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これまで読んだ本、新しく読んだ本の感想を適当に書いていきます。 ※あくまで個人の感想です!
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目次
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化学探偵Mr.キュリー
仮想儀礼
かばん屋の相続
機長、事件です!
Q&A
救命センター当直日誌
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コモリと子守り
櫻子さんの足下には死体が埋まっている
さまよう刃
事故―別冊黒い画集Ⅰ
死体置き場で夕食を
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しまのないトラ
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シャーロック・ホームズシリーズ
シャーロック・ホームズ秘宝の研究
小公子セディ
小公女
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武田信玄(あかね文庫版)
地球進化 46億年の物語
冷たい川が呼ぶ
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トッカン 特別国税徴収官
トッカン The 3rd おばけなんてないさ
トッカン vs勤労商工会
猫のなるほど不思議学
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ブードゥー・チャイルド
ホームズの伝記比較
ホームズ・パロディ(J・トムスン)
星新一のショートショート
「本が売れない」というけれど
ぼんくら
マスカレード・ホテル
マンガ版シャーロック・ホームズ
万能鑑定士Qの事件簿のシリーズ
「見たいテレビ」が今日もない
ミッキーマウスの憂鬱
密室殺人ゲーム王手飛車取り
密室の鍵貸します
みんないってしまう
モンスター
夜行観覧車
ラプラスの魔女
霊柩車No.4
ワイルド・スワン
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化学探偵Mr.キュリー



ヒット商品が一つ出ると、類似商品が出てくるというのは、非常によくあることなのですが、東野さんの「探偵ガリレオ」シリーズがヒットしドラマ化&映画化したら、今度は「化学探偵Mr.キュリー」ときたか!

…というのが、本屋でこの本を見た時の感想ですw
ガリレオ先生こと湯川先生が物理学の准教授で、Mrキュリーこと沖野先生は理学部の准教授…。
もう読まなくても内容が想像出来るww
むしろ、逆にネタとして是非読みたいですが、それだけのために新刊購入はなぁ~…と思ったら、数ヵ月後に図書館で発見。数人待ちの予約状況だったので、予約して借りてみました。

読む前の予想通り、いろんな意味でガリレオ先生と被ってますねw
沖野先生のキャラとか設定とか…。唯一違うのが相棒役かな?
ガリレオ先生の場合は、事件を持ちこむのは刑事さんですが、こちらは大学事務局の事務員、庶務課の新人七瀬舞衣。
大学内で奇妙な事件が起きるたびに、モラル向上委員とやらに(勝手に)任命された沖野先生にアドバイス…というか事件解決をしてもらう舞衣。

雰囲気としては、ドラマ「ガリレオ」の第一シーズン(2007年放送)に近いような…。
七瀬舞衣が、だんだん(今よりは少し若い)柴咲コウでイメージが浮かんできたのは私だけなのかw

小説自体は、全5話の短編集形式で、読み易いです。
化学探偵というだけあって、全部の話に化学絡みの話が出てきますが、さほど専門的でもなく、超文系の私でも普通に読めました。
逆に言うと、化学の専門的なトリックを期待している人は止めておいた方がいいかも?
多分そういうジャンルじゃないですw

ワトスン役の舞衣が非常に明るいキャラで、沖野先生とのやり取りも漫才のようで楽しいのですが、一方話のオチは若干ほろ苦いです。
最初のとっかかりが軽く、大したことない事件のようで、解決してみれば、結構大きな犯罪が絡んでいたりとか…。


しかしこのシリーズも、続編が出たら、あの二人の恋愛話が出たりするんですかねぇ~。
既に今回の最後の話で、そのフラグが立っているし…。

というか、一番の心配は、今年(2013年)の7月に発売されたばかりなのに、10月の段階で予約待ちがたった3人というこの状況!
まず続編が出るのかどうかが、気になります。

…って、買う予定がない私の言うセリフではないのですが(爆)。
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ミッキーマウスの憂鬱



ディズニーランドといえば、日本でもっとも有名なテーマパークで、全国名前を知らない人はいない、通称「夢の国」
ただし、夢の国というのは、あくまでゲストの目線で見たことであり、もてなすキャストにとっては、普通に仕事なんだろうなぁ…というのは、何となく想像出来ることではありますね。
この本は、そんなディズニーのキャスト側に入った若者…21才フリーター後藤くんを通して、ディズニーの裏側、キャストの現実を描いているのですが…。

何というか、現実味のない話ですねぇ。全般的に。
まず主人公の後藤くんが、超痛い!中二病もあそこまでくると、痛すぎ…w
そりゃまあ自分だってその年頃は世間知らずだったけど、バイト初日に社員のやることに口出しとか、さすがにないから!

それに、初日で事件発生、二日目で解決、三日目でフィナーレという、早すぎる展開にもついていけません。
もう名探偵コナンばりの進行具合。
せっかくの面白い舞台設定に、中二病の主人公…もうちょっと、せめて一年くらい作中時間かけてくれれば、少しは厚みのある話になったんじゃないかしら?


ただ、ディズニーの裏側という意味では、興味深かったです。
私はほんの数回しか行ったことがないのですが(しかも最後に行ったのは20年くらい前w)、ディズニーではゲストの夢を壊さない為に、各キャラクターはそれぞれ1体ずつしかパーク内には存在しない…くらいは知ってます。
でも、実は、ショー用やパレード用などで、内部では複数存在するキャラもいるんですね。
この話では、二人のミッキー役の人が登場するのですが、身分的にはショー>パレードらしく、踊りをするショー用のミッキーの方が格上らしいです。
ミッキーの世界にも序列があるなんて、何だか不思議です。何かもう夢もへったくれもないなww

とはいえ、この辺りのネタは、アマゾンのレビューによると、本当かどうか微妙らしいです。
大体1995年で終了したエレクトリカルパレードの話が出てくるんだから、一体いつの話なんだ?という疑問が…。
(ただし2001年からリメイク版が出てるらしいので、そっちの話なのか?)


ま、本は薄いし、話も薄いし、値段も最近の文庫本にしては安い515円だから、暇つぶしくらいにはなるかもしれません。
私は一度読んだので、もう読まないだろうけど…w

ホームズ・パロディ(J・トムスン)



ホームズものが他の探偵ものと大きく違うのは、違う作家によるパロディ作品が多く出版されていることではないでしょうか?
調べると、とにかくいろんな人が、パロディを書いているのに驚きます。
普通に自身の著作が有名な、エラリー・クイーンまで書いているしw(それはまたいずれ書く予定)

私が図書館で偶然見つけて読んだのが、J・トムスンのホームズシリーズ。
この人のホームズシリーズの特徴は、「語られざる事件」を発表しているという点。
※トムスンの他にも「語られざる事件」を書いてる人はいます

ホームズを読んでいると、ちょいちょい出てくる名前だけの事件。
大抵過去を振り返って、「そういえばこんな事件もあったね」的に出てきたりするのですが、名前からどんな事件なのか想像をふくらませちゃうのが、さすがマニアですな( ´艸`)

トムスンのこのシリーズは、原作のイメージに非常に近くて、本当に雰囲気そのまま。
コナン・ドイルは生前、アイデアが思いつかなくて、他人のアイデアを買い取とろうとしたとか何とか言われてますが(真相不明)、当時トムスンがいたら、間違いなく影武者として採用していたんじゃないかしらww

何しろ、エピソードを思い浮かべた時、一瞬どっちの作品だったか迷っちゃうくらい!

で、現在日本で出版されているのが、上の4作で、あと2作出てますが、そちらは未翻訳。
せっかくだから出版して欲しいけれど、もう出ないんだろうなぁ~。
何しろ出版されている4作ですら、現在増刷されていなくて、もう古本でしか手に入らない状況。
案外図書館で借りて読むのが一番手っ取り早かったりします。
(新しい図書館にはないかもしれないけれど、ちょっと古い図書館だと置いてある可能性大)


そうそう、このシリーズと原作の大きな違いは、原作に比べて「バッドエンド」の話が比較的多いということでしょうか。
※原作にもバッドエンドの話は存在します
何しろ「事情があって当時は発表できなかった話」という設定なのですから、どの話にも何かしら「発表出来ない理由」が存在します。

よく出てくる主な理由としては3つ。
○依頼者側の事情
○ホームズの事情
○ワトスンの事情

どの話も、最後にこの3つの中のどれかの事情が語られ、「そんなわけで、この話は発表しないで金庫にしまっておく」という感じで締めくくられるのが、トムスンバージョンのお約束。
※発表しないなら何でわざわざ書いたんだい、ワトスン君?という疑問は持っちゃいけませんw


とまあ、これで大体紹介は終わるのですが、せっかくなのでそれぞれの本から1つずつエピソードを(ネタバレはナシで)紹介しましょう。

まずは「秘密ファイル」の中からアマチュア乞食
ワトスンの軍隊時代の友人の息子は、教育の成果もなく、どうしようもないドラ息子(現代風に言うとDQN)。
そのドラ息子が、父親(友人)とケンカした挙句、家出してしまいます。
憔悴した友人の為に、何とかして行方を捜して欲しいと、ワトスンがホームズに事情を説明するのですが…。

原作の記述「アマチュア乞食」という言葉から、この話をよく思いついたねぇ~というのが、一番の感想ですw
そして19世紀のイギリスにもあった振り込め詐欺(正確には寄付金詐欺?)。
欧米では独立した子供の為にお金を用立てるという発想はないらしく、日本のような「父さん大変だ!横領がバレそうなんだけど何とかして~」的な詐欺は余り通用しないらしいですが、一方、お金持ちが恵まれない人のために寄付をする、或いは慈善活動をするというのは、割と一般的なことらしく、だからこの話のような詐欺が成り立っちゃうのかも?


次、「クロニクル」の中からハマースミスの怪人
ある嵐の夕方、ホームズとワトスンは、暇つぶしにミュージックホールに出かけます。
そこの控え室で女性歌手が殺されてしまい、犯人探しをすることになるのですが…。

たまたま観に行った劇場で事件だなんて、何という名探偵コナン!w
で、殺された女性歌手は、ワトスンが大ファンだったフランス人歌手。
「彼女は素晴らしい声の持ち主」と評するワトスンに対して、「素晴らしい足首の持ち主」とか言っちゃうホームズww君の趣味って一体(爆)。
この話は、ホームズものには珍しい色恋沙汰の密室殺人。
ドイルは非常に真面目な人だったそうなので、絶対思いつかないトリックでしょうねw


で、その次は「ジャーナル」の中からスミス-モーティマーの相続
夫が失踪してしまったと、モーティマー夫人が弁護士を伴ってホームズの元を訪れます。
その夫は、のちに死体となって発見され、容疑者も上がるのですが…。

ハマースミスの怪人は密室ものですが、こちらはアリバイトリック。
ある身近でユニークなものが、トリックに使用されます。
本当に出来るかどうか実験したらしいですよw
しかし犯人も、証拠の品を自宅の近所で購入するなんて、バカですなww


最後、「ドキュメント」の中からエインズワースの誘拐事件
ケチな金持ち、エインズワース氏が、娘のミリセントが馬丁に誘拐されたとホームズに相談に来ます。
その娘は、何故か洋服を全て残し、しかも、娘の愛馬も一緒に消えていたというのですが…。

こういう話に出てくる娘は、大抵美女と決まっていそうですが、ミリセントは例外w
話が進むと、脳内のミリセントは北斗晶辺りで再生されるようになります(超爆)。
そして娘が誘拐されたというのに、説明された調査料に対して「高いな」と文句を言うエインズワースwwwお前本当に心配してんのかいっ!
ところで、ワトスンは「アマチュア乞食」の際、調査料の目安が分からないと言ってますが、しょっちゅう身近で話を聞いているのに、全然目安つかないの~?


以上です~。


その他小ネタとしては、原作の方のレビューでワトスンに対して「感情を表に出してない感じ」と書きましたが、こちらのワトスンは、それなりに感情出しまくりww
某話にて、ホームズの調査が上手く行ってない様子を見て「今夜も機嫌の悪いホームズと過ごすのか…」とあからさまにがっかりしたりw
かと思うと、その後調査が思い通りに進んできて、ワトスンも協力の為に強制的に勉強させられた際には、「機嫌のいいホームズなら、一緒に過ごし易いというわけでもない」とか言ってるしww

そういう意味では、ただひたすらホームズを慕うドイル原作のワトスンに比べると、こちらのワトスンはホームズのいいとこ、悪いとこを全て承知の上で、友人として協力しているな~と伝わる気がします。

このシリーズを読んでから原作を読むと、二人の関係がちょっと補強されるような気がしたりして。



では最後に、「ドキュメント」の中のフェラーズ文書事件の中からこの言葉を…。

「どんなに賢い人間でも、きっと一度や二度は愚かなまねをするものだと思いますよ」
原文:I am sure even the best of us have acted foolishly at one time or another.


これはホームズのセリフなのですが、彼が言うと説得力がありますね。
自分にも思い当たることがあったのかしら?と邪推してしまったりして…。

みんないってしまう



私は、音楽は、基本的に女性歌手が好きなんですよね~昔から。
男性のも聞かないことはないけれど、どちらかというと単発的。
邦楽だけでなく、洋楽もその傾向があって、その辺は何だか不思議です。

一方作家の好みはというと、どちらかというと男性作家の方が多いかな?
国内海外問わず、7:3くらいで男性の方が多い気がします。数えてないけどw


で、この本の著者山本文緒さん。名前だけ見ると中性的ですが、女性の作家さんです。
その山本さんの短編集がこちらの本。
短編集とはいっても、一つ一つが短くて、大体一つ18ページ程度。
星新一さんのショートショートほどではないですが、一遍あたり数十分で読み終わるので、ほんのちょっとした時間に暇つぶし出来ます。

とはいえ、短くても内容は思ったより深いのが特徴的。
タイトル通り、全編、登場人物が作中に何かを失うことをテーマにしています。
あるいは失いそうになって、手放すべきか迷ったり。
その辺りの心の動きが、正に文章と文章の間に細かくちりばめられていて、寂しい気分になりつつも、後味は悪くない、不思議な読後感です。


個人的に好きな話は、「裸にネルのシャツ」「みんないってしまう」「愛はお財布の中」「イバラ咲くおしゃれ道」etc…。
特に表題作「みんないってしまう」が印象的。

主人公(女性)は、東京の街中でばったり幼馴染の絵美と会い、お茶をしながら近況報告をすることに。
そして話は学生時代にさかのぼり、初めての恋人の話になるのですが…。

なかなか上手な複線で、あの言葉が出てくるまで全然気づきませんでしたww
気づいてから読み返すと、女性二人の光景が全然違う様子に見えてくるし!
これは小説でなければ出来ない演出ですね。ドラマじゃあの驚きは出せないだろうなぁ…。


最後にこの話から抜粋。

「ひとつ失くすとひとつ貰える。そうやってまた毎日は回っていく。幸福も絶望も失っていき、やがて失くしたことすら忘れていく」

この文章こそ、全編に共通するテーマだと思います。


どの話も、ほんのちょっと空いた時間に、軽くお茶を飲みながら読むのがちょうどいいですよ♪

悪意



東野圭吾さんの著作の中でも、有名なシリーズキャラクター、加賀恭一郎の登場する本です。
えーと、確か加賀さん初登場の「卒業-雪月花殺人ゲーム」では大学4年生、作中進路を聞かれて教師になる予定だと答えてますが、次に登場する「眠りの森」では既に刑事。
結局いつ教師をやっていつ辞めたんだ?というささやかな疑問が、「悪意」の中で少しだけ語られます。

「悪意」では、加賀さんは刑事として登場しますが、事件の関係者が何と、教師時代の職場仲間。
そこで昔の話と、教師を辞めたきっかけなどが登場するのです。

この話、ミステリの分類で言うと「ホワイダニット(Why done it?)」と呼ばれる部類に入ります。
つまり重要なのは、犯行の動機。

序盤で事件が起き、犯人は速攻逮捕されます。が、ここからが本題。
何故親友だったはずの男を殺したのか?
犯行の本当の目的は何なのか?

中盤まで「ふむふむ…」と普通に読み進めますが、後半からガラリと事件の様相が変わります。
二人の本当の関係が見えた時、タイトルの「悪意」という言葉が、ドーンと響いてきます。
これこそ、本当の悪意!正に心の闇。

その名誉は、殺人を犯してでも、手に入れたかったものなのか?と、問いかけたくなりますが、最後の加賀さんの考察を聞くと、おそらくそれでさえ、本当の目的ではなさそうな気がします…。


多分東野さんの本のどこかで読んだと思うのですが、このフレーズが頭をよぎりました。

「人間、誰からも憎まれない人なんていない。
例え誰にでも好かれるような、完璧な人格の人がいたとしても、そのこと自体が嫉妬され、憎まれるきっかけになることもある」



個人的には、これは加賀さんのシリーズの中ではダントツだと勝手に思ってますw
が、特にシリーズを意識しなくとも、単品でも充分楽しめる作品です。長編とはいえ、そんなに長くないので、割とすぐ読めるし。

義母が持っていて、いつでも借りられるので買ってないけど、そうじゃなかったら絶対購入してた本ですね~。


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