でちらりと見たこのタイトルを、例のごとく図書館の返却棚で見つけて借りたのがきっかけです。
壇れいさん主演のこのドラマ。気になりつつも結局見てなかったけど、ネットの記事で「女版古畑」とか書かれてたなぁ~。
ということはコロンボ式のミステリー(叙述式)ってことか?
…くらいの認識しかなく、著者も全然知らなかったわけでw

叙述式のミステリーといえば、やっぱりコロンボや古畑任三郎が有名ですね。
※叙述式の本来の意味は、文章の見せ方で読者を騙すということなので、別に犯人が最初から分かる形式を現わすわけじゃないです。念のため。
ちなみに最初の叙述式ミステリーはアガサ・クリスティのアクロイド殺人事件かな…。

コロンボの方は余り見てなかったのですが、和製コロンボと言われた古畑の方は第1シーズンから最後の話まで、ほぼ全部タイムリーに網羅しました。
この形式のミステリーは、推理モノのお約束「犯人はお前だ!」的な意外な犯人、意外なトリックで意表をつくことが出来ないので、ストーリー展開やキャラクターの個性で読者(視聴者)を惹き付けなければいけないという、結構難易度の高いミステリーなんですよね。

この著者はコロンボの大ファンで、こういうミステリーが書きたかった…と、あとがきに書いてありますが、まあその通り、正当派コロンボミステリーという感じになってます。
ということで、内容にも触れていきましょう。

第1話、最後の一冊
福家警部補初登場の舞台は、地方の閉館寸前の図書館。
何とか図書館を残したい館長の天宮祥子は、借金清算の為に図書館を潰したい、オーナーの江波戸宏久を、深夜の図書館内で、事故に見せかけて殺害します。
一見完璧に見えた計画も、偶然の雨天と、館内の空調の故障と、本のことを全然考えない宏久の行動etcがきっかけになって、福家警部補の餌食になってしまう犯人w

身長152cmで童顔で、全然警部補に見えない福家警部補。
しかも現場に入る時は、いつも警察手帳を探してカバンをゴソゴソやってて、見張りの警官に野次馬扱いされちゃうしww
この辺の描写は、第1話からずっとお約束みたいで、どの話にも必ず出てくるようです。
はっきり言って全然切れ者に見えない彼女、犯人も聞き込み先もそんな彼女につい油断してあれこれ話してしまうというのが、このシリーズのポイント。
同じ女刑事でも、乃南アサさんの音道貴子(「凍える牙」etc)や東野圭吾さんの内海薫(原作の方のガリレオシリーズ)とは全然違うタイプの切れ者です。

軽く福家さんの紹介をしたとこで、第2話、オッカムの剃刀
この話の犯人は、何と元警察関係者。5年前まで現役の複顔術(白骨から生前の顔を割り出す作業)を担当していて、現在は大学で講師をしている…という、捜査内容を知りつくした、ある意味最大の強敵、柳田嘉文。
柳田は、ある犯罪について医学部の准教授、池内国雄に脅されていた為、連続強盗の一つを装って深夜彼を殺しますが…。
この犯人、元捜査関係者というだけあって、犯行の手口もその後の対応も、ものすごく用意周到。
予想外のことがいくつか判明しながらも、なかなか尻尾を掴めない福家警部補は、ついに捜査協力と偽って柳田を罠に誘います。

古畑シリーズではよく使われてた「犯人を罠にかけて自供させる」手法。このシリーズでは余り使われなくて、使ったのはこの話のみ。
まあ、これだけ強力な相手じゃあ仕方ないですねぇ~。
ところで、この話において、福家さんの「会った人の顔は一度で覚える」という特技が登場します。
いやぁー、5年前に一度会っただけの柳田さんのことを覚えているなんて、すごい~。
人の顔を覚えるのが苦手な私には神業としか思えないですww

さて、そんなこんなで第3話、愛情のシナリオ
女優小木野マリ子は、同じ役をめぐって最終候補に残っている柿沼恵美を、深夜彼女の自宅で殺害します。
前のオッカムの剃刀に比べると、犯罪もシンプルだし、残された手がかりも分かり易く、福家警部補も、さほど迷うことなく犯人を追いつめるのですが…。
この話のポイントは、タイトル愛情のシナリオ。
タイトルの意味が最後に分かります。それから同時に判明する犯人の隠された殺人動機…。

この話では福家さんの映画&ドラマオタクぶりが判明w
後のシリーズでは、お笑い芸人にも詳しく、劇場の回数券まで持ってる様子が伺えますが、捜査中は睡眠も取らず家にも帰る時間もなさそうなのに、一体いつ見るんだか…。

で、最終話、月の雫
居酒屋みたいなタイトルですが、こちらは日本酒の名前。
地元密着で小規模ながらも味にこだわった酒造りをしている谷元酒造と、味よりも経営を優先する大手酒造、佐藤酒造。
谷元酒造の社長、谷元吉郎は、合併という名目でのっとりを計画していた佐藤酒造の社長、佐藤一成を、自分の酒蔵内に巧妙に招き入れて、事故に見せかけて殺害しますが、冬にしては記録的に暖かかった気候がきっかけで、完全犯罪にほころびが生じて…。

酒蔵が関わる事件といえば、古畑の第3シーズン「灰色の村」を思い出しますねぇ。
あの話は酒蔵内で殺人が起こるわけではなかったから、タイプが違うといえば違うけれど、酒蔵を守る為の殺人という意味では似ているかな?と思ったりして。
あの話の最後で、犯人が「この酒の味を信じてればよかったのに…」とつぶやきますが、この話もそんなセリフが似合いそうですね。
佐藤酒造の強引なやり方に屈して、谷元酒造との付き合いを切っていた地元の熊本酒店も、味の違いによる顧客離れから、結局やり方を見直すことにしたし…。
殺人事件など起こさなくても、佐藤酒造はじきに自滅してたのでは?

と、この話で判明するのは、福家警部補の酒の強さ。
ウォッカをグラスに何杯も飲んだあと、持ってきた月の雫までどんどん飲んで相手から情報を聞き出し、「これ以上飲むと酔ってしまいますので」とスタスタ歩いていく福家さん。
おいおい酔ってしまいますって、あれだけ飲んで酔ってなかったんかい!!!


総括としては、全般的にそれなりに面白かったと思います。
この次のシリーズ「福家警部補の再訪」もしっかり借りて読んじゃったし。
傑作!というほどではないけれど、読み易くて、かといって内容も軽すぎず、他人にも進め易い本だと思います。

とはいえ、読み終わって思うのは、ドラマ化して福家さん=壇れいさんというのはちょっと違うのでは?
福家さん最大の特徴は童顔と身長152cmという、とても刑事には見えない見た目。
どちらかというと大人っぽい美人な彼女にはちょっと似合わないような…。
芸能人に詳しくないので誰ならいいとかは分かりませんが、もうちょっと雰囲気の近い人にやって欲しかったかなーとは思います。

地球進化 46億年の物語



たまにのぞくと興味あるテーマがあるブルーバックスですが、今回読んでみたのはこちらの本。
地球の成り立ちというと、大昔NHKがやっていた「地球大紀行」を思い出します。
ただあの番組の放送は、確か1987年(wikiにありました)。
毎月一度の放送が当時楽しみだったのを、今でも覚えてます。

とはいえ、あの番組からもう27年。当時は最先端だったであろう内容も、さすがに違う学説などが出てきてて、地球の歴史も少し変わっているかもしれないなぁ…と思って、この本を手に取ったわけですが…。

いやー、予想外に面白かったです。
この本の主なテーマは、正に地球進化の歴史。
宇宙の成り立ちから、太陽系の成り立ち、そして地球がどうやって出来て、どんな歴史を辿り、現在の風景を作り出すに至ったのか、細かく、最近の研究を元に記述しています。

最初に興味深かったのは月の成り立ち
月は、いつも側にありながらも、長いことナゾの存在でした。
元は宇宙から飛んできて、地球の重力につかまったのか、はたまた、地球が出来た時に一緒に出来たものなのか…etc
この本によると、地球が出来かけた頃に、テイアと呼ばれる地球の1/3ほどの大きさの小惑星が地球に衝突し、その衝撃で飛び散った地球のかけらが、集まり、月になった…らしいです。
そして月は、地球の周りを回りながら、1年に3.8cmほど遠ざかっています。遠い未来には、宇宙の果てになくなってしまうものなのでしょうねぇ。
そして、遠ざかっているということは、逆算すると、昔は今よりずっと近い所にあったというわけで…。
計算すると、45億年前の月は、地球から24000kmしか離れてなくて、地球から見た月の大きさは、満月で考えると、今の250倍
ひょっとしたら、太陽に匹敵するくらい明るかったのかも!?
そして当時の地球の自転速度は今よりずっと早く、一日は5時間ほど。月の速度もめまぐるしくて、何だかもう、いろいろと想像出来ませんw

それから、海と陸地の成り立ちも面白いですね。
まず海が先に出来て(もちろん今とはまるっきり成分が異なります)、その後大陸が登場。
海は、地球が出来て1億年ほどで登場しますが、陸地の登場はそれからさらに1億年ほど後の話。

面白いのは、生命の進化と鉱物の関係
それぞれ違う歴史を辿っているかと思いきや、両者には密接な関わりがあり、誕生当時の地球にはたった12種類の鉱物しかなかったそうです。
それから、大陸の移動、衝突、あるいは、光合成を行う生命が生み出した酸素によって、鉱物は多種多様に発展してきました。。
生命がなかったら、今の1/3程度の鉱物しか存在しなかったなんて、びっくりです。
地球上にあるもので、双方無関係のものなんて、ひとつもないのかもしれません。

そして最後に判明するのが、人類の歴史の短いこと短いこと…。
西遊記に「お釈迦様の手の上の悟空」というエピソードが出てきますが、我々人類は、地球の手の上に乗せられているに過ぎないのですね。。。


最後にこの本のエピローグから印象的な文章を抜粋します。

人間の過去100年の活動が、大気の成分の変化やそれに続く気候の変化を引き起こしたことは、物理法則と同じくらい疑いようのない事実だ。
~中略~
私たちの行動のせいで地球は暑くなり、氷は解け、海面は上昇するだろう。しかしそれは地球にとってなんら新しいことではない。
~中略~
私たちが行動を起こすのは、“地球を救う”ためでは決してない。45億年以上、激しい変化の中を生き続けてきた地球を、私たちが救う必要などない。
~中略~
私たちのような大型哺乳類も大量絶滅するかもしれないが、そうなれば他の脊椎動物が取って代わる。
~中略~
もし地球の行く末を心配するのであらば、それは何より人間という種のためであるべきだ。誰よりも危機に瀕しているのは私たちなのだから。


よく「地球に優しい」とか「自然を守ろう」などというキャッチフレーズを見かけますが、地球的には優しくしてもらわなくてもかまわない。
我々の身の回りにある自然(植物)だって、地球の歴史で考えると、出現したのはたったの4億年前。40億年以上存在してなかったのだから、別になくても困らない。
そして、地球上では、これまでも様々な種が絶滅と進化を繰り返していて、人間だって例外ではないはず。
だから人間は、今の環境を出来るだけ長く引き伸ばして、いつかやってくる滅びの時を少しでも先延ばしにする為に、ひたすら悪あがきをするしかないのでしょうね。


忍者ブログ [PR]

graphics by アンの小箱 * designed by Anne